ダラス・ウィングスが8月19日、ルーキーのアジー・ファッドが右膝の関節鏡手術を受け、今季の残り全試合を欠場すると発表しました。2026年ドラフト全体1位指名で、オールスターの3ポイントコンテストを新人として史上初めて制した1年目のガードが、プレーオフ進出のかかる最終盤でシーズンを終えることになります。8月5日のミスティクス戦を最後に休んでいたとはいえ、11日には練習に復帰して復帰間近と伝えられていただけに、正直なところ意表を突かれた発表でした。
30試合で13.1得点、3Pとスティールでチーム最多だった1年目
ファッドの新人シーズンは30試合出場で平均13.1得点、1.7リバウンド、1.8アシスト、1.7スティール、3ポイント成功率39.7%という内容でした。発表時点でチームの3ポイント成功数とスティール数はいずれもチーム最多、得点はチーム4番手です。3ポイント62本はウィングスのルーキー記録で、1年目に3ポイント50本・スティール50本・ブロック25本をすべて満たしたのは、WNBAの歴史でケイトリン・クラーク、ライン・ハワード、タミカ・キャッチングス、そしてファッドの4人だけです。
シューターという評判で入ってきた新人が、実際にはスティールでもチームを引っ張っていた。この事実こそ、今回の離脱がウィングスにとって単なる得点源の欠落では済まない理由です。
本人はSNSで「膝の小さな処置を受けることになり、回復するまでは離脱します」と説明し、リハビリを積んで以前より良くなって戻ってくるつもりだと続けました。
「19勝11敗」と「1勝5敗」──不在の重さを示した2つの数字
今季のウィングスは、ファッドが出場した試合で19勝11敗、欠場した試合では1勝5敗です。オールスター以降は2勝7敗と失速し、順位も8位まで下がりました。ここまでの通算は20勝16敗で、9位のポートランド・ファイアには4.5ゲーム差をつけているため、2023年以来となるプレーオフ進出自体はほぼ手中にあります。
ただ、現在の順位のままなら1回戦の相手はリーグ首位のリンクスです。ベッカーズとアリケ・オグンボワレという二枚看板は健在ですが、外から確実に打ち抜けて相手のパスコースも消せる3人目を失った状態で、最強のチームを短いシリーズで倒す絵は描きにくくなりました。
4度目の右膝、そして再燃する1位指名論争
見過ごせないのは、これが2019年以降で右膝への4度目の手術だという点です。ファッドは高校時代に右膝の前十字靭帯と内側側副靭帯を断裂し、UConn3年時にも同じ膝の前十字靭帯と半月板を痛めています。今回は侵襲の小さい関節鏡手術で、構造的な大損傷ではないと見られる点は救いですが、同じ膝が繰り返し悲鳴を上げている事実は重く残ります。
そして当然のように、ドラフト1位でオリビア・マイルズではなくファッドを選んだ判断が、再び議論の的になっています。マイルズはMVP候補に挙がるほどの1年目を送っており、短期的な比較でダラスに分がないのは確かです。
とはいえ、この論争を今の時点で結論づけるのは早すぎると考えます。ファッドが健康な時のウィングスは19勝11敗、勝率6割超のチームでした。ダラスが1位指名で買ったのは今季の勝ち星ではなく、ベッカーズと組む向こう10年のバックコートです。むしろ問われるべきは選手の評価そのものより、慢性的な膝を抱える新人を1年目からどう管理するかという球団側の設計でしょう。5月12日のドリーム戦を長期的な健康を理由に休ませた判断が正しかったのなら、その慎重さをシーズン中盤以降も貫けたかどうかが問われます。
今後の試合とみどころ
ウィングスは20日にインディアナ・フィーバー、日曜にはシアトル・ストームと対戦し、レギュラーシーズンの最終盤に入ります。ファッドのいないダラスがどこまでシードを守れるか、そしてベッカーズがどれだけ負荷を背負うのか。ここからの数試合は、来季のウィングスの姿を先に見せる期間になりそうです。
引用:https://www.cbssports.com/wnba/news/dallas-wings-azzi-fudd-knee-surgery-out-for-season/

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