フィーバーのアリーヤ・ボストンが、チームメイトのケルシー・ミッチェルについて「本当に彼女こそMVPです」と言い切りました。同じロッカールームにはケイトリン・クラークがいて、リーグにはMVP連覇中のエイジャ・ウィルソンがいます。それでも味方の口から真っ先にミッチェルの名前が出たことに、驚きはありませんでした。ここ1か月の数字は、身内びいきの一言では片づけられない領域に入っているからです。
17試合連続20得点、直近6試合はすべて25点以上
現地8月13日、地元インディアナポリスのWRTVが伝えたところによると、ミッチェルは20得点以上を17試合連続で記録し、そのうち直近6試合はいずれも25得点以上に達しています。チーム自体も直近9試合で7勝と好調で、東地区の上位争いに完全に戻ってきました。
平均得点は24.3点。これはリーグ2位の数字で、上にいるのは直近2年のMVPであるウィルソンだけです。The Sporting Newsによれば、33試合を終えた時点でフィールドゴール成功率50.9%、3ポイント成功率44.5%と、どちらもキャリアハイを更新中です。ガードで平均24点を挙げながらフィールドゴール5割超えという組み合わせは、そもそも滅多に成立しません。単発の爆発ではなく、効率を保ったまま量を積み上げている点が今季のミッチェルの本質だと感じます。
ボストンが評価したのは得点だけではありませんでした。毎日早く来て余分にシュートを打ち、守備でも手を抜かない。その積み重ねを間近で見てきたからこその「MVP」という言葉でした。
4年連続で伸び続けた平均得点と、遅れてきた評価
見逃せないのは、この爆発が突然変異ではないことです。ミッチェルの平均得点は4シーズン連続で上昇しており、しかも今季の伸び幅が最大でした。昨季から4点以上積み増しての24.3点です。8年目、9年目の選手が数字を落とし始めるのがリーグの平均的な姿だとすれば、彼女の曲線は明確に逆を向いています。
このブログでも8月上旬に、ミッチェルが14試合連続20得点でタウラジの記録を超えたこと、7月の月間最優秀選手に初めて選ばれたことを取り上げました。当時「連続記録はどこで止まるのか」という関心が中心でしたが、そこから記録は止まるどころか17まで伸びました。評価の焦点が「珍しい連続記録」から「MVP投票用紙に名前が載るかどうか」へ移ったのが、この2週間の変化です。
本人の受け止め方は驚くほど淡々としています。大事なことを大事なままにしておくだけ、という趣旨の言葉を口にし、さらに「もう一段ギアがある」とまで話しました。自分の得意な場所にどう辿り着くかを突き詰めたことが今季の成功につながっている、という自己分析も語っています。すでにキャリアハイを更新している選手の言葉としては、かなり強気な部類です。
MVPレースで現実的にどこまで届くのか
冷静に見れば、MVPレースの本命はウィルソンで、ルーキーながら数字を伸ばすオリビア・マイルズや、フィーバーの顔であるクラークも票を分け合う位置にいます。フィーバーは複数のスター選手を抱えるチームであり、これは票が割れやすい典型的な構図でもあります。同じチームから2人が上位に入ると、どちらも1位票を取りきれないまま終わることは過去にも起きてきました。
それでもミッチェルが投票で無視されにくいのは、記録が「連続」という分かりやすい形で積み上がっているからです。17試合連続20得点という数字は、シーズン終盤に投票者の記憶へ残ります。フィーバーがこのまま東地区の上位でシーズンを終えれば、少なくとも1st Team級の評価は現実的な射程に入るはずです。逆に連続記録が止まった瞬間に語られ方が変わるリスクもあり、そこも含めて残りの試合が面白くなってきました。
今後の試合情報
フィーバーは現地8月14日午後7時30分、ホームでダラス・ウィングスと対戦します。ウィングスにはペイジ・ベッカーズがおり、ガード同士の力比べという意味でも見どころの多い一戦です。ミッチェルの連続20得点が18に伸びるのかどうか、まずはこの試合が最初のチェックポイントになります。

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