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一度は引退したはずの63歳、バークレーが受け入れた最後の1年の裏側

 

NBAの試合そのものと同じくらい、多くのファンが愛してきた番組があります。「インサイド・ザ・NBA」です。その顔であるチャールズ・バークレーが9月4日、ザ・ビル・シモンズ・ポッドキャストに出演し、アーニー・ジョンソンとともに今季限りで番組を離れる意向を明かしました。実はバークレーは60歳になった時点で一度引退を決めていました。それが撤回され、そしてまた終わりの日付が置かれた。この行ったり来たりの経緯そのものが、この番組が置かれてきた状況を映しています。

「俺とアーニーはセットだ」という言葉

バークレーは現在63歳です。ポッドキャストのなかで、彼はジョンソンとのやり取りをこう振り返っています。「アーニーが『チャック、もう2年だけ残ってくれないか』と言った」。そして、来季について明確に線を引きました。アーニーが気を変えない限り、来年が自分にとって最後の年になる、と語っています。

この発言の重みは、バークレーが「引退宣言の常習犯」であることを踏まえると、少し慎重に受け止める必要があります。ポッドキャストでも、司会のビル・シモンズが「何度も引退すると言ってきたのに実行されていない」と冗談を飛ばしたところから話が始まっています。ただ今回は、これまでと決定的に違う点があります。バークレーは自分ひとりの判断ではなく、ジョンソンとの共同歩調として語っているのです。

彼はジョンソンとの関係を、二人で一組の存在だという言い方で表現しています。ジョンソンが辞めると言えば自分も去る、という構図です。バークレーが2000年に番組へ加わって以来、四半世紀にわたって続いてきた組み合わせが、あと1シーズンで区切りを迎えることになります。

一度は消えかけた番組が、なぜ延命したのか

ここで押さえておきたいのが、この2年の背景です。TNTがNBAの放映権を失い、「インサイド・ザ・NBA」の存続そのものが宙に浮きました。バークレーはこの時期、TNT側の対応を公然と批判しています。彼自身は「もう引退した」つもりでいました。

状況を変えたのはジョンソンでした。番組をESPNへ移すという取り決めがまとまり、ジョンソンがバークレーに残留を求めたのです。ここで効いたのが、単なる出演料や名誉ではない理由でした。バークレーによれば、二人が残ればスタッフたちが職を失わずに済む、とジョンソンが指摘したそうです。番組を成立させている裏方の雇用が、二人の判断材料になったわけです。

TNTでの最終回は2025年5月でした。そして同年10月、番組はESPNで再スタートを切ります。バークレーはそのとき、この放送局に加わることを名誉であり特権だと表現していました。つまり今回の話は、番組が消えかけ、移籍で延命し、そして計画通りの終着点に向かっているという流れの、最後の一区間ということになります。

なおバークレーは、TNTがNBA放映権を失ったあと、NBCとアマゾンの双方と面談していたことも明かしています。NBCからはオファーがあったものの、これを断ったとのことです。

2026-27シーズンが持つ意味

ここからは筆者の見立てです。今回の発言によって、2026-27シーズンは「インサイド・ザ・NBA」にとって特別な1年になります。バークレー、ジョンソン、シャキール・オニール、ケニー・スミスという4人が同じスタジオに揃う最後の年になる可能性が高いからです。

この番組の価値は、分析の精度ではなく、4人の関係性そのものにありました。バークレーが無責任なことを言い、オニールが茶化し、スミスが正論を挟み、ジョンソンが全体をまとめる。この役割分担は、脚本で作れるものではありません。だからこそ、放映権が動くたびに「番組ごと移す」という選択肢が真剣に検討されてきたのだと思います。

後継についても、バークレーは自身の考えを示しています。60歳で引退する予定だった当時の構想では、ジャマール・クロフォードとジェイレン・ローズが後を継ぐ形を想定していたそうです。どちらも元NBA選手で、この番組との縁もあります。ただ、同じ化学反応が生まれるかどうかは、まったく別の問題でしょう。

バークレーはまた、テレビへの露出を減らしたい意向も口にしています。あらゆる番組に出続けるのは避けたい、視聴者に飽きられたくないという趣旨の発言です。63歳のキャリア設計として、これは筋が通っています。

今季をどう見るか

日本からこの番組を追うのは簡単ではありませんが、2026-27シーズンのNBAはいずれにせよ見どころが多いシーズンになります。NBA TVは今季60試合の中継を予定しており、スケジュールは10月24日から始まると発表されています。試合の合間に流れるスタジオの掛け合いを、今年は少しだけ意識して見ておく価値があるかもしれません。あと1年で終わるかもしれない、という前提で見る番組は、いつもと違って見えるはずです。

発言の詳細はこちらの記事で確認できます。

引用:https://sports.yahoo.com/nba/article/charles-barkley-says-he-and-ernie-johnson-plan-to-retire-from-inside-the-nba-after-this-season-223007961.html

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