昨季WNBAファイナルの舞台まで駆け上がったフェニックス・マーキュリーが、今季は8勝16敗、リーグ12位と深刻な低迷に陥っています。こうした状況を受けて米メディアのHigh Post Hoopsは7月12日、「シーズンを定義づける決断のときが迫っている」として、残り試合の勝敗よりも2027年ドラフトの上位指名権確保を優先すべきだとする、いわゆる“タンキング容認論”を展開しました。
ファイナル進出からたった1年で、優勝争いではなくドラフトロッタリーの話題が中心になる。この落差の激しさこそが、今季のマーキュリーの苦境を何よりも物語っていると感じます。
48点差の歴史的大敗が象徴する今季の姿
直近の試合が、今のチーム状態を残酷なまでに映し出しています。マーキュリーは7月11日のエーシズ戦で58-106と大敗しました。ESPNによれば、この48点差はWNBA史上3番目に大きい点差での敗戦です。
これで戦績は8勝16敗となり、順位は12位まで沈みました。今季のマーキュリーはディフェンスの脆さと試合ごとのパフォーマンスのムラが一向に解消されず、High Post Hoopsも「終盤に多少持ち直したところで、優勝候補に戻れるわけではない」という厳しい見方を示しています。数字の上でも、プレーオフ争いより先に、チームの方向性そのものを問い直す段階に来ているのは間違いなさそうです。
1年前はファイナルの舞台に立っていたチーム
忘れてはいけないのは、このチームが2025年にファイナルまで勝ち進んだという事実です。ロスターにはアリッサ・トーマス、カリア・コッパー、ディワナ・ボナーという実績十分のビッグネームが今も名を連ねています。いずれも勝つことを知り尽くした選手たちであり、現在の状況を最も受け入れがたいのは彼女たち自身のはずです。
一方で、ベテラン中心の編成には賞味期限があります。High Post Hoopsが指摘するように、この顔ぶれが永遠にロスターに残るわけではなく、近い将来に最高レベルで戦い続けるためには若い力の注入が不可欠です。昨季の成功体験があるからこそ切り替えが難しいという、優勝を狙ったチームが陥りがちなジレンマに、マーキュリーはいま直面していると言えます。
2027年ドラフトの逸材たちと“ヒダルゴ待望論”
タンキング容認論の根拠となっているのが、タレント揃いと評判の2027年ドラフトクラスです。ジュジュ・ワトキンス、ハンナ・ヒダルゴ、マディソン・ブッカーという看板級の名前が並び、中でもHigh Post Hoopsはヒダルゴを「マーキュリーに完璧にはまる存在」として挙げています。ノートルダム大学のヒダルゴは2025-26シーズンのNCAAで平均5.6スティールという驚異的な数字を残しており、守備の強度不足に苦しむ今のマーキュリーに欠けているものをそのまま持っている選手です。
同メディアは記事の結びで「フェニックスにとって、現状維持か方針転換かを決断すべきときだ」と指摘しています。ただし個人的には、タンキングは万能薬ではないと考えます。ロッタリーの抽選結果次第では上位指名権を逃す可能性がありますし、トーマスら現有ベテランの処遇をどうするかという難題ともセットです。それでも、中途半端に11位や10位でシーズンを終えることが最悪のシナリオだとすれば、フロントが「負けの価値」を直視する決断には一定の合理性があると言えるのではないでしょうか。
今後の注目ポイント
マーキュリーは直近でリンクスとのロードゲームを控えています。タンキング論がメディアで公然と語られ始めた中で、チームがどんな戦いぶりを見せるのか。そしてフロントがベテランの去就を含めた動きを見せるのかどうか。今季のマーキュリーは、勝敗とは別の意味でリーグ全体から注目される存在になりそうです。
引用:https://highposthoops.com/season-defining-mercury-decision-looms-struggles-continue

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