女子バスケ界の象徴エイジャ・ウィルソンの母校、サウスカロライナ大学が長年連れ添ったアンダーアーマーと別れ、ついにナイキと手を組みました。契約自体は2025年8月に承認されていましたが、その効力がいよいよ2026年7月1日、つまり本日から正式に発効します。単なる大学スポーツの用具契約の話に見えて、その中身を読み解くとWNBAを代表するスターの署名モデルまで巻き込んだ壮大なブランド戦略が浮かび上がってきます。個人的には、これはNCAAとWNBA、そしてナイキの三者が描く「循環」の完成形だと感じています。
10年70億円超の大型契約、本日7月1日にいよいよ始動
今回の契約は10年で総額7000万ドル(約105億円・1ドル150円換算)という大型のものです。内訳はこの本体金額に加え、500万ドルの現金、250万ドル相当の製品供給、さらにナイキ製ゲームコックス関連商品の純売上の15%が上乗せされる構造になっています。大学スポーツのアパレル契約としては破格の規模で、女子バスケで全米制覇を重ねてきた名門の商業的価値がそのまま数字に反映された形です。
旗振り役となったのは、就任間もない新アスレチックディレクターのジェレマイア・ドナティです。前任のTCU時代にもナイキとの契約を延長させた実績があり、今回もアンダーアーマーとナイキ以外の企業とは交渉しなかったと明かしています。同じくアンダーアーマーから離れたオーバーンも同日7月1日にナイキ契約を発効させており、逆にテネシーはナイキからアディダスへ移るなど、名門校を巡る用具メーカーの勢力図が2026年を境に大きく動いています。
アンダーアーマーとの19年に幕、SEC最後の“非ナイキ校”が転換
サウスカロライナとアンダーアーマーの関係は2007年に始まりました。2016年には10年・7150万ドルで延長契約を結び、この契約が2026年6月に満了を迎えます。実に19年に及ぶパートナーシップで、この間に女子バスケは全米チャンピオンへと駆け上がりました。そしてこの移籍によって、サウスカロライナはSECで最後まで残っていた“非ナイキ校”という肩書きを手放すことになります。
長年アンダーアーマーの象徴的存在だった名将ドーン・ステイリーは、複雑な胸中をSNSでにじませました。ナイキとの新契約に「天にも昇る気持ちだ」と喜びを表しつつ、全米制覇を支えてくれたアンダーアーマーへの感謝も忘れないと綴っています。実はステイリー自身は1999年に自らのナイキ署名モデル「ズームS5」をWNBAで着用しており、ナイキとの縁は30年以上に及びます。今回の契約はその古巣との関係を、母校ぐるみで復活させる意味も持っています。
焦点は“A’Two”、エイジャの署名モデルが母校のコートへ
この契約が単なる大学の話にとどまらないのは、エイジャ・ウィルソンの存在があるからです。この春に自身初の署名モデル「A’One」を発売したばかりの彼女について、契約の条項には「象徴的なサウスカロライナの選手かつアンバサダー」として明記され、ナイキが大学バスケ部にエイジャの署名モデル「A’Two」をサウスカロライナ専用カラーで供給すると記されています。提供されない場合は2027年7月15日までに1500万ドルを支払うという代替条項まで盛り込まれ、母校のコートに彼女のシューズが並ぶことが契約上ほぼ確約されています。
さらにナイキはエイジャ関連のマーケティングでサウスカロライナを起用し、2026-27シーズンには女子バスケ部が「2024年パリ五輪で米国代表が着用したものと同じ設計」のユニフォームを身につけるといいます。ここに私は、現役WNBAスターの商品力が母校のブランド価値を押し上げ、その母校がまた次のスターを育てるという好循環の設計図を見ます。エイジャという一人の選手がコートの外でもリーグ全体の資産になりつつある、その象徴的な一件だと言えるでしょう。
エーシズのエイジャに注目、リーグ後半戦へ
そのエイジャは現在、ラスベガス・エーシズの中心として2026年シーズンを戦っています。直近ではエイジャを欠いたエーシズがコミッショナーズカップ決勝でリバティに屈するなど、コンディションが気がかりな場面もありました。それだけに、後半戦での完全復活と4度目のMVPに迫る働きにあらためて注目が集まります。エーシズは背中の負傷から復帰を目指すケイトリン・クラーク擁するフィーバーとの一戦も控えており、コート内外で話題を振りまくエイジャから当分目が離せません。
引用:https://sports.yahoo.com/article/south-carolina-athletics-switch-nike-142148861.html

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