ケルシー・ミッチェル wnbaファンブログ

WNBA史上7人目の10試合連続20得点──キャリア9年目・30歳のミッチェルがいまだ自己ベストを更新し続ける理由と、記録を読み上げられて頭を抱えた夜

 

オールスターウィークを目前に控えたWNBAで、派手な話題の陰に隠れながら、静かに異次元の領域へ踏み込んでいる選手がいます。インディアナ・フィーバーのケルシー・ミッチェルです。女性スポーツ専門メディアのThe IX Sportsが7月21日に報じた内容によれば、ミッチェルは10試合連続で20得点以上をマークし、WNBA史上7人目となる到達点に立ちました。キャリア9年目、30歳を迎えたシーズンにいまだ自己ベストを更新し続けているという事実だけでも驚きですが、筆者がそれ以上に興味を引かれたのは、当の本人がその数字にまるで関心を示していないという点でした。

10試合連続20得点、そして24時間で63得点という異常値

まず数字を並べます。連続20得点を続けた10試合で、ミッチェルのフィールドゴール成功率は51.7パーセント、3ポイントに至っては2本に1本を沈めています。この期間の最低得点は20点、最低のフィールドゴール成功率は38.9パーセントですが、その日ですら27得点を挙げ、チームは16点差で勝利しました。10試合でフィーバーは7勝3敗。エースが崩れない前提でチームが回っている状態です。

シーズン全体で見ても、20得点以上の試合は18でリーグ最多。30得点以上の試合は4回で、マリーナ・メイブリーとエイジャ・ウィルソンに次ぐ3位です。しかも彼女が22得点以上を挙げた試合でフィーバーは10勝5敗、それ以外では6勝5敗と、勝敗との相関がはっきり出ています。

直近の2日間はとりわけ強烈でした。金曜のシアトル・ストーム戦で第1クォーターだけで17点を含む30得点、翌土曜のニューヨーク・リバティ戦では14本中10本を沈めて今季最多の33得点。前半に12点ビハインドを背負った試合を、最終的に20点差の勝利に変えています。24時間で63得点という数字は、もはやガードの領域を超えつつあります。この夜、彼女は球団のシーズン30得点試合数の記録に並び、2桁得点は41試合連続に伸びました。

2023年の初オールスターから、何が積み上がったのか

この爆発は突然変異ではありません。ミッチェルが初めてオールスターに選ばれた2023年、36分換算の得点は19.4点でリーグ19位でした。十分に優れた数字ですが、リーグ最上位の得点源かと言えばそうではありませんでした。

そこからが異例です。2024年には1分あたりの得点とフィールドゴール成功率がともに上昇し、2025年はさらに得点を伸ばしながら精度の低下をわずか1パーセント台に抑えました。そして2026年、36分換算25.8得点、フィールドゴール成功率49.5パーセントというキャリアハイの2つを同時に叩き出しています。分あたり得点ではリーグ4位につけ、上にいるのはウィルソン、チェネディ・カーター、メイブリーの3人だけです。

スター選手になった後も伸び続ける、というのは実はかなり珍しい現象です。ステファニー・ホワイトHCは、緩急を使い分けて戦うことを覚えた点を近年の成長の鍵として挙げています。得点の引き出しが増えた、という言い方が近いのでしょう。オハイオ州立大出身の彼女は今週末、4年連続となるオールスターの舞台に立ちます。

数字に無関心なエースが、フィーバーにもたらしているもの

試合後の会見で、球団スタッフがミッチェルの記録を読み上げ始めたとき、彼女は「え?」と反応し、途中からは頭を抱えてしまったといいます。隣に座っていたアリーヤ・ボストンが思わず声を漏らすほどの内容だったにもかかわらず、です。ボストンは彼女についてこう表現しています。「彼女はいつでも、好きなやり方で得点できます」。

ミッチェル自身は、感謝はしているが自分は数字にこだわるタイプではない、勝つためにプレーしているだけだと語り、上がりすぎても下がりすぎてもいけないという趣旨の言葉で締めています。この距離感が、実は後半戦のフィーバーにとって大きな意味を持つと筆者は見ています。

今季のフィーバーはケイトリン・クラークの負傷離脱を挟みながら東地区の上位争いを続けてきました。その中でミッチェルは、チーム最多の出場時間をこなし、オンボールとオフボールの役割を行き来しながら、一試合も欠場していません。つまり彼女は、クラークがいてもいなくても機能する得点源だということです。スター1人の出来に左右されない二本目の柱があるかどうかは、プレーオフの短期決戦で最も効いてくる要素の一つです。

懸念があるとすれば負荷でしょう。30歳で出場時間がチーム最多、しかも欠場ゼロという運用は、9月以降を見据えたときにどこかで調整が必要になるはずです。オールスターブレイクがその意味でも良いタイミングになることを願います。

直近の試合とオールスターの予定

フィーバーは現地7月22日午後8時(日本時間23日午前)、本拠地ゲインブリッジ・フィールドハウスでコネチカット・サンと対戦します。オールスターブレイク前の最後の一戦で、4試合のホーム連戦を3勝1敗で締めくくれるかが懸かる試合です。中継はUSA NetworkとPeacockが予定されています。

そして週末はシカゴでのオールスターです。フィーバーからはクラーク、ボストン、そしてミッチェルの3人が先発に選出されており、静かなエースがどんな表情で大舞台に立つのか、そこも一つの見どころになりそうです。

引用:https://www.theixsports.com/features/how-kelsey-mitchell-reached-a-new-level-of-scoring-prowess/

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