WNBAのトレード期限が日本時間8月3日午前4時に迫るなか、最大の目玉と目されるケルシー・プラムがついに口を開きました。7月30日、負傷離脱以来となる練習に合流したプラムは、自身のトレード報道について問われ、動揺の気配をまったく見せませんでした。むしろ淡々と「日曜はユニフォームを着る」と語ったその姿は、23.9得点というリーグ2位の数字を残しながらチームが崩れていく1カ月半を、彼女がどう受け止めてきたかを物語っているように思えます。
35日ぶりの復帰戦が、期限の直後に組まれているという皮肉
プラムが最後にコートに立ったのは6月21日、クリプト・ドットコム・アリーナでニューヨークを98-97で下した試合でした。その3日後にスパークスは左下腿の負傷を発表し、4週間後の再評価という見通しを示します。結局、離脱は1カ月以上に及びました。
彼女は今季ここまで15試合を欠場しています。5月末の右足首捻挫による3試合を含めた数字です。そしてこの15試合、ロサンゼルスは3勝12敗。プラムが出場した12試合では7勝5敗ですから、勝率の差は歴然です。7月28日にはホームでニューヨークに109-113で敗れ、成績は10勝17敗まで落ち込みました。
復帰予定は8月2日、ポートランドとのアウェー戦です。トレード期限は米東部時間の同日午後3時に締まり、試合のティップオフは太平洋時間午後12時30分。つまり期限が閉じたわずか30分後に、彼女は誰かのユニフォームを着てコートに立つことになります。トレード報道の渦中にいる当事者としては、これ以上ないほど残酷な日程です。
99万9999ドル──あえて満額を蹴った1年契約が今になって効いている
プラムの現在地を理解するうえで欠かせないのが、昨オフの契約内容です。彼女はスパークスと1年99万9999ドルで合意しました。提示されていた140万ドルのスーパーマックスをあえて断り、単年を選んだのです。結果として今冬、彼女は制限なしのフリーエージェントになります。
数字だけを見れば、その判断は正しかったように見えます。今季12試合で平均23.9得点6.4アシスト2.2リバウンド、フィールドゴール成功率52.7%、3ポイント38.3%、フリースロー80.6%。離脱時点でリーグ得点ランキング2位でした。6月13日のフェニックス戦では自己最多の43得点を叩き出し、111-102の延長勝利を引き寄せています。26本中14本、3ポイントは11本中5本を沈め、7アシストも記録。この43点はクリスティ・トリバーが持つ球団単一試合記録に並ぶものでした。オールスター選出も5年連続です。
問題は、チームがまったく噛み合わなかったことです。スパークスは6連敗中で西カンファレンス7位、8位ワシントンとは5ゲーム差。プレーオフ進出は2020年を最後に遠ざかったままです。7月12日にはGMのレイガン・ペブリーが退任し、現在はアシスタントGM2人が暫定で職務を分担しています。
買い手はバルキリーズとミスティックスか、独自に読むスパークスの選択肢
複数の報道によれば、プラムはオフにスパークスと再契約する意思を持っていないとされています。だとすれば球団の合理的な選択は明白です。冬にノーリターンで失うくらいなら、今、対価を取るべきだからです。SIは獲得候補としてゴールデンステートとワシントンの名前を挙げています。
ここで筆者が注目したいのは、彼女が「日曜に出場できる状態」まで戻してきたという事実そのものです。買い手側にとって、残り約15試合を戦えるガードと、リハビリ中のガードでは価値がまったく違います。復帰会見のタイミングが期限の3日前だったことは、偶然ではないでしょう。スパークスにとってこれは、値札を最後に一段引き上げるための実績提示でもあります。
一方で、2025年2月の三角トレードでプラムを獲得した際、スパークスはドラフト全体2位指名権と李月汝をシアトルに送っています。その指名権でストームが獲得したのがドミニク・マロンガです。つまり今また指名権を集め直す動きに出るのなら、この球団は2年で振り出しに戻ることになります。再建の決断としては重い。ここが最終判断を鈍らせる要因になり得ると見ています。
今後の試合と注目ポイント
スパークスはポートランド戦のあと、8月5日にシカゴ、8月6日にミネソタと対戦します。プラムがどの色のユニフォームでこの3連戦を戦うのか、日本のファンにとっても8月3日の朝は目が離せない時間帯になりそうです。

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