WNBAのレギュラーシーズンが、8月31日からいったん止まります。ドイツ・ベルリンで9月4日に開幕するFIBA女子バスケットボール・ワールドカップに合わせた中断で、再開は9月17日です。そこから1週間だけ試合を消化し、9月24日にレギュラーシーズンが終わります。30年目のシーズンが、最も熱を帯びるはずの終盤に17日間の空白を挟むわけです。順位表を眺めた第一印象は「これは単なる休養期間ではない」でした。プレーオフの8枠はすでに全て埋まっていて、残っているのはシード争いだけ。その争いが、主力の多くを国際大会に取られたまま、再開後のわずか1週間で決着する構図になっています。
3位から8位まで3ゲーム差、未決着のまま迎える中断
現地時間8月27日終了時点の全体順位は、リンクスが31勝8敗で単独首位に立っています。以下、バルキリーズが28勝11敗、エーシズが26勝13敗、ドリームが25勝13敗、フィーバーが25勝14敗、ミスティックスが24勝15敗と続き、ウィングスとリバティが23勝16敗で7位と8位に並びました。3位のエーシズと8位のリバティの差は、わずか3ゲームしかありません。第1ラウンドでホームコートを持てるかどうかが、この6チームのあいだで完全に宙に浮いたまま、リーグは止まることになります。
個人成績に目を移すと、エイジャ・ウィルソンが平均26.0得点でリーグトップに立っています。リバウンドはリースの平均12.4本、アシストはトーマスの平均8.3本がそれぞれ最多です(数字はBasketball-Reference調べ)。得点、リバウンド、アシストの各トップがいずれもプレーオフ進出チームに属している点も、今季の勢力図の濃さを物語っています。
シーズンを止めるワールドカップは、これが最後になります
ベルリンへ向かうアメリカ代表12人には、ウィルソン、クラーク、ベッカーズ、リース、ボストン、ステュワート、コリアー、プラム、コッパー、ハワード、グレイ、ヤングが名を連ねました。指揮を執るのはカーラ・ローソンで、グループステージではチェコ、イタリア、中国と同じ組に入っています。ローソンはロースター発表時に「12人に絞り込むまで長いプロセスでした」と語りました。リーグを代表する顔ぶれがそのまま抜けるのですから、この中断の重みは日程表の数字以上です。
ここで押さえておきたいのは、この構図自体が今回で終わるということです。FIBAは2025年5月に大会日程の変更を承認し、2030年大会から開催時期を11月〜12月へ移します。つまり、WNBAがシーズン真っ只中に主力を国際大会へ送り出す形は、ベルリンが最後になります。そして11月開催へ切り替わる2030年大会の舞台は東京です。FIBAの発表によれば会期は11月26日から12月8日で、日本開催は史上初、アジアでの開催は2002年の中国以来となります。日本バスケットボール協会の創立100周年とも重なる巡り合わせです。日本のWNBAファンにとって今回の中断は、不便な空白であると同時に、4年後に自国で起きることの予行演習でもあるわけです。
17日間の空白は、どのチームに味方するのか
この中断がプラスに働くかマイナスに働くかは、チームによってまるで違うと見ています。代表招集が多いチームほど、主力は休めません。エーシズはウィルソン、グレイ、ヤングの3人がベルリンへ向かうため、中断前の試合ですでにこの3人を休ませる手を打っています。ナリッサ・スミスを今季絶望で失った台所事情を踏まえると、9月17日以降の1週間で誰がどこまで動けるかは読みにくいところです。
逆に、代表組が少ないチームにとっては純粋な回復期間になります。31勝8敗という積み上げをそのまま持ち込めるなら、リンクスの首位はそう簡単には動きません。ただし17日間も実戦から離れたあと、いきなり1週間でシードが確定する日程は、体力よりも試合勘の問題を生みます。筆者の見立てでは、再開後の最初の2試合をどれだけ普段どおりに戻せるかが、そのまま第1ラウンドのホームコートに直結します。3ゲーム差という数字は、1週間で十分にひっくり返る幅だからです。
中断中と再開後、押さえておきたい日程
ワールドカップは9月4日から13日までベルリンで開催されます。WNBAは9月17日に再開し、9月24日にレギュラーシーズンが終了、その後プレーオフに突入します。中断のあいだも代表戦で主力の姿は追えますから、シード争いの行方と合わせてベルリンでのコンディションを確認しておくと、再開後の1週間がより濃く楽しめるはずです。ベルリンの試合は日本時間だと深夜から早朝にかけての時間帯になる見込みですので、ハイライトや録画の活用も含めて予定を組んでおきたいところです。

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