アリッサ・トーマス

【喉への一撃】マーキュリーのトーマスにWNBAが13年で初の出場停止、クラークへの“拳”は審判が見逃していた

 

WNBAが、フェニックス・マーキュリーのアリッサ・トーマスに1試合の出場停止処分を科しました。インディアナ・フィーバーのケイトリン・クラークの喉付近に拳で接触した行為が問題視されたもので、リーグはこれをフラグラントファウル2(一発退場に相当)と認定しています。13年に及ぶキャリアで一度も出場停止を受けてこなかったトーマスにとって、これは初めての重い処分です。試合中には笛が鳴らなかったプレーが、後日になってこれほど大きな波紋を広げる――その事実そのものが、いまのWNBAが抱える緊張感を映し出しているように感じます。

笛が鳴らなかった一撃、その代償は「フラグラント2」

問題のプレーが起きたのは、6月24日に行われたフィーバー対マーキュリー戦の第2クォーター残り6分52秒の場面でした。ルーズボールを奪い合う混戦の中で、トーマスの拳がクラークの喉のあたりに入りました。しかしコート上では笛は鳴らず、フィーバーのステファニー・ホワイトHCによれば、審判団は「その行為を見ていなかった」と説明したといいます。リーグは試合後の映像検証を経て、トーマスの行為を「クラークの喉付近に拳で不用意に接触した」と判断し、フラグラントファウル2と1試合の出場停止を決定しました。試合そのものはマーキュリーが111-109で競り勝っています。クラークはこの一件のあと第3クォーターに途中退場し、20分の出場で19得点8アシストを記録していただけに、フィーバーにとっては痛い離脱となりました。

13年で初の処分、積み重なっていた“火種”

トーマスはリーグでも屈指のフィジカルなプレーで知られる存在ですが、出場停止はこの13年間のキャリアで初めてのことです。それだけに、今回の処分の重さがうかがえます。背景には、両チームの間で高まっていた緊張がありました。今回の試合の前、月曜に行われた対戦ではフィーバーが勝利したものの、トーマスやクラーク、デワナ・ボナーら5人がテクニカルファウルを取られ、マイーシャ・ハインズ・アレンが退場になるなど、すでに荒れた展開になっていたのです。さらにクラークは昨季、下半身の故障で13試合の出場にとどまり、今季も背中の問題を抱え続けています。5月20日のポートランド戦を背中の張りで欠場した経緯もあり、彼女を取り巻く過度な接触への警戒は、ファンの間でも以前から高まっていました。

土曜の欠場が示すもの、リーグが引いた一本の線

トーマスは6月27日(土曜)、マーキュリーがトロント・テンポと対戦する一戦で出場停止処分を消化します。リーグ屈指のオールラウンダーを、たとえ1試合とはいえ欠くことは、マーキュリーにとって決して小さくありません。一方で、今回の決定にはより大きな意味があると私は考えます。コート上で見逃された行為に対し、リーグが映像検証で「ノンバスケットボールアクト(プレーとは無関係の行為)」と明確に線を引いたからです。注目度が飛躍的に高まったWNBAでは、スターへの過剰な接触をどこまで許容するのかが繰り返し議論されてきました。今回の処分は、その問いに対するリーグなりの回答だと受け止めています。同時に、第4クォーターにフィーバーが11個のファウルを取られた一方でマーキュリーは2個だったという数字を見れば、判定の一貫性をめぐる議論はまだ続きそうです。

今後の試合・観戦情報

マーキュリーは6月27日にトロント・テンポと対戦し、この試合をトーマス抜きで戦うことになります。クラークの状態次第ではフィーバーの今後の戦いにも影響が及びそうで、両チームの再戦も含めて目が離せない展開が続きます。最新情報はESPNの報道などで確認できます。

引用:https://www.espn.com/wnba/story/_/id/49178397/mercury-thomas-suspended-1-game-shot-clark-throat

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