アトランタ・ドリームは10月21日、WNBAファイナル第3戦(対ゴールデンステイト・ヴァルキリーズ、ステート・ファーム・アリーナ)に来場する元NBAのエネス・カンター・フリーダムを、アリーナ内の個室スイートで観戦させる措置を取りました。USA TODAY Sportsによると、ドリームの球団とアリーナはWNBA、球団オーナー、アリーナ幹部、警備担当者と協議したうえで、この措置を決めました。スイートには追加の警備が付き、州警察は本人の要請を受けて警官1人を割り当てました。
個室スイートに移された経緯
アリーナ側の声明によると、カンター・フリーダムは自身の安全について、連邦・州・地方の当局、WNBA、ドリーム、アリーナの関係者に連絡を取っていました。声明は「ゲストとチームスタッフの安全と警備を最優先に考えている」という趣旨で、本人の安全上の懸念に応えつつ、本人と他の来場者の双方が安全で前向きな時間を過ごせるようにすることを目的に挙げています。
カンター・フリーダムは10月19日、SNSで第3戦への来場を表明しました。10月20日には、ファンから否定的な反応が寄せられていることを確認したうえで、それでも来場すると投稿しています。10月17日にはFox Newsで、数千件の殺害予告を受け取ったと語り、アトランタのファイナルに行くと明言しました。USA TODAY Sportsによると、記事は個別の脅迫の内容や、安全上の懸念を生んだ具体的な出来事までは記していません。
水曜日に本人はアトランタで撮った写真をSNSに載せ、エンゲルバート・コミッショナーの書簡も添えました。書簡はインディアナ州選出のマーリン・スタッツマン下院議員の問い合わせに答えたもので、「WNBAでプレーできるのは女性だけ」と書かれています。本人はこれに対し、どうやらWNBAは女性とは何かを今も定義できる、と皮肉を込めて投稿しました。
8月のシカゴ以来の観戦
カンター・フリーダムは8月7日、SNSで2027年のWNBAドラフトへの参加資格があると宣言し、自身を女性と認識していると表明しました。ヴァルキリーズのギャビー・ウィリアムズが「トランスジェンダーの選手を、チームメートでも対戦相手でもいつでも歓迎する」と語ったことが、きっかけの一つだったと本人は説明しています。元NBAのロイス・ホワイトも同様に宣言しましたが、AP通信によると、関係者は8月の時点で2人とも資格がないと明らかにしています。
8月23日にはシカゴ・スカイの試合を観戦し、「WOMAN noun. adult human female」と書かれたTシャツを着ていました。スカイのナターシャ・クラウドと言い合いになって退場させられ、ウィントラスト・アリーナへの出入りを禁じられました。本人はその後、不当な退場で憲法修正第1条の権利が侵害されたとして、スカイを提訴しています。今回の来場は、この8月下旬のシカゴ以来、初めてのWNBAの会場でした。
背景には、法制度の動きがあります。トランスジェンダーの女子・女性選手を女子スポーツから排除する州法は27州で成立しており、米連邦最高裁は6月30日、各州の禁止措置を支持する判断を示しました。この流れの中で、WNBAは資格の線引きをはっきり示している状況です。
ドリームの対応が持つ意味
今回の措置の核心は、観客席の中ではなく、観戦場所を球団が管理する形に変えた点にあります。個室スイートであれば、他の観客との接触を避けられ、警備も一点に集中できます。ファイナルはシリーズ1勝1敗の状況で、観戦者一人の動きが試合の空気を変えかねない夜に、ドリームは事前に観戦場所を固める選択をしました。
ドリームにとって、この対応は競技と無関係な負担です。第2戦でアンジェル・リースが30得点16リバウンドを記録してシリーズを振り出しに戻した直後で、チームの関心は第3戦のホームコートに集まっています。それでも球団はWNBA、オーナー、アリーナ、警備と同時に協議し、観戦の枠組みを整えました。ファイナルの舞台で、競技の外側の混乱を最小限に抑えることを優先した判断です。
カンター・フリーダムの来場は、ファイナルの話題を試合の外へ広げました。ただし、WNBAがドラフトの資格を認めていない事実は変わらず、今回の個室スイートも、リーグと球団が来場そのものは拒まず、安全の管理だけを引き受けた対応です。ファイナルの焦点は、これからも試合内容にあります。
引用:https://sports.yahoo.com/articles/dream-arrange-private-suite-enes-234248994.html

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