エンジェル・リース

22個目で球団の歴史を書き換えた24歳──リースがトーマスの28個に王手、残り12試合で必要なダブルダブルはあと7個です

 

アトランタ・ドリームのエンジェル・リースが、また記録表の1行を自分の名前で書き換えました。現地8月10日、ホームでトロント・テンポを107-95で下した一戦で、リースは20得点14リバウンド。これが今季22個目のダブルダブルとなり、ドリームのシーズン最多記録を更新しています。

正直な第一印象を書くと、驚きよりも「またか」という感覚が先に来ました。この選手にとってダブルダブルはもはや事件ではなく、出勤簿のようなものです。ただ今回の22個目には、球団記録という枠を超えた意味があります。視線の先にあるのは、WNBAのシーズン記録そのものです。

テンポ戦の20得点14リバウンド、そして「22」という数字

テンポ戦のリースは、フィールドショット14本中7本成功、フリースロー6本中5本成功、3ポイントも3本中1本を沈めて20得点。リバウンドは14本を回収しました。派手な爆発ではなく、彼女の平均値をそのまま延長したような内容です。ドリームはこの勝利で20勝12敗となりました。

今季のリースは31試合に出場し、平均15.8得点11.9リバウンド2.5アシスト。総リバウンド369本はリーグ全体の2位につけています。平均11.9リバウンドという数字は、10リバウンドという線が彼女にとって「届くかどうか」ではなく「下回るかどうか」の基準であることを示しています。だからこそ、ダブルダブルが22個も積み上がるわけです。

そして得点面も見落とせません。平均15.8得点ということは、10得点はほぼ自動的にクリアされる水準です。つまりリースのダブルダブルは、実質的に「二桁リバウンドを何試合続けられるか」という一本勝負に還元されます。この構造が、記録への現実味を一気に押し上げています。

追い抜くべき相手は、ルーキー時代の自分自身

WNBAのシーズン最多ダブルダブルは、アリッサ・トーマスが2023年にコネチカット・サンで記録した28個です。リースの22個はそこから6個差。そして、この記録表の2位に座っているのが、ほかでもないリース自身のルーキーイヤーの26個でした。1位と2位を同じ選手が追いかけるという、なかなか見ない構図になっています。

そのルーキーイヤーの数字を並べると、彼女がどれだけ特異な選手かがよくわかります。平均13.1リバウンドはルーキー記録。15試合連続ダブルダブルはリーグ記録。さらにキャリア通算1000リバウンド到達は79試合という史上最速で、通算50ダブルダブルも65試合で到達しています。デビューからわずか3シーズンで、リバウンドという領域の速度記録をほぼ独占してしまった格好です。

シカゴ・スカイで過ごした最初の2シーズンを経て、今季からアトランタに移った1年目にこの数字を出しているのも見逃せない点です。環境が変わると数字が落ちる選手は珍しくありませんが、リースの生産量はむしろ安定しています。

残り12試合、あと6個で並び、7個で歴史が動きます

計算はきわめてシンプルです。22個に6個を足せばトーマスに並び、7個を足せば単独1位。ドリームには12試合が残っています。

ここで今季のペースを当てはめてみます。31試合で22個ということは、出場した試合の約71パーセントでダブルダブルを達成している計算です。この確率をそのまま残り12試合に掛けると、期待値は8個台に届きます。数字の上では、記録更新は「達成できるかもしれない」ではなく「順当にいけば届く」水準にあると見ていいでしょう。

ただし障害がないわけではありません。筆者が気にしているのは、シーズン終盤の出場時間管理です。ドリームが上位を早めに確定させた場合、主力の休養が入るのは自然な判断で、リバウンド量は出場時間に比例します。一方で順位争いがもつれれば、リースは出続けることになります。皮肉なことに、この記録にとって最も追い風になるのは「チームが最後まで気を抜けない状況」なのかもしれません。もう一つの変数は対戦相手のサイズです。長身のインサイドを並べてくるチームが続けば、二桁リバウンドの難度は当然上がります。

個人的にもう一段面白いと思っているのは、これがリースの評価軸そのものを変えかねない点です。「リバウンドは取るが得点は伸びない」という見方は、平均15.8得点という今季の数字ですでに揺らいでいます。ここに歴代最多のダブルダブルという肩書きが加われば、彼女はもう「話題性の選手」ではなく、記録で語られる選手になります。

記録更新の瞬間はいつ訪れるのか

ドリームの残り試合は12。単純に均等割りすれば、記録に並ぶタイミングはシーズン最終盤ということになりますが、リースのペースを考えれば、想定より早く「あと1個」の状態に到達する可能性は十分あります。ダブルダブルは試合終盤にひとつのリバウンドで成立することも多いため、第4クォーターの1本に注目が集まる試合が、これから何度も出てくるはずです。

WNBAの試合は日本からだとLeague Passでの視聴が基本になります。残り12試合のうちどこかで記録が動くとすれば、リアルタイムで見届ける価値のある夜になるでしょう。数字が積み上がる過程そのものを楽しめるのは、記録更新が近づいたこの時期だけの特権です。

引用:https://sports.yahoo.com/articles/angel-reese-now-within-reach-024611677.html

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