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1人だけPER33.8で2位に10近い差──ウィルソン5個目のMVPに、19.7得点のルーキー・マイルズが挑む最終盤の序列

 

シーズンも残りが見えてきたなかで、2026年のWNBA最優秀選手をめぐる議論が一気に熱を帯びてきました。8月8日、ザ・スポーティング・ニュースが最新のMVPランキングを公開し、1位に置かれたのはやはりエイジャ・ウィルソンでした。ただ、2番手として名前が挙がったのが1年目のオリビア・マイルズだという点に、今季の異様さが凝縮されています。数字を追えばウィルソン、物語を追えばマイルズ。この二択が投票用紙の上でどう転ぶのか、まだ誰にも読めません。

数字だけを並べれば、勝負はとっくに決まっている

ウィルソンの今季平均は26.6得点9.6リバウンド3.2アシスト、フィールドゴール成功率53.7%、3ポイント成功率44.6%、フリースロー成功率84.9%です。加えてブロック2.0はリーグ1位、リバウンドは3位、スティールは14位、そしてアシストでも25位に入っています。センターがアシスト部門の上位25人に顔を出す時点で、この人がどれだけ広い範囲を受け持っているかが分かります。

決定的なのは総合指標のほうです。ウィンシェア6.6はリーグ最多、ディフェンシブレーティング101.5は3位、オフェンシブレーティング123.2は11位。そして選手効率指数(PER)は33.8で、2位のアリーヤ・ボストンに10近い差をつけています。ひとつの指標で首位に立つ選手はいても、攻守の両側からこれだけ引き離す例はそうそうありません。平均26得点台は過去4シーズンで3度目にあたり、自身の得点記録の更新も射程に入っています。

「順当」がそのまま通らないのが、この賞の歴史

とはいえMVP投票は、数字の一覧表どおりには進みません。2022年にウィルソンがブレアナ・スチュワートを退けた差は、1位票でわずか8票でした。2023年はスチュワートが受賞しましたが、1位票の数だけを見ればアリッサ・トーマスのほうが多かったのです。昨季もウィルソンは終盤の追い上げで賞をさらっており、投票が締め切られるまで結果が固まらないのがこの賞の常だと言えます。

そのうえで今季の争点は、4度受賞して8月8日に30歳を迎えた選手と、ルーキーの対決という構図です。マイルズは平均19.7得点4.7リバウンド5.8アシスト、成功率50.2%/38.0%/87.5%という数字を1年目から並べ、得点とアシストの両方でリーグ10位以内に入っています。ザ・リンガーのシーラット・ソリの調べでは、マイルズがピック&ロールのボールハンドラーとして費やしたポゼッション数は2011年以降のどの選手より多いそうです。それだけ負荷をかけながら効率が落ちないのですから、各チームが手を焼くのも当然でしょう。リンクスは25勝7敗でリーグ最高勝率に立ち、直近には2016年以来となる10連勝も記録しました(この連勝はスパークス戦で止まっています)。ルーキーのMVP受賞は2008年のキャンディス・パーカーが最後で、実現すれば18年ぶりの快挙になります。

票が動くとすれば、鍵を握るのは東の3人です

3位に置かれたのはケイトリン・クラークでした。平均21.5得点8.0アシストで、フィールドゴール成功率は44.6%。開幕8試合を4勝4敗で終え、ステファニー・ホワイトHCの去就まで取り沙汰されたフィーバーは、そこから立て直して東カンファレンスの首位争いに戻り、直近10試合で7勝を挙げています。6月4日以降に限れば平均22.1得点8.0アシスト、成功率46.6%/35.5%/84.3%。出場時間はキャリアで最も短いのに数字が伸びているという点が、この選手の1年間の変化をよく表しています。

見落とされがちなのが4位のケルシー・ミッチェルでしょう。平均24.0得点で成功率50.2%/43.8%、東カンファレンスの月間最優秀選手に選ばれた期間は平均27.3得点、成功率50.3%/48.4%/87.9%という異次元の効率でした。8月2日のリンクス戦で37得点、7月18日のリバティ戦で33得点と爆発力も十分で、マイルズが彼女を「めちゃくちゃタフ」と評したのも納得です。問題は、同じチームにクラークがいることです。票が割れる構図は、ミッチェルにとって最大の逆風になります。

5位のペイジ・ベッカーズは平均20.1得点5.9アシスト、成功率50.6%/39.1%。オールスター以降はやや数字を落とし、8月5日にはミスティックス相手に20点差をひっくり返される苦い敗戦もありました。それでも19勝13敗はダラス移転後の最高ペースで、2023年以来のプレーオフ復帰がほぼ見えています。第4クォーターの平均得点は、今季15試合以上に出場した選手のなかで最多。勝負どころで最も点を取る選手が5位という事実が、今季の層の厚さを物語っています。

筆者の見立てでは、ウィルソンが崩れるとすれば理由は「MVP疲れ」ではなく、リンクスとエーシズの勝率差だと思います。現時点でエーシズは22勝9敗、リンクスに2.5ゲーム差。この差が最終戦まで残れば、ナフィーサ・コリエが足首の手術から戻るまでの期間を1年目で背負い切ったマイルズの物語に、票が流れる余地は確実に生まれます。逆にエーシズが差を詰めれば、議論はあっさり終わるはずです。

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そのリンクスとエーシズは、まさに現地8月8日(日本時間9日)に直接対戦します。ウィルソンが30歳の誕生日を迎えた日にマイルズの待つミネソタへ乗り込むという巡り合わせで、MVPレースの行方を占ううえでこれ以上ない一戦になりました。同じ日にフィーバーはスカイと対戦し、クラークとミッチェルにも票を積み増す機会があります。残り試合はもう多くありません。順位表とスタッツの両方を追いかけるなら、ここからの2週間が今季で最も面白い時期になるはずです。

引用:https://www.sportingnews.com/us/wnba/news/wnba-mvp-race-rankings-aja-wilson-olivia-miles-caitlin-clark/4a92746aea70a88559e0b693

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