NBAで14シーズンを戦い続けたヨナス・バランチュナスが、ついにリーグを去る決断を下しました。リトアニアの名門ザルギリス・カウナスは7月15日(現地時間)、バランチュナスと2年契約を結んだと公式に発表しました。近年は欧州復帰の噂が絶えなかったとはいえ、いざ現実になると寂しさを覚えるファンも多いのではないでしょうか。武骨なポストプレーでゴール下を支配し続けた男の決断を、数字とともに振り返ります。
ナゲッツ退団からわずか1週間での電撃決着
昨季のバランチュナスはナゲッツでニコラ・ヨキッチの控えセンターとして65試合(先発6試合)に出場し、平均13.4分の出場時間で8.7得点、5.1リバウンド、1.2アシスト、フィールドゴール成功率58.2%という成績を残しました。限られた時間で堅実に仕事をこなす姿は健在でしたが、プレーオフ1回戦のティンバーウルブズとのシリーズでは4試合合計25分の出場にとどまり、ローテーションからほぼ外れていました。ナゲッツは来季1000万ドルの年俸のうち保証額が200万ドルにとどまっていたバランチュナスを先週ウェイブし、サラリーの圧縮を選択。その約1週間後に今回の発表という、スピード決着となりました。BasketNewsのドナタス・ウルボナス記者によれば、契約は2027-28シーズンまでの2年で総額約500万ユーロ(約550万ドル)と見込まれています。
ドラフト5位から1002試合、6球団を渡り歩いた14年間
バランチュナスは2011年ドラフト全体5位でNBA入りし、トロント、メンフィス、ニューオーリンズ、ワシントン、サクラメント、デンバーの6球団でプレーしてきました。通算1002試合(854先発)で平均12.8得点、9.0リバウンド。スリーポイント全盛の現代NBAで絶滅危惧種となった正統派センターとして、この数字は立派の一言です。2013年にはオールルーキーセカンドチームにも選出されています。実は欧州復帰への思いは1年前から明確でした。2025年夏にはギリシャの強豪パナシナイコスからの3年契約を受ける前提でアテネまで渡航したものの、当時所属していたナゲッツがバイアウト交渉に応じず破談になった経緯があります。今回の移籍は、1年越しの願いがようやく実った形と言えるでしょう。
ザルギリスで始まる第二章、NBAと欧州の人材還流はさらに加速する
移籍先のザルギリスはバランチュナスがNBA入り前に所属した古巣であり、リトアニアバスケの象徴的存在です。ロースターにはカーセン・エドワーズ、セイベン・リー、ナイジェル・ウィリアムズ=ゴスらNBA経験者が名を連ねており、ユーロリーグ上位を狙う布陣に34歳の大黒柱が加わることになります。注目したいのは金銭面の構図です。NBAでミニマム契約を2年結べば税引き前で約800万ドルに達した一方、欧州の年俸は手取りベースで報じられるのが通例のため、実質的な差は見た目ほど大きくありません。稼げるうちはNBAで戦い、円熟期は故郷や欧州の名門で過ごすというキャリア設計は、欧州出身選手の間で今後さらに一般化していくのではないでしょうか。NBAが欧州新リーグ構想を進めるいま、大西洋をまたぐ人材の行き来は双方向の時代に入ったと感じさせます。
今後の観戦情報
ザルギリスが参戦するユーロリーグの2026-27シーズンは、例年どおりであれば10月に開幕する見込みです。日本からも配信サービスを通じて、バランチュナスの新たな挑戦を追うことができます。NBAとはひと味違うフィジカルな欧州バスケで、あの重戦車がどこまで暴れるのか楽しみです。

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