NBAで最も背の高い選手が入れ替わりました。クリッパーズが7フィート5インチ、約226センチのセンター、ジャマリオン・シャープとツーウェイ契約を結び、シャープが現役最長身の座に就いたのです。これまでその肩書きを持っていたのはスパーズのウェンバンヤマで、公称7フィート4インチ、約223センチ。グリズリーズのザック・イーディが7フィート3インチ、約221センチで続きます。ドラフト外の24歳がリーグの身長ランキング頂点に立ったという事実だけでも面白いのですが、経歴を追うと日本のファンにとって思わぬ接点が出てきます。
Gリーグ最優秀守備選手、1試合4.4ブロックという数字
シャープは2024年のNBAドラフトで指名を受けられませんでした。大学ではジュニアカレッジで2年間プレーした後、ウエスタンケンタッキー、そしてオールミスへ。通算成績は1試合平均6.3得点6.4リバウンド0.6アシストと、得点面のインパクトは大きくありません。ただし95試合で354ブロックという数字が、この選手の本質を示しています。
ドラフト外となった後はマーベリックス傘下のGリーグ、テキサス・レジェンズへ。1年目は目立たなかったものの、2025-26シーズンに一気に評価を上げました。1試合平均8.9得点7.7リバウンド4.4ブロック、フィールドゴール成功率は77パーセント。この働きでGリーグの最優秀守備選手に選ばれています。
注目すべきは4.4ブロックとフィールドゴール77パーセントの組み合わせです。攻撃面のレパートリーは限られていても、リング周辺で確実に決め、相手のペイントアタックを消す。役割がはっきりしている選手ほどツーウェイ契約からロースターへ這い上がる可能性が高く、その意味でシャープは典型的な「型のある未完成品」だと言えます。
東京・有明で見せていた、その巨体
日本のファンにとって見逃せないのは、シャープが2025年9月13日、トヨタアリーナ東京のコートに立っていたことです。B.League Global Invitationalでアルバルク東京と対戦したNBA Gリーグ・ユナイテッドの一員として、背番号32を着けてプレーしていました。当時「やたら大きい選手がいる」と感じた観客は少なくないはずですが、その選手が1年後にNBA現役最長身としてクリッパーズと契約するとは、なかなか想像できなかったでしょう。
クリッパーズという行き先も日本から見ると縁があります。今オフの同球団には八村塁が加入し、河村勇輝もエキシビット10契約で名を連ねました。226センチのシャープと172センチの河村が同じ練習コートに立つ光景は、身長差54センチ。NBAの間口の広さを絵に描いたような並びになります。
ツーウェイ契約から先へ進めるかは、プレシーズンにかかる
ここからは独自の見方です。ツーウェイ契約は本契約とは異なり、Gリーグとの往復を前提にした枠です。シャープが開幕ロースターに残る保証はなく、勝負どころはプレシーズンになります。
現代NBAは5番にも足の速さとスイッチ対応が求められる時代で、単純に背が高いだけの選手は生き残れません。歴代の超長身選手の多くが定着に苦しんだのも同じ理由です。一方で、リムプロテクトの価値そのものは下がっていません。相手のドライブを一本止めるだけで攻守が入れ替わる場面は依然として多く、ベンチから10分間だけペイントを封鎖する役割には確かな需要があります。シャープに求められるのは万能さではなく、この10分間の完成度でしょう。
もう一点、フィールドゴール77パーセントという数字は「無理な選択をしない」ことの裏返しでもあります。ロブとオフェンスリバウンドに徹し、判断を増やさない。NBAでも同じ規律を保てるかどうかが、契約更新の分かれ目になりそうです。
プレシーズンとロースター争いに注目
クリッパーズは開幕に向けてロースターを固める段階に入ります。シャープが実戦でどこまでリムプロテクターとして機能するか、そして八村塁や河村勇輝を含めたチーム内の生き残り競争がどう動くかは、プレシーズンの大きな見どころです。日本のファンにとっては、東京で一度その姿を見た選手のNBA挑戦を追いかけられる、めったにない機会になります。

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