WNBAオールスターウィークエンドの金曜夜、その主役を張るはずの3ポイントコンテストが、コートで一投が放たれるより先に大きな話題を呼んでいます。リーグ随一の遠距離砲として知られるケイトリン・クラークとサブリナ・イオネスクが、揃って出場を辞退したためです。招待を受けながら首を縦に振らなかったのは、この2人にとどまりません。正直な第一印象は「またしても」という既視感と、これだけの名前が抜けて興行として成り立つのかという不安が、同時に押し寄せてくるというものでした。
辞退は3人、6人に拡大した顔ぶれの中身
米CBSスポーツの報道によると、今回3ポイントコンテストへの招待を断ったのは、クラーク、イオネスク、そしてケイラ・マクブライドの3人で、いずれもESPNが伝えた情報として報じられています。イオネスクは昨年の覇者であり、NBAを含めても歴代最多となる37点をこの種目でマークした記録保持者です。マクブライドも現役では通算成功数トップの793本を誇る生粋のシューターであり、辞退した3人がいずれも一級品の3点砲だという事実が、事の大きさを物語っています。
一方で、リーグが確保した顔ぶれも軽くはありません。全体1位指名の新人アジー・ファッド、今季に1試合53点と同9本の3点成功というWNBAの1試合記録に並ぶ数字を残したマリーナ・メイブリーを筆頭に、ライン・ハワード、ブリジット・カールトン、ジャネル・サラウン、ナティーシャ・ハイデマンの6名が名を連ねます。出場枠が6人に拡大するのは2023年以来のことで、舞台は7月24日金曜、シカゴのウィントラスト・アリーナです。
クラークが繰り返す「不参加」と、種目が刻んだ名場面
見過ごせないのは、クラークにとってこれが初めての見送りではない点です。ルーキーだった年に招待を断り、昨年はインディアナポリスでの開催を負傷で欠場し、そして今年もノーと答えました。NBAオールスターで実施されたカリー対イオネスク方式の2オン2企画への参加も実現せず、大学時代にNCAAディビジョンI通算最多の3点成功数を残した稀代のシューターが、プロ入り3年を経てなお一度もこの舞台に立っていないのです。
皮肉なのは、この種目がオールスターの歴史に残る名場面を何度も生んできたことです。2023年にはイオネスクが27投中25本、うち20連続成功という圧巻の内容で37点を叩き出しました。2022年のシカゴでは、アリー・クイグリーが地元の声援を背に大会史上初となる4度目の優勝を飾っています。最高の見せ場を作れる舞台だからこそ、最大級のスターが不在という現実が、いっそう際立ってしまいます。
「レブロンとダンクコンテスト」の教訓が突きつけるもの
CBSのジャック・マロニーは、この状況を「これはリーグではなく選手側の問題だ」と踏み込んで論じています。引き合いに出されたのが、NBAのレブロン・ジェームズがついにスラムダンクコンテストへ出場しなかった事実です。看板の不在が競技の求心力を削いだという教訓は、クラークの選択にそのまま重なります。
もっとも、辞退を一方的に責めるのは酷でしょう。今のオールスターウィークエンドはもはや「休養」ではなく巨大な商業イベントと化し、人気があるほどスポンサー対応や露出に追われます。クラークは腰の張りで出場時間を制限されながらも、直近では史上初の45得点10アシストを記録し、週間最優秀選手にも選ばれたばかりです。回復を優先する判断には十分な理由があります。それでも、リーグが毎年ぎりぎりまで出場者を確定できず、看板を口説き落とせない構図が繰り返されている点は、ファンの間でも「選手の責任か、運営の失策か」と議論を呼んでいます。
それでも金曜は来る、注目の観戦ポイント
3ポイントコンテストは7月24日金曜にウィントラスト・アリーナで、オールスター本戦は翌25日土曜にユナイテッド・センターで、テリーサ・ウェザースプーン率いるチームとシンシア・クーパー率いるチームの対戦として行われます。最大級の名前が抜けたとはいえ、ルーキーながら看板を張るファッドと、今季の得点力で沸かせるメイブリーがどんな一投を見せるかは十分な見どころです。辞退したイオネスク自身はオールスター本戦には出場する見込みで、コンテストの空席が、かえって新旧シューターの序列を占う舞台になるかもしれません。金曜夜の結果が、この種目の未来をどう照らすのか。まずは6人の指先に注目しましょう。
引用:https://www.cbssports.com/wnba/news/caitlin-clark-sabrina-ionescu-wnba-3-point-contest/

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