試合展開

WNBA王者ニューヨーク・リバティは2025年5月23日、敵地シカゴでシカゴ・スカイと対戦し、99対74で勝利しました。

第1クォーターは28-23とリードを奪い、第2クォーターには25-9とスカイを圧倒して前半を53-32の大差で折り返しました。

リバティはこの試合、3ポイントシュートを19本沈めてWNBAレギュラーシーズン新記録を樹立し、試合の流れを支配しました。

後半、ホーム開幕戦で意地を見せたいスカイも、第3クォーター開始直後に8連続得点をあげ、一時13点差まで詰め寄りました。

しかしその直後、焦りを見せたエンジェル・リースがルーズボールを巡ってテクニカルファウルを取られる場面もあり、流れは再びリバティへ。

リバティはサブリナ・イオネスクのフリースローを皮切りに12-4のランを仕掛けて再びリードを広げ、第3Q終盤には24点差をつけました。

さらにナターシャ・クラウドが第3Q終了間際から第4Q序盤にかけて連続得点を挙げ、最大31点のリードを奪って試合を決定づけました。

終始主導権を握ったリバティがそのまま25点差で快勝し、開幕2連勝としています。

一方、スカイは開幕から2試合連続の大敗となり、2試合合計で60点差をつけられる歴史的な苦戦スタートとなりました

注目選手とスタッツ

勝利したリバティは攻守に渡ってバランスの取れた戦いを披露しました。オフェンス面ではガードのナターシャ・クラウドが18得点・8アシストとチームを牽引し、放った3ポイントは5本中4本成功と高確率でした。

さらにベンチ出場のケネディ・バークが4本の3ポイントを全て沈めて17得点の活躍。

エースのサブリナ・イオネスクも20分の出場で16得点5アシストを記録し、ブレアナ・スチュワートは12得点に加えてスティールやブロックで存在感を示しました。

センターのジョンケル・ジョーンズも11得点を挙げ、リバティは5人（報道によっては6人）が二桁得点をマークするバランスの良い攻撃となりました。

チーム全体のシュート成功率はフィールドゴールで55.2%、3ポイントでは55.9%と高精度で、フリースローも16本中15本成功（94.1%）と隙のないオフェンスを展開しました。

守備面でもリバティが圧倒しました。相手ボールへのプレッシャーからシカゴに23ものターンオーバーを犯させ、その失策から27得点を奪いました。

またリバティは計9ブロックを記録（ジョーンズが4ブロック）し、インサイドでも相手の得点を封じています。スカイでは元リバティのベテランガード、コートニー・ヴァンダースルートがチーム最多の14得点を挙げ、レイチェル・バンハムが15得点、レベッカ・アレンが11得点で続きました。

しかし期待の新星エンジェル・リースはリバウンド12本（うちオフェンスリバウンド8本）を奪ったものの、シュートは8本すべて失敗でわずか2得点に終わりました。

リースにとってフィールドゴール成功なしの試合は大学時代から通算しても初めてのことで、プロキャリア最低の得点となっています。

スカイはフィールドゴール成功率36.2%とシュートに苦しみ、攻守両面で王者リバティとの力量差を見せつけられる形となりました。

試合後のコメント

試合後、リバティの主将ナターシャ・クラウドは大勝にも驕ることなく、

「たとえ対戦相手がスカイでも、結局大事なのは自分たち（リバティ）のバスケットです。あらゆる面でもっと良くしていきたいです」

と語り、王者としてさらなる向上心を示しました。

また、この日ベンチから活躍したケネディ・バークについて問われると

「彼女はどのチームにおいても“Xファクター”です」と称賛。

得点だけでなく守備や声出しなど「細かい部分ですべてチームを助けてくれる存在だ」とバークの貢献を強調しました。

敗れたシカゴ・スカイでは、タイラー・マーシュ・ヘッドコーチが

「インサイドの選手にボールを入れる面で、自分がもっと上手くやらなければいけない」

とコメントし、エンジェル・リースやカミラ・カルドーソらポスト陣への供給不足を自身の課題として認めました。

ベテランガードのコートニー・ヴァンダースルートは開幕2連敗という状況について聞かれると、

「最初の2試合ですべてが完璧に噛み合うとは思っていませんでした。だからパニックには陥っていません。チームには良い選手が揃っているので、必要な調整をして課題を克服するだけです」

と前向きに語り、シーズンは始まったばかりだとして巻き返しに意欲を見せました。