FIBA女子ワールドカップによる中断を目前に控えた8月27日、ESPNが今季3度目となるリーグ「トップ50」を発表しました。プレシーズン版、シーズン中盤版に続く今回は、プレーオフ進出8チームが出そろったタイミングでの評価です。首位は動かずエイジャ・ウィルソン。ただ2位以下は7月版から大きく入れ替わり、負傷者の復帰と離脱がそのまま序列に反映された、今季もっとも振れ幅の大きい改訂になりました。数字を並べていくと、この順位表が「うまさ」ではなく「今どれだけコートに立てているか」を測る表になっていることが見えてきます。
首位ウィルソン、2位に浮上したクラーク
ウィルソンは26.0得点9.5リバウンド2.0ブロック。得点とブロックでリーグ1位、リバウンドは3位に位置し、ウィンシェア7.7とPER31.8もリーグトップです。エーシズはリーグ最上位のチームではありませんが、個人では文句なしの1位という評価でした。
7月の3位から2位に上がったのがケイトリン・クラークです。22.1得点8.3アシスト3.8リバウンドで、得点は3位、アシストはアリッサ・トーマスと並ぶ1位。20得点5アシスト以上を6試合続けて自身のWNBA記録に並び、先週は1試合8本の3ポイントでキャリアハイを更新しました。デビューから3シーズンの通算3ポイント成功数では、ダイアナ・タウラシを抜いて歴代2位に立っています。
3位はブレアナ・ステュワート(20.8得点8.1リバウンド)、4位に新人オリビア・マイルズ(19.7得点6.2アシスト、FG49.5%・3P39.7%)、5位にペイジ・ベッカーズ(20.6得点5.9アシスト)と続きます。ジャッキー・ヤングが9位から6位に上がり、エーシズから2人がトップ10に入りました。
7月版との比較で浮かぶ、プラムの13位とコリアーの再登場
最も大きく順位を落としたのはケルシー・プラムでした。7月の2位から13位です。スパークスでの開幕12試合は23.9得点6.4アシストと圧巻でしたが、脚の負傷で6週間離脱し、8月2日にマーキュリーへトレード。移籍後の5試合は15.8得点2.8アシストにとどまっています。ESPNも「プラムは最も順位をつけにくい選手です」と率直に書いており、評価の難しさがそのまま数字に出た格好です。
対照的に、大きく上げたのは復帰組と成長株でした。両足首の手術を経て7月22日に復帰したネイフィーサ・コリアーは、7月版のランク外から7位へ。復帰後11試合でFG50.7%、3ポイントは47%を記録しています。ケルシー・ミッチェルは11位から8位。23試合連続20得点はウィルソンが持っていた連続記録を塗り替えた数字です。アライヤ・ボストンが15位から10位、シャキーラ・オースティンは29位から15位と大幅に上昇しました。サブリナ・アイオネスクはランク外から23位、7週間ぶりに戻ったレオニー・フィービッヒが38位で再登場しています。
14位のアンジェル・リースは16.1得点12.4リバウンド。スパークス戦で1試合26リバウンドのWNBA新記録を打ち立て、シーズン458本はウィルソンが2024年に作った最多記録を7本上回りました。
中断明けの1か月が、この順位表を書き換える
今回の改訂を通して読むと、上位から中位の変動要因がほぼすべて負傷絡みだったことに気づきます。プラム、コリアー、アイオネスク、フィービッヒ、ナイアラ・サバリー。順位が動いた理由は技術の上下ではなく、稼働できたかどうかでした。裏を返せば、9月4日開幕のベルリン大会を挟んだあと、健康な状態でプレーオフに入れたチームが、順位表も短期決戦も同時に制する可能性が高いということです。
拡張2球団の扱いも見逃せません。トロント・テンポからはマリーナ・マブリー(26位)、サバリー(46位)、キキ・ライス(49位)の3人がトップ50に入りました。12連敗を喫したチームから3人という結果は、チーム成績と個人評価が必ずしも一致しないことの証明でもあります。ただマブリーとサバリーはいずれも離脱中で、残り試合で評価を積み増すのは容易ではありません。
もう一点、フィーバーから3人(クラーク2位、ミッチェル8位、ボストン10位)がトップ10に入った事実は重く見るべきだと考えます。トップ10に3人を送り込んだのはインディアナだけで、リーグ最高勝率でなくても優勝候補に挙がる理由がここにあります。
中断前後の観戦ポイント
WNBAはワールドカップのため、まもなくシーズンが一時中断します。中断前の残り数試合は、プレーオフのシード争いと個人タイトル争いが同時に走る貴重な期間です。オリビア・マイルズの新人王はほぼ確定的ですが、最優秀改善賞はオースティン、ドミニク・マロンガ、レイ・バレルらが競り合っており、中断前の数試合が評価を分ける可能性があります。日本から観戦する場合は、配信サービスごとに中継の有無が異なるため、事前に放送予定を確認しておくとよさそうです。

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