ミネソタがこの夏に動かしたのは、単なる戦力の入れ替えではありませんでした。クリス・フィンチがポッドキャストで語った内容をたどると、ラメロ・ボールの獲得はアンソニー・エドワーズの起用法に対する自己批判から始まっていたことが見えてきます。補強の理由をここまで正直に言語化するヘッドコーチも珍しく、そこがこの一件のいちばん面白いところだと感じました。
4チームが絡んだ大型トレードの中身
まずは取引の全体像です。6月25日に報じられ、最終的には4チームが絡む形で成立しました。ウルブズはホーネッツからラメロ・ボールとジョシュ・グリーンを、ネッツ経由で2026年ドラフト全体33位のアイザイア・エバンスを獲得しています。
ホーネッツが受け取ったのはナズ・リード、モー・ゲイエ、マテオ・スパニョーロの指名権、2033年の1巡目指名権、2028年・2029年・2030年の1巡目スワップ3つ、そして2029年・2032年・2033年の2巡目指名権です。あわせてネッツにはジュリアス・ランドルと2026年28位のジョシュア・ジェファーソンが、ブルズにはニック・クラクストンが渡りました。
ラメロ・ボールは昨季ホーネッツで72試合に出場し、うち69試合で先発して平均20.1得点7.1アシスト4.8リバウンドを記録しています。3ポイント成功数272本はリーグ2位、成功率も36.8%でした。直前の3シーズンは故障に苦しみましたが、昨季は健康を取り戻していた点が大きいところです。2020年ドラフト3位、2020-21シーズンの新人王、2021-22シーズンのオールスターという経歴も、あらためて確認しておく価値があります。
「アントに気の毒なことをした」という自己申告
この取引の動機を語ったのがフィンチでした。「去年、アンソニーをポイントガードとして起用したのは、おそらく彼に気の毒なことをしました」。そのうえでプレーオフではダブルチームが延々と続いたと振り返り、エドワーズを本来のオフボールの位置へ戻す必要があると説明しています。キャッチ&シュートの3ポイントを十分に作れていなかったという反省も添えました。
数字の裏づけとして挙げられたのが、コン・ニュッペルの3ポイント成功率です。ラメロ・ボールがコートにいるときといないときで7ポイント違ったといいます。自分で決める力ではなく、周囲の効率をどれだけ引き上げたかで評価している点が興味深いところです。
ルディ・ゴベアへの言及もありました。ゴベアは昨季平均10.9得点と2015-16シーズン以来もっとも低い数字にとどまりましたが、2ポイント成功率とeFG%ではリーグ1位に立っています。ボールを長く持てるパサーがいなかったためにロブの受け手として解放できていなかった、というフィンチの説明は理屈が通ります。
失った35得点分をどう埋めるのか
一方で代償は小さくありません。ランドルとリードの2人で、ミネソタは平均35得点13リバウンド7アシストほどのフロントコート戦力を手放しました。リードは昨季平均13.6得点6.2リバウンドを残し、シックスマン賞の投票では3位に入っています。西カンファレンス準決勝まで進んだチームの厚みは、確実に薄くなりました。
ここが今季最大の論点になるはずです。ゴベアの周りに置ける得点力のあるビッグマンが減り、ジェイデン・マクダニエルズのもう一段の成長と、テランス・シャノン、ジェイレン・クラーク、ジョアン・ベランジェら若手の底上げが前提条件になりました。フィンチ自身、若手に出場機会の道筋を作る必要があったと認めています。
つまりこのトレードは、エドワーズの負担を減らす作業であると同時に、ロスターの中心年齢を下げる作業でもありました。うまく噛み合えばエドワーズは得点に専念でき、ゴベアの得点も自然に増えます。噛み合わなければ、ペイント周りの層の薄さが早い段階で表面化します。振れ幅の大きい賭けだと私は見ています。
2026-27シーズンの見どころ
エドワーズとラメロ・ボールという2020年ドラフトの全体1位と3位が同じバックコートに並ぶ絵は、それだけで西カンファレンスの注目カードを増やします。ウルブズはエイヨ・ドスンムとも5年1億1200万ドルで再契約しており、ガード陣の層は十分です。開幕後はエドワーズのキャッチ&シュートの本数がどれだけ増えるかを追いかけると、この移籍の成否が早い段階で見えてくるはずです。日程はNBA公式のスケジュールページで確認できます。
引用:https://www.minnesotasportsfan.com/minnesota-timberwolves/chris-finch-lamelo-ball-fit-analysis/

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