現地時間7月17日、シカゴ・スカイのジェフ・パグリオッカGMが、建設中の新練習施設について「2026年シーズン中の移転を断念する」と発表しました。総工費6,000万ドルをかけた約束の施設は、当初予定から半年以上遅れてもなお完成せず、チームは残りのシーズンを本拠地ウィントラスト・アリーナでの練習で乗り切ることになります。この発表を受けて選手会(WNBPA)は即日、球団を厳しく非難する声明を出しました。オールスター開催をわずか1週間後に控えた開催地シカゴで飛び出した悪いニュースに、率直に言って「またか」というため息を禁じ得ません。
シーズン中の移転を正式に断念──練習拠点は本拠地アリーナに
パグリオッカGMによれば、ベッドフォード・パークに建設中の施設はシーズン終了時点でも部分的な完成にとどまる見込みで、工事が続く中での移転は選手体験を損なうと判断したとのことです。今後の練習とシュートアラウンドの大半は、ホームゲームを行うウィントラスト・アリーナで実施されます。施設の全面完成は2026年11月、つまり2027年シーズン開幕前になる見通しです。
この決定に対し、WNBPAのテリー・カーマイケル・ジャクソン事務局長は「このような事態やシカゴ・スカイのような運営をするフランチャイズこそが、選手会がCBAで施設とスタッフの最低基準の条項確保に集中した理由です」と球団を名指しで批判しました。声明ではさらに、選手の健康と安全は日々使う施設の一貫性にかかっているとし、リーグ加盟から20年を経てもなおプロの女子アスリートを適切に支援できていないシカゴのオーナーシップに強い苦言を呈しています。Front Office Sportsの報道によれば、声明は発表からわずか数時間後に出されており、選手会の怒りの大きさがうかがえます。
起工から2年、延期の連続──3,800万ドルの計画は6,000万ドルに膨張
この施設は2024年10月に起工され、当初は2025年12月完成、つまり2026年シーズン開幕前のオープンが予定されていました。ところが完成時期は繰り返し先送りされ、4月下旬のメディアデーでは「晩春から初夏」と説明されていたにもかかわらず、結局シーズン中の完成すら叶いませんでした。
延期の一因は施設の大幅な拡張です。当初約4万平方フィート(約3,700平方メートル)だった計画は、コンテンツスタジオの追加など選手側の要望を反映してほぼ2倍の約8万平方フィートに拡大しました。建設費も当初見込みの3,800万ドルから、今年2月時点の報道では6,000万ドルにまで膨らんでいます。なお建設地のベッドフォード・パーク側が3,180万ドルを負担する官民折半のプロジェクトです。
見逃せないのは、この施設が2026年のFA市場で「売り文句」として使われていた点です。4月に2年契約を結んだ7度のオールスター、スカイラー・ディギンスは今月、練習施設があると聞いて入団したのにそうなっていないと落胆を口にしており、施設遅延が単なる工事の問題ではなく、選手との信頼関係の問題に発展していることを示しています。しかもチームはシーズン序盤、イリノイ大学シカゴ校の施設を32日間、1日5,000ドル、総額16万ドルで借りて練習していました。転々とする練習環境が選手のコンディションに与える影響は無視できません。
オールスター開催地の皮肉と、新CBAが突きつける2028年の期限
皮肉なことに、シカゴは来週7月24日に3ポイントコンテスト(ウィントラスト・アリーナ)、25日にオールスターゲーム(ユナイテッド・センター)を開催するホストシティです。昨年10月の発表時点では、新練習施設がオールスター期間中の「コミュニティイベント」会場になるとされていましたが、実際には関連イベントの多くがオバマ・プレジデンシャル・センターに変更されました。リーグの祭典の裏で、ホスト球団の看板プロジェクトが未完成のまま放置されている構図です。
今後の焦点は、今年締結された新CBAに盛り込まれた施設最低基準です。コールドタブやマッサージセラピストの配置などが義務化され、2028年シーズンからは基準を満たさない球団に罰則が科されます。パグリオッカGMはウィントラスト・アリーナでもCBAの要件は満たせると説明していますが、リーグが18チーム体制へ拡張へ向かい、各都市が数億ドル規模の施設投資を競う時代に、専用施設を持たないままでは有力FAの獲得競争で確実に不利になります。ディギンスの言葉が示す通り、施設は単なる建物ではなく球団の本気度を測る物差しです。2027年の完成が再び延期されるようなら、選手会の声明が示唆する通り、次はリーグレベルでの介入も現実味を帯びてくるのではないでしょうか。
今後の観戦情報
スカイを含むWNBAは今週末のレギュラーシーズンを経て、7月24日から25日にかけてシカゴでオールスターウィークエンドに突入します。3ポイントコンテストが行われるウィントラスト・アリーナは、皮肉にも当面のスカイの「練習拠点」でもあります。日本からはWNBAリーグパスで全試合視聴可能です。延期続きの新施設が2027年開幕までに本当に完成するのか、オフシーズンの続報にも注目していきましょう。
引用:https://frontofficesports.com/chicago-sky-new-practice-facility-delayed-2027-season-bedford-park/

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