現地7月25日、シカゴのユナイテッド・センターで行われた2026年WNBAオールスターゲームは、記録的な1万9783人の観衆が詰めかける大盛況となりました。試合そのものはチーム・スプーンが129対122でチーム・クープを退けましたが、いま最も拡散しているのはスコアではありません。序盤から距離を無視したスリーを連発したクラークに対し、すぐ隣で守っていたベッカーズが思わず漏らした一言が、放送用マイクにばっちり拾われていたのです。エキシビションとはいえ、リーグを引っ張る若き二人のやり取りは、この夜いちばんの名場面になりました。
開始4分で11得点、クラークの“神スタート”に漏れた本音
試合の入りから、クラークはまるで何かに取り憑かれたかのようでした。ベッカーズがこの夜最初に繰り出したパスをインターセプトし、そのままレイアップで試合の先制点を挙げると、そこからロゴ付近からのスリーを立て続けに沈めていきます。ロゴスリーを3本連続で決め、最初のわずか4分間だけで11得点。会場を埋めた観客も、コート上の選手たちも目を疑うスタートでした。
そのすさまじさを誰よりも近くで浴びていたのが、数フィート先で守っていたベッカーズです。あまりの爆発力に、彼女は思わず「MVP狙ってんの?マジかよ」と口にしました。ESPNWが公開した放送映像には、この問いかけにクラークが「このまま行くだけ」と静かに返す様子まで収められています。ライバルであり同世代の旗手でもある二人の、リスペクトのにじむ短い会話でした。
2024年は4得点、2025年は欠場──ようやく輝いた大舞台
今回の17得点という数字は、クラークにとって特別な意味を持ちます。2024年のオールスター初出場ではわずか4得点。さらに2025年は負傷のためゲーム自体を欠場していました。つまり、彼女がオールスターの舞台で本来の輝きを放ったのは、実質これが初めてなのです。最終スタッツは17得点(フィールドゴール6/17、スリーポイント5/15)、5アシスト、4リバウンド、1スティール、出場21分。試合前から「ロングショットを見せる」と公言していた通り、その言葉をきっちり有言実行してみせました。
一方のベッカーズも、敗れたチーム・クープにあって25分の出場で12得点、7アシスト、1スティールと確かな存在感を示しています。ダラス・ウィングスの旗手として、オールスターの大舞台でクラークと火花を散らす姿は、まさに次世代のスター対決そのものでした。二人がコートに同居するだけで、これだけの熱量が生まれるのです。
MVPは“意外な結末”、ジョーンズが史上初の主要4冠
面白いのはMVP投票の行方です。試合前の下馬評ではクラークが最有力、ベッカーズが3番手とされていました。ベッカーズの「MVP狙ってんの?」という一言も、まさにその空気を象徴するものでした。ところが実際にトロフィーを掲げたのは、同じチーム・スプーンのジョンケル・ジョーンズ。22得点13リバウンド8アシストの圧巻の働きで、レギュラーシーズンMVP、コミッショナーズカップMVP、ファイナルMVPに続き、オールスターMVPを戴冠。リーグ史上初めて、4つの主要MVPをすべて手にした選手となりました。
序盤の主役はクラーク、最後の主役はジョーンズ。この対比こそ、チームの勝利に複数のスターが欠かせなかったことの証だと筆者は見ています。クラークが火をつけ、ジョーンズが試合を締める──理想的な“分業”だったとも言えるでしょう。ベッカーズの問いかけは外れたものの、その眼力は決して的外れではなかったはずです。
後半戦へ、クラークとベッカーズが描く次の名場面
オールスターブレイクが明ければ、リーグはいよいよ後半戦に突入します。負傷やテクニカルの話題が続いていたクラークにとって、この爆発的なパフォーマンスは流れを引き寄せる大きなきっかけになり得るものでした。ベッカーズ擁するダラス・ウィングスとの直接対決も含め、この二人が残りのシーズンでどんな数字を積み上げていくのかは、後半戦最大の見どころのひとつです。次にクラークがロゴスリーを沈めるとき、ベッカーズはいったいどんな言葉をかけるのでしょうか。マイクが拾う次の“名場面”を、いまから楽しみに待ちたいところです。
引用:https://sports.yahoo.com/articles/wnba-broadcast-audio-reveals-paige-044253032.html

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