ソフィー・カニンガム

WNBAがついにオーナーを処分──ストーム共同オーナーに罰金+ホーム5試合出場停止、9月まで自軍の試合に来られない異例の裁定

 

球団の謝罪だけでは終わりませんでした。シアトル・ストームの共同オーナーであるセレステ・キートンが、コートサイドでカニンガムを支持するボードを掲げていた10代のファン2人に暴言を浴びせたとされる一件について、WNBAが罰金と「今後のホーム5試合への来場禁止」という処分を科したことが明らかになりました。フィーバー番記者のロベルタ・ロドリゲスが伝え、リーグも事実関係を認めています。第一印象は率直に言って「ここまで踏み込んだのか」です。選手やコーチではなく、球団を所有する側がリーグから直接罰せられるケースは、そう頻繁に起きるものではありません。

罰金+ホーム5試合出場停止、復帰は9月

処分の中身は、罰金と、ストームの次のホーム5試合に来場できないというものです。金額は公表されていません。ここで効いてくるのが日程の巡り合わせで、5試合分をカウントすると、キートンが再びクライメット・プレッジ・アリーナのコートサイドに座れるのは9月に入ってからになります。実質的には1か月以上、自分が出資している球団の本拠地から締め出される計算です。

発端となったのは日本時間7月29日午前のフィーバー戦でした。試合そのものはクラークが32得点を挙げ、フィーバーが105-95で勝利しています。ただ、翌日以降に話題を独占したのはスコアではなく客席でした。コートサイドに座っていた10代の2人は「ソフィーが声を上げてくれてありがとう」という趣旨のボードを掲げており、XX-XYアスレティックスのシャツを着ていたと報じられています。2人はメディアの取材に対し、年配の女性から突然怒鳴られ、そのうち1人は涙を流したと説明しました。

球団の謝罪から24時間、そしてカニンガム本人の言葉

7月29日には筆頭オーナーのジニー・ギルダーがFront Office Sportsを通じて声明を出し、共同オーナーの1人がファン2人に発言したことを認めたうえで謝罪しています。ただ、この時点でキートン本人への処分には一切触れられていませんでした。それがわずか1日で、リーグが独自に動いたことになります。球団の謝罪でクローズさせず、リーグが罰金と来場禁止まで踏み込んだのは、事案の重さをリーグ側も認識していたということでしょう。

そして当のカニンガムがX上で沈黙を破りました。誰にでも安心できる場所と愛があると信じている、意見が違っても優しくあることはできる、という趣旨の投稿に続けて、「共同オーナーとして本当に恥ずべき行為です」と書いています。ボードを掲げた側を庇いつつ、対立を煽る方向には振らなかった表現でした。

一方で、この処分には賛否が割れています。オンライン上では「彼女は何も悪いことをしていない」といった擁護から、リーグの対応そのものを揶揄する声まで飛び交い、SNSは荒れました。カニンガムの元の発言がトランスジェンダー選手の女子競技参加をめぐる極めて敏感な論点である以上、処分の是非がそのまま政治的な代理戦争に転化してしまう構図です。

「オーナーへの処分」がリーグにとって持つ意味

冷静に切り分けたいのは、争点そのものの評価と、今回の処分の性質は別だという点です。誰がどの立場を取るかにかかわらず、チケットを買って来場した観客に球団の所有者側が詰め寄ったという構図は、興行を成り立たせる大前提を壊します。リーグが動かなければ「オーナーは何をしても謝罪で済む」という前例になっていたはずで、そこを避けたかったという判断は理解できます。

ただし課題も残ります。罰金額が非公表であること、キートン本人からの説明が現時点で出ていないこと、そして再発防止策が具体化していないことです。ストーム側は誰もが安心して来場できる環境づくりを掲げていますが、警備や運営の運用がどう変わるのかまでは示されていません。5試合という区切りが妥当なのかどうかも、外からは検証しづらいのが正直なところです。

もう一つ、リーグ全体で見ておきたいのは「会場が主張の場になる」流れです。カニンガムは指差しのミームで一気に知名度を上げた人気者であり、その発言は良くも悪くも遠くまで運ばれます。今回のようにアリーナの内外で支持と反対が可視化される状況は、他球団の会場でも起こり得ます。ボードの掲示をどこまで認めるのか、運営はどこで線を引くのか。今回の裁定は、その基準づくりの出発点として参照されていくはずです。

関連情報

フィーバーとストームの次の対戦カード、そしてキートンが実際にいつ復帰するのかは、今後の日程発表を待つ必要があります。リーグ全体では日本時間8月3日未明に迫るトレード期限が最大の関心事で、各球団のロースター編成が佳境に入っています。この一件についてフィーバー側がどこまで踏み込んで語るのか、次の会見も注目です。

引用:https://sports.yahoo.com/articles/storm-owner-suspended-cussing-sophie-044620824.html

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