ブランソン ニックス

ライバルの優勝は「恥ずかしい」とオーナーが自ら認めました──ジョー・ツァイが語ったネッツの現在地と、20勝62敗からの再建プラン

 

ニューヨークという街が、ひとつのタイトルで沸き返りました。ニックスが1973年以来となる優勝を果たしたのが2026年です。ところが、その同じ街にもうひとつ本拠地を構えるチームのオーナーは、まったく違う感情を抱えていました。ネッツのオーナーであるジョー・ツァイが、ライバルの優勝を「恥ずかしい」と率直に認めたのです。オーナーがここまで生々しい言葉を公の場で使うのは、なかなか珍しいことだと思います。

「同じ街のチームだった」という巡り合わせ

ツァイはネッツ専門メディアのNetsDailyの取材に応じ、ニックスの優勝についての心境を問われました。毎年どこかのチームが優勝するものだと前置きしたうえで、今年はそれが同じ街のチームだったと語り、「それは我々のファンをいら立たせるし、恥ずかしいことだ」と述べています。

言い訳をしなかった点が、この発言の重さだと思います。ライバルの成功を祝福するでもなく、無関心を装うでもなく、自分たちのフランチャイズが置かれた位置を数字と感情の両面から認めた。オーナーの発言としては、かなり踏み込んだ部類でしょう。

20勝62敗という現実と、53年ぶりの優勝の対比

数字を並べると、この温度差はより鮮明になります。ニックスにとっての2026年の優勝は1973年以来、実に53年ぶりのものでした。一方のネッツは2025-26シーズンを20勝62敗で終え、リーグ全体で28番目という順位に沈み、3年連続でプレーオフを逃しています。

さらに歴史をさかのぼると、ネッツはNBAのタイトルを一度も獲得していません。ニュージャージーからブルックリンへ移転した2012年以降、プレーオフで2回戦より先に進んだこともないのです。かつてスター選手を集めて勝負に出た時期もありましたが、頂点には届きませんでした。ツァイが過半数オーナーとなったのは2019年ですから、彼自身もその起伏を当事者として見てきたことになります。

同じ都市を分け合うライバル関係において、片方が半世紀ぶりの歓喜に包まれ、もう片方が最下位グループにいる。ファンベースが刺激されるのは当然で、ツァイの「いら立たせる」という表現はむしろ実感に近いのだと思います。

それでも「私の考えはまったく変わらない」

興味深いのは、ツァイがそこで感情を止めていない点です。彼はビジネスでもスポーツでも、恥ずかしさという要素がパフォーマンスに影響することを許すべきではないと語り、自分たちには計画があり、再建の途上にあり、いまは前向きな軌道に乗っていると考えていると続けました。そのうえで、自分の考え方はまったく変わらないと明言しています。

ここに再建型フランチャイズの難しさが凝縮されているように思います。近隣のライバルが優勝すると、オーナーやフロントには短期的な補強圧力がかかります。空いているサラリースペースを使って即戦力を集めれば、勝率は上がるかもしれません。しかし勝率30%台のチームが40%台になったところで、優勝には近づきません。ドラフト資産と若手の成長曲線を守る判断は、外から見れば消極的に映りますが、長期的には正しいことも多いのです。

ツァイの発言は、その圧力に対して「揺れない」と宣言したものだと読めます。少なくとも彼は、感情と経営判断を切り分けようとしています。

2026-27シーズンに向けて

問題は、その我慢がどれくらいの期間ファンに許されるかでしょう。ブルックリンの観客動員やチケット価格は、隣のチームがパレードをした翌シーズンほど厳しい目にさらされる時期はありません。再建の成果として若手が明確に伸びる姿を見せられるかどうかが、次の一年の評価を決めそうです。

ライバルの優勝を「恥ずかしい」と言い切ったオーナーが、その言葉をどう回収していくのか。ネッツの新シーズンは、勝敗表以上に見どころのある一年になりそうです。

引用:https://www.thescore.com/nba/news/3581854/nets-owner-knicks-title-run-embarrassing-for-us

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