FG67.4%という週間成績を最初に見たとき、これはインサイドの選手の数字としても異常だと感じました。エンジェル・リースが東カンファレンスの週間MVPに選ばれました。WNBAが8月25日に発表したもので、前日にはAP通信の週間MVPにも選出されています。今季アトランタ・ドリームへ移った彼女にとって、アトランタでの受賞は初めて。WNBAキャリア3年で3度目の週間MVPです。
そして同じ日、西カンファレンスの週間MVPにはエイジャ・ウィルソンが選ばれました。この2人が並んだ発表は、今季のリーグの重心がどこにあるかをそのまま映しているように見えます。
3試合すべてダブルダブル、9本9中という異常値
受賞の対象となったのは、ドリームが西海岸で戦った3試合です。8月18日のラスベガス戦、20日のロサンゼルス戦、22日のフェニックス戦をすべて勝ち切り、リースはこの3試合で平均24.0得点、11.3リバウンド、4.7アシスト、3.7スティールを記録しました。フィールドゴール成功率は67.4%。3試合すべてでダブルダブルを達成しています。
内訳を追うと数字の異様さがよく分かります。ラスベガス戦でシーズン24度目のダブルダブルを決め、続くロサンゼルス戦ではフィールドゴール9本9中。1本も外さずに9本沈めたのはドリームの球団記録です。この試合で彼女は、20得点10リバウンド8アシストをフィールドゴール成功率100%で記録した史上初の選手になりました。週の途中ではシーズン最多オフェンスリバウンドの記録も更新しています。
締めくくりのフェニックス戦では、キャリアハイの31得点14リバウンド。これで3試合連続の20得点10リバウンド以上となり、20得点10リバウンド3スティール以上を3試合続けたのはWNBA史上3人目です。先にこれを成し遂げていたのは、エイジャ・ウィルソンとネネカ・オグンウィケの2人だけでした。
対象期間の外で起きた、もっと大きな更新
興味深いのは、リースの最も派手な一夜がこの受賞の集計期間に入っていないことです。受賞対象週が終わった8月24日、ロサンゼルス戦で彼女は26リバウンドを記録し、WNBAの1試合リバウンド記録を塗り替えました。同時に、ウィルソンが持っていたシーズン最多451リバウンドも超えています。この勝利でドリームは球団史上初の4連勝ロードトリップを完成させました。
つまり週間MVPの数字は、彼女の現在の到達点よりむしろ一段手前の話です。週間MVPを取ったうえで、その直後にキャリアの最高到達点を更新した。この順番がいまのリースの状態を物語っています。ドリームで東の週間MVPを受賞したのは今季2人目で、ライン・ハワードに続く形。球団史では12人目になります。
一方のウィルソンは、8月18日から23日の3試合で平均25.7得点8.0リバウンド4.7アシスト1.7ブロック1.3スティール。今季4度目、通算では32度目の西カンファレンス週間MVPで、歴代最多のティナ・チャールズが持つ33度にあと1つまで迫りました。
リバウンドという武器が、プレーオフでどう効くのか
ここからが本題だと思っています。リースの今季の伸びは得点ではなく、オフェンスリバウンドという最も泥臭い領域で起きています。オフェンスリバウンドは、味方の外れたシュートをそのまま追加のポゼッションに変える行為です。1試合に4本、5本を余分に取れれば、それは実質的にチームの試行回数を増やし続けることになります。ショットが入らない夜でも数字が落ちない選手というのは、プレーオフで最も価値が上がるタイプです。
FG67.4%という週間成績も、外から打った結果ではありません。ゴール下で押し込み、こぼれ球を拾い、また押し込む。その反復の積み上げです。短期決戦では相手のスカウティングが精密になり、得点源は封じられやすくなります。しかしリバウンドの取り合いは意思と体の勝負であり、封じにくい。ドリームがどこまで行けるかは、この一点にかかっているように見えます。
中断明けのプレーオフに向けて
ドリームはすでにプレーオフ進出を確定させ、球団のポストシーズン連続出場を4季に伸ばしました。リーグはこの後、FIBAワールドカップによる中断期間に入ります。リースはUSAバスケットボールの一員として、同じく代表に名を連ねるチームメイトのライン・ハワードとともにベルリンへ向かう見込みで、この夏の疲労と代表日程をどう折り合わせるかという課題も抱えます。
中断を挟んで再開した後のドリームは、リースが記録を更新し続ける状態を維持できるのか。それが今季後半戦の最大の見どころになりそうです。
引用:https://dream.wnba.com/news/angel-reese-named-wnba-eastern-conference-player-of-the-week

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