ベンチ出場で403点、昨季のリーグ最多を超えたサラウンと、事実上終わった6thプレーヤー争いの舞台裏

 

今季のWNBAで、最も静かに、そして最も確実に決着がついた個人賞レースがあります。ベンチから出てくる選手に贈られるシックスプレーヤー・オブ・ザ・イヤーです。ゴールデンステート・ヴァルキリーズのジャネル・サラウンが、控えのまま誰も届かない数字を積み上げ、このレースを事実上終わらせました。開幕前の下馬評ではまったく別の名前が挙がっていたことを思い出すと、この一年の入れ替わりはなかなか劇的です。

控えで403点、昨季の最多399点を8月上旬に追い越しました

数字がほとんどすべてを語っています。ハイポスト・フープスによれば、8月5日の時点でサラウンがベンチから積み上げた得点は403点。3ポイント成功率40.5%という高い効率を保ったままの数字です。昨季、控えとしてリーグ最多の得点を記録したのはナティーシャ・ヒーデマンの399点でしたから、サラウンはシーズンを1か月以上残した段階で、昨季の最多値をすでに上回ったことになります。

2位につけるインディアナ・フィーバーのソフィー・カニンガムが、同じ時点で248点。155点差というのは、もはや競っていると呼べる範囲ではありません。しかもサラウンは得点だけの選手ではなく、控え選手の総リバウンドでもトップの114本を記録し、スティールでも控え勢の4番目に位置していました。攻守どちらでも二番手ユニットの中心にいるということです。

開幕前の本命はサラウンではありませんでした

興味深いのは、シーズン前にこの賞の最有力候補と見られていたのが別の選手だった点です。ラスベガス・エーシズのシェネディ・カーターが本命視されていましたが、彼女はすでにチームを離れています。そこで浮上したのがカニンガムで、5月から7月までは各月平均9.4点から9.8点という安定した数字を残していました。ところが8月に入ると7試合で平均5.9点まで落ち込み、逆転どころか2位の座さえ危うくなっています。

サラウン自身の変化も見逃せません。ESPNの記録では、2025年の彼女は36試合中33試合で先発して平均11.3点。今季は先発ゼロ、平均22分台の出場で13点前後を積み上げています。出場時間を減らしながら得点を増やしたわけで、ベンチスタートという起用法が彼女の持ち味と噛み合ったことがはっきり読み取れます。ファンサイデッドは「サラウンはすでにこの賞を勝ち取っています」と言い切りました。

個人賞よりも、この控え陣がプレーオフで持つ意味が大きいと考えます

ここからは筆者の見方です。このレースで本当に注目すべきなのは、表彰そのものよりヴァルキリーズというチームの構造だと考えています。ヴァルキリーズのベンチは1試合平均35.9点を稼ぎ出しており、これは2位のチームより7点も多い数字です。2024年に同じ賞を受けたティファニー・ヘイズ、2年目で平均6.9点まで伸びたケイトリン・チェンが並び、主力を下げても得点力がほとんど落ちません。

プレーオフはローテーションが短くなり、主力の消耗が一気に進む舞台です。そこで、ベンチに戻しても崩れないという性質は、レギュラーシーズン以上に効いてきます。ナタリー・ナカセHCが指揮2年目でこの層の厚さを作り上げたことは、創設からまだ2年のクラブとしては異例だと思います。サラウンは今春ヴァルキリーズと複数年契約を結び直しており、24歳という年齢を考えれば、この控えの役割が定位置になるのか、いずれ先発に戻るのかという問いも、オフに向けて必ず出てくるはずです。

今後の試合

ヴァルキリーズはここから東海岸へのロードが続きます。8月26日にコネチカット・サン、27日にニューヨーク・リバティ、30日にポートランド・ファイアーと対戦する日程です。西地区の上位争いはまだ流動的で、サラウンがベンチから積み上げる1点1点が、そのままシード順に跳ね返ってきます。プレーオフでこの二番手ユニットがどこまで通用するのか、いまから楽しみです。

引用:https://highposthoops.com/janelle-salaun-firmly-shutting-door-sophie-cunningham-wnba-award-case

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