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なぜシルバーはカニンガムに声をかけたのか、次期コミッショナー選考の舞台裏

 

次のWNBAコミッショナーを選ぶ作業は、リーグの内側だけで完結していないようです。NBAコミッショナーのアダム・シルバーが、インディアナ・フィーバーのソフィー・カニンガムに自ら連絡を取り、後任人事について意見を交わしていたことが明らかになりました。カニンガムはFIBA女子ワールドカップによる中断期間中の月曜、チーム練習後に報道陣の取材に応じ、そのやり取りを自分の言葉で語っています。選考の実権を握る人物が、リーグで最も賛否の分かれる選手の一人にまで耳を傾けていた。この一点だけで、今回の人事がどれほど神経を使って進められているかが伝わってきます。

2回の対話、カニンガムが明かしたシルバーとの距離

カニンガムによると、シルバーとのやり取りは一度きりではありませんでした。これまでに2回ほど話したと明かし、知識が豊富で示唆に富む人物だった、彼がどんな人材を求めているかを直接聞けたのは大きかったと振り返っています。NBA側は二人が具体的に何を話したのかについて明言を避けていますが、シルバーがNBAとWNBAの選手と直接意見を交わしてきたことは以前から知られています。

30歳のカニンガムが次期コミッショナーに求めた条件は、3つに整理できます。1つ目は、ここ数年で加速したリーグの成長をさらに押し上げること。2つ目は、多様な背景を持つ選手たちをひとつにまとめること。そして3つ目が、選手との関係を大切にする姿勢です。

「本当に必要なのは、選手を第一に考え、選手との関係を築こうとするコミッショナーだと思います」

彼女は具体的な候補者の名前までは挙げませんでした。ただ、条件の並べ方そのものが、現体制への評価を静かに示しているようにも読めます。

エンゲルバートが残したもの、残せなかったもの

現コミッショナーのキャシー・エンゲルバートは、年内での退任を表明しています。2019年の就任以降に積み上げた実績は、決して小さくありません。従来より条件の良い放映権契約、新しい労使協定、そして遠征時のチャーター機導入。いずれもリーグの土台を作り替える仕事でした。

追い風もありました。2024年にフィーバーが全体1位でケイトリン・クラークを指名して以降、チケットとグッズの売上、テレビ視聴率、リーグへの関心はいずれも明確に伸びています。就任時に12だったチーム数は、2030年までに18へ拡大することが決まりました。数字だけを並べるなら、WNBA史上もっとも景気の良い7年間だったと言っていいはずです。

それでも選手側の評価が割れてきたのは、成長の速さと選手との距離感が釣り合わなかったからでしょう。クラークが受け続けるハードファウルの扱い、運営判断への疑問。カニンガムが「選手ファースト」という言葉を軸に据えたのは、この空白を名指ししているようにも聞こえます。

融和を求めたのが分断の当事者だったという逆説

今回いちばん引っかかったのは、ここです。カニンガムは今季、女子スポーツにおけるトランスジェンダー選手の参加をめぐる自身の立場を公言し、リーグで最も意見の分かれる選手の一人になりました。敵地では抗議の声に迎えられることもあったといいます。

その当人が、次のリーダーに求めたのが「全員をひとつにまとめられる人」でした。自分の発言によって摩擦の中心に立った選手が、融和を条件に挙げている。この非対称さは、いまWNBAが抱える課題の質をよく表しています。誰かが正しさを宣言して終わる話ではなく、立場の違う人間が同じ更衣室で戦い続けられる設計が要る、ということです。

カニンガムは日程にも踏み込みました。連戦がコート上の質を落としていないか、シーズン中の中断を短くすることで解消できないか。同時に、過密な日程が高い年俸の原資になっている面も認めています。拡張、放映権、日程、そして選手との関係。次期コミッショナーは、この4つを同時に扱わなければなりません。ESPNが後任候補を整理する記事を公開するなど、選考が実務段階に入っていることも見えてきました。

シルバーが複数の選手に直接意見を聞いているのだとすれば、今回の人事は経営手腕だけでは決まらない可能性があります。対話ができるかどうか。それが最後の決め手になるのなら、カニンガムの発言は一選手の感想ではなく、選考基準そのものに触れる材料になります。少なくとも、次に名前が出てくる人物を見るときの物差しは、これで1本増えました。

フィーバーは金曜のトロント戦から再開します

インディアナはいま、クラーク、アリーヤ・ボストン、そしてステファニー・ホワイトヘッドコーチの合流を待っている状態です。3人はベルリンで行われたFIBA女子ワールドカップに、アメリカ代表として参加し金メダルを獲得しました。フィーバーは金曜のトロント戦でシーズンを再開します。プレーオフ争いの最終盤に入るこのタイミングで、リーグの最高職をめぐる議論が並走しているというのも、いまのWNBAらしい光景です。

引用:https://www.news4jax.com/sports/2026/09/15/sophie-cunningham-expresses-thoughts-on-next-wnba-commissioner-has-discussed-them-with-adam-silver/

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