【衝撃】ドラフト外から年俸165億円男へ！フレッド・バンブリートがNBPA新会長に就任、選手の未来を変える男の壮絶な成り上がり物語

ヒューストン・ロケッツのフレッド・バンブリートが、全米バスケットボール選手協会（NBPA）の新会長に選出されたことが7月12日に発表されました。ドラフト外選手として史上最高額の契約を勝ち取った男が、今度は全NBA選手の代表として新たな挑戦を始めます。CJ・マッカラムの後任として4年間の任期を務めることになるバンブリートの選出は、NBA界に大きな衝撃を与えています。

ドラフト外から1億6500万ドル（約165億円）稼いだ男の異例の出世劇

バンブリートのキャリアは、まさに「アメリカンドリーム」そのものです。2016年のNBAドラフトで全30チームから指名されなかった彼は、トロント・ラプターズと2年145万ドルという控えめな契約からスタートしました。しかし、そこから9年間で総額約1億6500万ドル（約165億円）を稼ぎ出すまでに成長。現在のロケッツとの契約は3年1億2850万ドル（約128億5000万円）という、ドラフト外選手としては破格の内容となっています。

特筆すべきは、2016年のドラフト当日、バンブリートが2つのチームから2巡目指名のオファーを受けていたにも関わらず、それを断っていたという事実です。両チームともGリーグ（当時のDリーグ）送りを条件としており、年俸わずか2万ドルという提示でした。しかし彼は「より良いチャンスが来る」と信じ、フリーエージェントとしてサマーリーグに参加する道を選択。この大胆な賭けが、後の大成功につながることになります。

2019年にはラプターズの優勝メンバーとして、NBAファイナルで16本の3ポイントシュートを決める大会記録を樹立。2021年2月にはオーランド・マジック戦で54得点を記録し、ドラフト外選手の単一試合最多得点記録を更新しました。2022年にはオールスター選手にも選出され、名実ともにリーグを代表する選手へと成長を遂げています。

「すべてのレベルを経験した男」が選手会トップに立つ意味

バンブリートの経歴が特別なのは、単に成功を収めたからだけではありません。彼はGリーグでのプレー経験もあり、2017年にはラプターズ905でGリーグチャンピオンにも輝いています。まさに「下積みから頂点まで」すべてを経験してきた選手なのです。

新会長就任にあたり、バンブリートは「すべてのメンバーの最善の利益のために戦い続けることを楽しみにしています。NBA選手が直面する複雑さと課題をあらゆるレベルで深く理解しており、すべての選手が受けるに値する情熱、尊厳、献身をもってこの役割に取り組むことを約束します」とコメントしています。

前任のマッカラムは、2023年の労使協定交渉を成功に導き、選手の福利厚生の拡大や新たな投資機会の創出に貢献しました。マッカラムは今後、アドバイザリー役として新体制をサポートすることになります。「フレッドのリーダーシップの下でNBPAの未来は明るい。彼はバスケットボール界の尊敬を勝ち取っており、この次のステップへの準備ができていることを証明している」とマッカラムも太鼓判を押しています。

労使協定の次期交渉で注目される「ドラフト外選手の視点」

バンブリートの任期中で最も注目されるのが、2028-29シーズン後に予定されている労使協定（CBA）のオプトアウト交渉です。現在の協定は2023年に締結された7年契約で、6年目終了後に両者がオプトアウトできる条項が含まれています。もし2029-30シーズン前に新たな交渉が始まれば、バンブリートは任期最終年に選手側の代表として交渉の最前線に立つことになります。

ドラフト外から這い上がってきたバンブリートだからこそ、最低保証契約で戦う選手たちの立場も理解できるはずです。一方で、現在は年俸4200万ドル超のトップサラリープレーヤーでもあり、スター選手の視点も持ち合わせています。この幅広い経験が、より多くの選手の利益を代弁できる強みになると期待されています。

31歳のバンブリートは、選手としてもまだ全盛期。ロケッツでは若手チームのベテランリーダーとして重要な役割を担っており、今シーズンは平均14.1得点、5.6アシスト、3.7リバウンドを記録。チームを5年ぶりのプレーオフ進出へと導き、西カンファレンス第2シードの座を獲得する原動力となりました。

「自分を信じろ（Bet On Yourself）」をモットーに、誰もが予想しなかった成功を収めてきたバンブリート。今度は800人を超えるNBA選手全体の利益を背負い、新たな挑戦に臨みます。ドラフト外から頂点まで上り詰めた男が、選手会のリーダーとしてどのような変革をもたらすのか。NBA界全体が注目する新時代の幕開けです。

引用：YAHOO!SPORTS