アリッサ・トーマス

【殺害予告に「絶対に容認できない」】フィーバーのホワイトHCが古巣の教え子トーマスへの誹謗中傷を一刀両断、クラーク騒動が生んだ醜い連鎖に警鐘

 

WNBAでいま最も注目を集めているのは、コートの上のプレーではなく、その外側で起きている出来事かもしれません。フィーバーを率いるステファニー・ホワイトが、ライバルであるマーキュリーのアリッサ・トーマスに向けられたオンライン上の誹謗中傷について、「絶対に容認できない」と強い言葉で非難しました。クラークとの接触プレーをきっかけに膨らんだ騒動は、ついに殺害予告という危険な領域にまで達しています。自軍のスターであるクラークを守る立場にある指揮官が、あえて相手側のトーマスをかばったという構図こそ、この問題の深刻さを何よりも物語っているように感じます。

殺害予告にまで発展した誹謗中傷の連鎖

発端となったのは、フィーバー対マーキュリーの一戦で起きたルーズボールの競り合いでした。倒れ込んだトーマスの手がクラークの喉元に当たったこのプレーは、試合後のリーグ審査でフレグラント2(悪質なファウル)に格上げされ、トーマスには1試合の出場停止処分が下されています。問題はここから先でした。処分が報じられると、トーマスのもとには人種差別的な言葉や、命に関わる脅迫までもが押し寄せたのです。トーマス自身が殺害予告を受けたと明かしたことで、事態は一気にスポーツの枠を越えてしまいました。

これを受けてホワイトは、報道陣の前でこの風潮を真正面から批判しました。「それは絶対に容認できないことです」と語り、リーグ全体にはびこる有害性、人種差別、同性愛嫌悪といった悪意に警鐘を鳴らしています。さらにホワイトは、こうした攻撃の多くは本当のWNBAファンではなく、リーグや選手を利用して分断をあおろうとする人々によるものだという見方を示しました。詳細はCBSスポーツの報道でも伝えられています。

かつての師弟関係という見過ごせない背景

ホワイトの発言をより重く感じさせるのは、トーマスがかつての教え子だという事実です。ホワイトはコネチカット・サンの指揮官を務めていた時期にトーマスを指導しており、その人となりを誰よりも知る立場にあります。いまはフィーバーとマーキュリーという別々のチームで戦い、しかも渦中の相手はホワイトが預かるクラークという複雑な関係です。それでもホワイトは、勝敗やチームの垣根を越えて、一人の人間として攻撃にさらされているトーマスを守ろうとしました。ライバルチームの監督が相手のスターをかばうという光景は、そう頻繁に見られるものではありません。

この一件は、クラークをめぐって長く続く「スターは十分に守られているのか」という議論の延長線上にあります。クラークがWNBAにもたらした空前の注目度は、これまでにない数のファンを競技に呼び込みました。その一方で、SNSを舞台にした過激な対立や、選手個人への攻撃という負の側面も同時に膨らんでいます。今回のトーマスへの中傷は、その負の側面が最も醜い形で噴き出した事例だと言えるでしょう。

リーグが問われる「人気の代償」との向き合い方

ここからは筆者の見立てです。ホワイトの発言が響くのは、単なる批判にとどまらず、「攻撃しているのは本当のファンではない」と線を引いた点にあると考えます。熱心なファンと、対立をあおるためだけに近づく者を切り分けたこの姿勢は、健全な応援文化を守りたいというリーグ全体の思いを代弁しているようにも読めます。トーマスもエンゲルバート・コミッショナーに対し、選手を守る体制が不十分だと公然と不満を口にしており、選手側の危機感は日に日に高まっています。

WNBAは30周年という節目のシーズンを迎え、観客動員や視聴率で記録を塗り替え続けています。しかし、人気の急拡大は同時に、選手の安全という新たな課題を突きつけました。誹謗中傷への対応は、もはや個々の選手やチームだけで抱えられる問題ではありません。リーグとして明確な姿勢を示せるかどうかが、この先の成長の質を左右するはずです。ホワイトが投げかけた言葉は、その問いを私たち全員に突きつけています。

今後の見どころ

クラークとトーマスをめぐる一連の騒動は、コート上の対決だけでなく、リーグの姿勢やファン文化のあり方にまで波及しています。フィーバーとマーキュリーが今後どのように再戦を迎えるのか、そしてリーグが選手保護に向けてどんな一手を打つのかは、シーズン後半の大きな注目点です。今夜以降の試合でも、両チームの動向から目が離せません。

引用:https://www.cbssports.com/wnba/news/stephanie-white-condemns-harassment-alyssa-thomas-caitlin-clark/

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