『恥を知れ』——カンターがデュラントに放った古巣への一撃、燻る火種

 

ヒューストン・ロケッツのメディアデーで飛び出した何気ない一言が、思わぬ論争の火種になっています。ケビン・デュラントがWNBAを巡る政治的な議論を「雑音」と切り捨てたことに対し、元NBA選手のエネス・カンター・フリーダムが即座に反応し、両者の間で激しい応酬が始まりました。かつて同じサンダーのユニフォームでプレーオフを戦った2人だけに、その言葉の重みは軽くありません。

事の発端、デュラントが語った「雑音」という一言

現地9月22日、ロケッツのメディアデーに臨んだデュラントは、今シーズンのWNBAを巡って続く政治的な騒動について問われ、「全部雑音だよ」と一蹴しました。その上でリーグそのものへの支持はむしろ強調しています。WNBAは今まさに花開いており、ここ数年で選手たちが稼いだ金額やリーグの注目度は目を見張るものがあると述べ、主要ブランドの顔となっている選手が4人から5人はいると具体的に言及しました。自身の関心は政治的な議論ではなくリーグを前進させることにあると強調した形です。

この発言の背景には、今夏から続くカンターの一連の行動があります。カンターは女子スポーツにおけるトランスジェンダー選手の参加を巡り、WNBAの試合会場で抗議活動を展開してきました。8月にはシカゴ・スカイの本拠地ウィントラスト・アリーナで選手のナターシャ・クラウドと衝突し、無期限の入場禁止処分を受けたばかりです。デュラントの「雑音」発言は、こうした一連の騒動を念頭に置いたものと見られています。

サンダー時代を知る仲だからこその応酬

カンターはデュラントの発言後、数時間のうちにX(旧Twitter)で反撃に出ました。「ケビン・デュラント、女性を守ることがいつから政治になったんだ」と問いかけ、「恥を知れ」と痛烈に非難。これは政治の話ではなく、常識とモラル、正しいことのために立ち上がる話だという趣旨の主張を重ねています。

さらにカンターは、2人が共有する過去を持ち出しました。デュラントは2016年、オクラホマシティ・サンダーでカンターとともに西カンファレンス決勝を戦い、ゴールデンステート・ウォリアーズに3勝1敗からの逆転負けを喫した直後、当のウォリアーズへ移籍した経緯があります。カンターはこれに触れ、「指輪を追いかけてオクラホマに背を向けた男に何を期待できるんだ」と皮肉り、バスケットボールがあなたを定義するわけではなく、いつか試合が終わり歓声が消えたあとに残るのは自分が選んだ生き方だけだ、と締めくくりました。10年近く前に同じロッカールームで戦った2人の間に、これほど鋭い言葉が交わされる日が来るとは、当時誰が想像したでしょうか。

「雑音」は消えるのか、独自の見立て

WNBAは現在プレーオフの真っ只中にあり、注目はコートの上に戻りつつあります。この局面でデュラントがリーグを前進させることに集中したいと明言したことは、選手たちにとって心強い援護射撃になったはずです。興味深いのは、同じ時期にステフィン・カリーもWNBAを巡る議論はバスケットボールに集中させるべきだという趣旨の発言をしていること。現役トップ選手たちが示し合わせたわけではないにせよ、カンターの主張と距離を置く空気がNBA側で広がりつつあるようにも映ります。

一方でカンターはこれまでも、批判を浴びるほど発信を強めてきた人物です。プレーオフが佳境を迎えるこれからも、注目カードのたびに同様の応酬が起きる可能性は十分残っています。コート上の物語と、コート外の論争がどこまで並走するのか、今後の展開からも目が離せません。

観戦情報

プレーオフ1回戦では、首位シードのミネソタ・リンクスと、2024年ファイナルで対戦したニューヨーク・リバティが早くも再戦を迎えています。コート上の攻防にも注目しながら、リーグを取り巻く動きを追っていきたいところです。

引用:https://sports.yahoo.com/articles/shame-enes-kanter-hits-kevin-122000237.html

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