ここ数試合、ゴール下の至近距離すら決まらない夜が続いていました。そのエンジェル・リースが、8月20日(現地時間)のロサンゼルス・スパークス戦で、フィールドゴール9本中9本という一切の外れ無しの一夜を作り上げました。20得点10リバウンド8アシスト、チームは124対88の大勝。数字を最初に見たとき、打った本数の少なさではなく「3ポイントも2本中2本」という一行に目が止まりました。不調から抜け出すときの選手は、たいてい確率ではなく確信から戻ってくるのだと思わされる内容です。
30分で9本すべてを沈めた夜、チームは球団史上最多の124点
この試合のリースは30分の出場で、フィールドゴール9本中9本、3ポイント2本中2本、フリースローの試投はゼロ。20得点10リバウンド8アシスト3スティールという、得点・リバウンド・アシスト・スティールのすべてで存在感を残す内容でした。APによると、これはドリームの球団記録となる「無失敗でのフィールドゴール成功数」であり、同時にWNBA史上3人目となる「シュート成功率100%での20得点ダブルダブル」でもあります。今季25個目のダブルダブルはリーグ最多で、2023年にアリッサ・トーマスが打ち立てたシーズン28個の記録まで、残り4つに迫りました。
チーム全体も止まりませんでした。ドリームは124点を挙げて球団記録を更新し、残り8分10秒の時点で早くも100点に到達。最大42点差をつけています。ライン・ハワードが3ポイント5本を含む26得点、ナズ・ヒルモンが14得点、アリーシャ・グレイが13得点と、主力が揃って軽やかでした。ドリームはこれで23勝13敗、スパークス戦は8連勝です。一方のスパークスは12勝24敗となり、この敗戦でプレーオフ進出の可能性が消滅しました。キャメロン・ブリンクがベンチから14得点、レイ・バレルが12得点、ネカ・オグウミケが11得点を記録しています。
直前の4試合は54本中15本、成功率27.8%という停滞でした
この一夜が異様に見えるのは、直前の落ち込みが深かったからです。ESPNの試合ログをたどると、8月7日のワシントン戦は12本中1本、13日のコネチカット戦は13本中3本、16日のインディアナ戦は16本中5本、19日のラスベガス戦は13本中6本。この4試合を合計すると54本中15本、成功率27.8%という数字になります。リバウンドとフリースローで得点を作りながらも、シュートタッチそのものは明らかに戻っていませんでした。
それでもリースは、この間もダブルダブルを積み上げ続けていました。8月7日は12本中1本で7得点ながら16リバウンド、13日は8得点15リバウンド。決まらない夜にどう戦うかを知っている選手だからこそ、ボードに残り続けられたわけです。そしてAPによれば、この日の前半に3本のオフェンスリバウンドを奪った時点で、2024年に自身が記録したシーズン172本というWNBAのオフェンスリバウンド記録を塗り替えました。シュートが入らない期間の彼女を支えていたものが、そのまま記録として形になったかたちです。
個人的に最も評価したいのは8アシストです。ゴール下で潰されていた時期を経て、この日はダブルチームに来た相手を素直に外へ逃がしていました。ハワードが3ポイントを5本沈めたのは偶然ではなく、リースが引きつけた結果として生まれたスペースだったはずです。フィニッシュが戻った日にパスの本数も伸びる、というのは、シュートを打てる自信が判断の速さに直結していることを示しています。
残り試合で28という壁に届くのか
ここからの焦点は二つあります。ひとつは、トーマスのシーズン28ダブルダブルという記録に手が届くかどうか。リースは25個で残り4つ、ドリームの残り試合数を考えると決して楽ではありませんが、今季の彼女は平均で二桁リバウンドを外す方が珍しい選手です。得点さえ二桁に乗れば自動的にカウントが進む、という状態に近い。
もうひとつは、ドリーム自身の順位です。23勝13敗はプレーオフ圏内ですが、上位との差は一戦ごとに動きます。19日には王者ラスベガスを倒し、20日にはスパークスを36点差で沈めた。この2試合の内容は、短期決戦でも通用する幅を持っていることの証明でもあります。ラスベガス戦のリースは13本中6本と決して効率的ではなく、それでも21得点10リバウンドで勝たせました。良い日も悪い日も勝ち筋があるチームは、プレーオフで厄介です。
不安があるとすれば、この日のリースが打ったシュートがわずか9本だったことです。40分ではなく30分の出場、しかも大差の展開でした。接戦で15本、18本と打たされる夜に同じ精度が出るかは、まだ分かりません。次の数試合で「試投数が増えても成功率が落ちない」ことを示せたとき、この9本中9本は不調脱出の一夜ではなく、彼女の新しい基準になります。
次戦とこの先の見どころ
APによると、ドリームは土曜日にフェニックスへ乗り込み、スパークスは同じく土曜日にホームでコネチカットを迎えます。プレーオフ争いの終盤に入り、ドリームにとってはシード順を決める重要な期間です。リースのダブルダブル記録への挑戦と合わせて、フェニックス戦での試投数と成功率にぜひ注目してみてください。日本からの観戦はWNBA League Passが定番の選択肢になります。

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