WNBAのアトランタ・ドリームが東地区で12勝4敗、4連勝と波に乗るなか、その快進撃の内側で静かに葛藤を抱える2年目がいます。サウスカロライナ大出身のガード、テヒナ・パオパオです。チームが勝ち続ける一方で、本人は自身の今季を「不安定」と振り返り、思うようにいかない2年目への率直な思いを明かしました。勝っているチームのなかであえて自分の手応えと向き合う——その姿勢こそ、これからのドリームを占ううえで見逃せないテーマだと感じます。
数字が映す「波」のある2年目
2026シーズンのパオパオは、16試合で平均5.0得点、1.3リバウンド、1.6アシスト。出場時間は1試合あたり14.6分と、あくまでベンチからの限定的な役割にとどまっています。直近5試合を並べると、6月11日のリバティ戦が3得点、14日のテンポ戦が6得点、18日のフィーバー戦が7得点、20日のフィーバー戦は9得点(3ポイント4本中3本成功)と上向いたものの、22日のテンポ戦では14分の出場で2得点に終わりました。試合ごとの数字の振れ幅が、本人の言う「不安定さ」をそのまま物語っています。一方で、シュートの確度は決して低くありません。フィールドゴール成功率は38.9%ながら、3ポイントは42.2%、フリースローは83.3%と高水準です。出場機会さえ整えば、信頼に足る軌道へ乗りつつあることもまた確かな事実だといえます。
ルーキーイヤーからの変化と背景
2025年のドラフト2巡目18位でアトランタに加入したパオパオは、ルーキーイヤーに43試合へ出場し、平均5.8得点、2.4アシストを記録しました。2年間の通算では59試合で平均5.6得点、2.2アシスト、3ポイント成功率39.5%。こうして比べると、今季は出場時間とアシストこそ減ったものの、3ポイント成功率は通算の39.5%から42.2%へと上昇しています。役割が絞られたぶん、一本のシュートに求められる精度はむしろ上がっており、数字の「質」では着実な前進が見て取れます。アリーシャ・グレイやライン・ハワードといった主軸が得点を牽引するドリームにあって、パオパオに託されるのは限られた時間でいかに流れを引き寄せられるか。その難しさこそが、2年目の「もがき」の正体だといえるでしょう。
首位チームでの居場所を巡る今後の展望
ここからは独自の見立てです。ドリームが東地区首位を走るいま、層の厚さは大きな強みである反面、若手にとっては出場時間を勝ち取る競争が一段と激しくなることを意味します。パオパオが自らの状態を「不安定」と冷静に分析できている点は、むしろ前向きな材料だと受け止めています。課題を言語化できる選手は修正も速いものです。3ポイントとフリースローの高確率を武器に、短い時間で確実に得点へ絡めれば、プレーオフを見据えたローテーションのなかで存在感を増していけるはずです。チームの勝利と個人の成長をどう両立させるか——その答えを残りのシーズンで示せるかどうかに、引き続き注目しています。
今後の試合・観戦情報
ドリームは日本時間6月25日(現地24日)にアウェーでゴールデンステート・バルキリーズと対戦します。首位を走るチームがこの強行日程をどう乗り切るか、そしてパオパオがこの一戦で「波」を断ち切る一本を沈められるか。東地区の主導権争いとあわせて、ベンチからの貢献にも目を向けると、ドリームの試合はより一層面白く見られるはずです。

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