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「注目が、残念なことに間違ったところに向いています」──12度の全米制覇を誇るオーリエマがWNBAに苦言、7300万人が見た夏に語られているのはコートの外の話ばかり

 

UConnを長年率いるジーノ・オーリエマが現地時間8月12日、NBCの朝の番組「TODAY」に出演し、いまWNBAを取り巻く騒動について口を開きました。トランスジェンダーのアスリートと出場資格をめぐる議論が数週間にわたってリーグの話題を独占するなか、女子バスケットボール界で最も重い言葉を持つ人物の一人がついに前に出てきた形です。筆者が印象に残ったのは、彼が議論の是非そのものにはほとんど踏み込まなかった点でした。オーリエマが語ったのは、この騒ぎがリーグから何を奪っているのかという話だったからです。

「注目は手に入った、ただし向き先が間違っている」

オーリエマの発言の核心はこの一文でした。「長年、私たちは女子スポーツにもっと注目が集まることを望み、渇望し、それに値すると考えてきましたが、今日ほどの規模で実現したことはありませんでした」。そのうえで彼は、その注目がいまは残念なことに間違ったところに向いていると続け、リーグに入ってきた素晴らしい若い選手たち、チーム、そして大きく変わったプレーの水準に視線を戻す方法を見つける必要があると訴えました。将来起きるかどうかも分からない仮定の話ではなく、目の前の試合について語ろう。それが結論です。

数字を並べると、彼の前半部分が誇張でないことがよく分かります。2026年シーズンは前半戦を終えた時点でリーグ史上最も見られたシーズンとなり、ユニーク視聴者数は7300万人に到達しました。全放送パートナー平均の1試合あたり視聴者数は74万2000人で、前年同期比12%増。開幕戦のウィングス対フィーバーはABCで249万人を集め、2000年以降でリーグ4番目の規模となりました。オールスターはシカゴで1万9783人を動員してNBAオールスターの観客数を史上初めて上回り、中継視聴者は316万人。リーグ全体の入場者数は16%増え、100万人を超えた中継は29試合を数えます。オーリエマの言う「これまでにない規模の注目」は、すでに数字として実在しているわけです。

半年前の一問一答が、シーズン終盤を揺らしている

オーリエマは72歳。NCAAディビジョン1で12回の全国制覇という、歴代最多の記録を持つ指揮官です。教え子はリーグ中に散らばっており、その発言はどのチームの利害からも一歩離れて受け取られます。だからこそ、彼が「バスケットボールの話に戻ろう」と言ったときの重みは、SNS上の論客の一言とはまるで違います。

そもそもの発端を整理しておきます。7月に公開されたESPNの特集記事で、インディアナのソフィー・カニンガムが女子競技からトランスジェンダーの選手を除外すべきという立場を語り、これが大きな反発と、複数の都市での小規模な集会や抗議に発展しました。8月7日には元NBAのエネス・カンター・フリーダムとロイス・ホワイトが2027年のWNBAドラフトへの参加資格を主張し、8月12日にはリーグの反ヘイト作業部会が会合を開いて声明を出しています。なおリーグの歴史上、公にトランスジェンダーであると表明した人物がロスターに入った例はありません。

興味深いのは、火をつけた当のカニンガム自身が8月5日のメディア対応で、WNBAの報道はバスケットボール以外のすべてを取り上げていると苦言を呈し、バスケットボールに話を戻したいと述べていたことです。しかも彼女によれば、問題の取材が行われたのは2月でした。半年前の一問一答が7月に記事として世に出て、8月のシーズン終盤にリーグ全体を揺らしている。この時間差こそが、いまの女子バスケが置かれた注目の大きさを逆に証明しているように思います。

「話を戻す」は、実は最も難しい注文かもしれません

ここからは筆者の見立てです。オーリエマの主張には全面的に共感しますが、実行の難易度は相当に高いと考えています。理由は単純で、注目の総量が増えれば、コート外の話題もそれに比例して増えるからです。7300万人という視聴者の多くは近年になって女子バスケに触れた層であり、その入り口は必ずしも戦術やプレーの質ではありませんでした。物語が人を連れてきたのなら、物語が主役になる時間が長くなるのも当然の帰結です。

加えて、リーグは8月12日の声明で出場資格に関する新しい線引きを一切示しませんでした。次のドラフトは2027年4月で、8カ月も先です。急いで結論を出さないという判断は実務的には理解できますが、裏を返せば、この議論は今後数カ月にわたって断続的に燃え続けるということでもあります。オーリエマの呼びかけが1日で状況を変えることはないでしょう。

それでも、この発言には意味があると思います。彼は誰かを名指しで批判せず、どちらの陣営に立つかも表明しませんでした。代わりに提示したのは、いま現場で起きている競技の水準という共通の話題です。対立する二つの立場の間に、第三の視点を置いた発言でした。TODAYでの発言はこちらで確認できます

今後の試合・観戦情報

そのコート上の話に戻ると、現地8月13日にはフィーバーがゲインブリッジ・フィールドハウスでエーシズを迎えます。開始は現地時間19時、日本時間では14日の午前8時で、Prime Videoでの配信が予定されています。エイジャ・ウィルソンを擁する王者と、プレーオフ争いのただ中にいるフィーバーの一戦です。

レギュラーシーズンは残りわずかとなり、9月にはドイツ・ベルリンでFIBA女子ワールドカップが控えています。リーグを代表する面々が母国の代表として戦う舞台です。オーリエマが「語ろう」と言ったのは、まさにこうした試合のことでした。

引用:https://www.today.com/news/sports/geno-auriemma-wnba-controversies-reaction-sophie-cunningham-rcna592132

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