30点差で勝ったスペインが9点差で沈む、マリが日本に残したグループAの誤算

 

ドイツ・ベルリンで開催中のFIBA女子バスケットボールワールドカップ2026で、大会を通じて最初の大波乱が起きました。FIBAランキング18位のマリが、6位のスペインを82対73で撃破したのです。世界ランクで12も格上の相手を、アフリカ勢が正面から力でねじ伏せた40分でした。そしてこの結果は、遠いアフリカの快挙という話では終わりません。マリもスペインも、日本代表と同じグループAだからです。初戦でマリとぶつかった日本にとって、現在地を測り直す材料になりました。

第3クォーターの31対19、マリが押し切った40分

試合の入りは静かでした。前半終了時点でマリは2点のビハインド。格上のスペインが順当にリードを保つ展開です。流れが動いたのは第3クォーターでした。マリはこのクォーターだけで31得点を挙げ、スペインを19点に抑えます。10分間で12点を削り取る猛攻でした。

転機は45対44とスペインにリードされた場面から始まった16対4のランです。ここで存在感を示したのがシカ・コネでした。このラン中に3ポイントを2本沈め、試合の主導権を完全にマリ側へ引き寄せます。コネはこの日、19得点10リバウンドのダブルダブルを記録しました。WNBAではアトランタ・ドリームに所属しており、リーグで積み上げた経験がそのまま国際舞台で機能した形です。

第4クォーターに入っても勢いは止まりません。マリが最初の5点を連取し、そこにはコネの3ポイントも含まれます。以降、点差が9点以内に縮まることは一度もありませんでした。マリはジェネバ・ヌディアイも19得点と、コネと二枚看板で得点源を分散させています。スペインはイヤナ・マルティンが20得点で最多でしたが、チームとしての反撃には至りませんでした。

マリにとってこの勝利は、ワールドカップの歴史でわずか2勝目です。前回の白星は2010年大会でセネガルを延長戦の末に破ったもので、実に16年ぶりの勝利ということになります。通算成績は2勝10敗。その2勝目を、世界の上位常連であるスペインから奪ったわけです。

日本が102対97で振り切った相手、その評価が変わる

ここで思い出したいのが、日本代表の初戦です。9月4日、日本はそのマリを102対97で振り切りました。100点ゲームでありながら5点差という、決して楽ではない勝ち方でした。3ポイントを20本沈めて大会新記録を打ち立て、林咲希が個人で9本という大会新記録を残したうえでの5点差です。試合直後、この結果を「苦戦」と受け取った人は少なくなかったはずです。

ところが、その見え方はこの2日で反転しました。スペインは初戦でホスト国ドイツを83対53、実に30点差で圧倒しています。文句のつけようがない内容でした。そのスペインが、日本が5点差で退けたマリに9点差で敗れたのです。単純な三段論法が成り立つ競技ではないと承知したうえでも、この推移が示すものははっきりしています。日本が苦しんだのではなく、マリが強かった。そう読み替えるだけの根拠が揃いました。

マリの持ち味は高さと身体能力です。日本は内で真っ向勝負を挑むのではなく、外角から20本を打ち抜いて対抗しました。あの選択は間違っていなかった一方で、102得点がなければ勝てない相手だったという現実も残ります。

グループA、三つ巴に転がり込んだ計算

この結果でグループAは一気にもつれました。日本が1勝0敗、スペインが1勝1敗、マリが1勝1敗、ドイツが0勝1敗。上位3チームが決勝トーナメントに進む方式なので、単純な勝ち抜けだけを考えれば日本の位置は悪くありません。ただし、この大会で本当に価値があるのはグループ1位の座です。各組の首位だけが9月8日と9日の予選ラウンドを免除され、準々決勝へ直行できるからです。

順位は勝ち点が並んだ場合、直接対決の成績、続いて当該チーム間の得失点差の順で比較されます。日本にはマリに勝っているという事実があり、3チームが並んでも直接対決を1つ握っている意味は小さくありません。

そして日本には、日本時間9月6日午前1時にドイツ戦が控えています。ここを取れば2勝0敗となり、日本時間9月8日午前0時50分のスペイン戦が事実上のグループ1位決定戦になります。ここで強調しておきたいのが、バイの持つ実務的な価値です。予選ラウンドを1つ飛ばせるということは、準々決勝までに丸2日近い休養差が生まれるということでもあります。町田瑠唯をはじめとする小柄なガード陣がフルコートで走り続けるスタイルの日本にとって、この休養差は戦術以前の生命線になり得ます。

逆に言えば、ドイツ戦を落とした場合の景色は一変します。ホームの大観衆を背負ったドイツに息を吹き返させ、スペイン、マリを含めた4チームが2勝1敗で並ぶ可能性すら出てきます。そうなれば得失点差の勝負です。マリ戦で97失点している日本にとって、その計算はあまり歓迎できるものではありません。ドイツ戦は「勝つ」だけでなく「どう勝つか」まで問われる一戦になりました。

今後の日程と観戦情報

グループAの残りは、日本時間9月6日午前1時にドイツ対日本、9月8日午前0時50分に日本対スペイン、同日にドイツ対マリが組まれています。準々決勝は9月10日、準決勝が9月12日、決勝と3位決定戦が9月13日です。会場はベルリン・アリーナとマックス・シュメリング・ハレの2つで、全36試合が行われます。日本国内の中継や配信は、各放送局の最新の発表を確認するのが確実です。

今大会は16チーム制に戻り、12チームで争われた2022年シドニー大会より番狂わせの余地が広がっています。マリがその第1号になった今、グループAに安全圏はありません。47年ぶりの準々決勝進出を狙う日本にとって、この2日間で得た情報は決して悪いものばかりではないはずです。

※FIBA女子バスケW杯2026

引用:https://sports.yahoo.com/articles/mali-shocks-spain-womens-basketball-113914504.html

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