NBAが長年温めてきた「ヨーロッパ進出」構想が、いよいよ具体的な数字を伴って動き出しました。新設される『NBAヨーロッパ』への参入をめぐり、対象となる12都市すべてで入札額が5億ドル以上に達し、ロンドンとパリでは10億ドルを超える札が入ったと報じられています。単なる構想ではなく、巨額マネーが本気で動き始めた——その事実に、バスケットボール界の地図が塗り替わる予感を覚えます。
12都市に殺到した巨額入札
今回明らかになったのは、NBAとFIBAが共同で進める新リーグに対し、既存のバスケットボールやサッカーのクラブなど20を超える組織が入札に名乗りを上げたという事実です。対象となっているのは、アテネ、バルセロナ、ベルリン、イスタンブール、ロンドン、リヨン、マドリード、マンチェスター、ミラノ、ミュンヘン、パリ、ローマの12都市。すべての都市で5億ドル以上、なかでもロンドンとパリでは10億ドルを超える評価額がついたとされ、欧州市場の熱量の高さがうかがえます。
リーグの発足は2027年10月が予定されており、12の常設フランチャイズに加え、ほかのFIBA大会での競争を通じて出入りする4枠を設ける構想です。
なぜ今、ヨーロッパなのか
NBAはこれまでもパリやロンドンで公式戦を開催し、欧州でのファン層を着実に広げてきました。ヨーロッパにはユーロリーグという長い歴史を持つ舞台がありますが、そこにNBAブランドと資本が本格参入する意味は小さくありません。
背景には、欧州で育った選手がNBAで年々存在感を増している現実もあります。近年のMVPや上位指名にはヨーロッパ出身者が数多く並び、才能の供給源としての欧州の価値はかつてなく高まっています。その市場に自前のリーグを築くことは、NBAにとって競技面とビジネス面の双方で理にかなった一手と言えるでしょう。
注目すべきは出資の構造です。新リーグのエクイティは当初、NBA側のオーナーが50%、12の常設チームのオーナーが残る50%を持つ形で均等に分け合うとされています。既存のユーロリーグ勢まで入札に加わっている点からも、欧州バスケの主導権をめぐる大きな地殻変動が起きつつあることが分かります。
10年で100億ドルという野心
NBA側の試算では、新リーグの初期フランチャイズは3シーズン目までに損益分岐点へ達し、最初の10年間で欧州バスケ全体へ100億ドルを超える分配がもたらされる見込みだといいます。数字だけを見れば非常に強気ですが、これだけの入札が集まっている現実を踏まえると、あながち絵空事とも言えません。
個人的に最も興味を抱くのは、この動きが日本を含むアジア市場にどんな波及を生むかです。欧州で成功モデルが確立されれば、次の視線が他地域へ向くのは自然な流れでしょう。世界規模でバスケットボールの経済圏が拡大していく——その最初の一歩を、私たちはいま目撃しているのかもしれません。
発足まで残り約1年半
入札の締め切りを越え、これからは具体的なフランチャイズの選定フェーズに入ります。2027年10月の開幕に向けて、どの都市が、どのオーナーのもとでチームを持つのか。世界のバスケ勢力図を左右するこの一大プロジェクトの続報に注目です。欧州ファンの熱狂がそのまま新リーグの成否を左右するだけに、どの都市がどんなオーナーのもとで選ばれるのか、その一つひとつが今後の大きな話題になっていくはずです。詳細はESPNの報道で確認できます。

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