NBAのオフシーズンが、いきなり大きく動きました。グリズリーズが、長らくフランチャイズの象徴だったジャ・モラントをトレイルブレイザーズへ放出したのです。見返りとしてメンフィスが受け取ったのは、ジェラミ・グラントとクリス・マレーの2人でした。かつてリーグ屈指の若手コアと評された顔ぶれが、ついに完全に解体された瞬間です。第一印象としては、驚きよりも「ついに来たか」という感覚のほうが強い移籍でした。長く再建の岐路に立たされていたチームが、ようやく覚悟を決めたという印象を受けます。
三本柱の解体、メンフィスが選んだ再出発
今回の決断が重いのは、これがモラント1人の問題で終わらないからです。メンフィスは2025年のプレーオフ1回戦でサンダーにスイープされて以降、モラント、デズモンド・ベイン、ジャレン・ジャクソンJrという3人の中心を、立て続けにすべて放出しました。一時はリーグで最も将来有望と言われた若手トリオでしたが、4度のプレーオフ進出で勝ち上がれたのはわずか1シリーズのみ。期待値の高さに対して、結果が伴わなかったことは否めません。チームは2026年ドラフト全体3位指名のキャメロン・ブーザーを新たな旗頭に据え、明確に次の時代へと舵を切りました。獲得したグラントとマレーは、若いブーザーを支える即戦力という位置づけになりそうですが、優勝を争う戦力というよりは、再建の時間を稼ぐための現実的な補強と見るのが妥当でしょう。
「期待の若手」が歩んだ三年間
26歳のモラントは、2023年に2年連続のオールスター入りを果たして以降、コート内外のトラブルと故障に苦しみ、この3シーズンでわずか79試合の出場にとどまっていました。インスタグラムのライブ配信で銃器を見せた一件に端を発し、2023年3月に8試合、2023-24シーズン開幕時には25試合の出場停止処分を受けています。さらに昨シーズンには、レイカーズ戦の敗戦後にヘッドコーチのトゥオマス・イーサロと衝突し、チームから1試合の出場停止を科されました。肩や肘の故障でシーズン終了となる手術も経験しており、稼働率の低さは常に課題でした。グリズリーズは昨シーズンのトレード期限前にも放出を模索しましたが、関心は乏しかったと伝えられています。
ブレイザーズで再起なるか、混み合うバックコート
移籍先のブレイザーズは、2021年以来となるプレーオフ進出を果たしたばかりの若いチームで、ブレイクしたデニ・アヴディヤを中心に勢いに乗っています。ただ、バックコートはすでに手厚い陣容です。ジュルー・ホリデイ、バックスに自由契約とされた後に3年契約で古巣復帰したデイミアン・リラード、さらにスクート・ヘンダーソンとシェイドン・シャープが顔をそろえています。モラントには契約があと2年、総額およそ8700万ドルが残っており、ボールを握ってこそ持ち味が出るタイプだけに、リラードやホリデイとの起用法やすみ分けは大きな焦点になりそうです。健康に1シーズンを戦い抜けば、得点とアシストで再びオールスター級の数字を残す力は十分にあります。一方のグラントは32歳で残り1年に2027-28シーズンの3600万ドルのプレーヤーオプションが付き、25歳のマレーは来夏に制限付きFAとなる立場です。
今後の見どころ
FAが開幕したばかりのこのタイミングでの大型トレードだけに、ポートランドとメンフィスの双方で、これに連動した追加の動きが出る可能性は十分にあります。混み合った布陣をどう整理するのか、そしてモラントが新天地でかつての爆発力を取り戻せるのか。日本のファンにとっても、リーグ全体のパワーバランスを占ううえで見逃せない夏になりそうです。続報を追いながら、新生グリズリーズとモラント版ブレイザーズの初陣を楽しみに待ちたいところです。
引用:https://www.espn.com/nba/story/_/id/49218970/sources-grizzlies-trading-star-ja-morant-trail-blazers

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