ソフィー・カニンガム

「相手に点を取られすぎている」失点89.8はリーグ4番目に悪い──攻撃が絶好調のフィーバーで、カニンガムだけが後半戦のテーマに守備を挙げた理由

 

フィーバーの攻撃はもはやリーグの常識を書き換えつつあります。ところが、そのチームの内側から「このままでは勝ち切れない」という声を上げたのがカニンガムでした。攻撃が絶好調のこのタイミングで、あえて守備の話を持ち出す。この違和感こそが、フィーバーの後半戦を占ううえで一番の見どころだと感じます。

4連勝、そして100点ゲームはリーグ記録の12回目

火曜のストーム戦は105-95。クラークとケルシー・ミッチェルが合わせて60点を叩き出し、フィーバーはこれで4連勝、シーズン成績を18勝10敗まで押し上げました。さらにこの試合で今季12回目の100点超えを達成し、これは1シーズンあたりのリーグ記録です。直近4試合はすべて100点以上。得点力という一点だけを取れば、間違いなくリーグ最強クラスです。

ところが同じ試合で、フィーバーはストームに95点を許しています。順位表で下位に沈むチーム相手にこの失点は決して軽くありません。カニンガムは水曜に放送された「WNBA on USA」のプレゲーム番組で、「相手にあまりに多くの点を取られすぎています」と率直に語りました。攻撃について聞かれた流れで、自ら守備の話へ舵を切った形です。

失点89.8はリーグ4番目に悪い数字、守備効率は108.1

カニンガムの指摘は感覚論ではありません。フィーバーの平均失点89.8はリーグでワースト4位、守備効率(100ポゼッションあたりの失点)は108.1で、上位の守備チームとは明確な差があります。特にリム周りの守りは今季ずっと課題として指摘されてきました。相手にゴール下まで運ばれ、そのぶんを持ち前の得点力で押し返す——これが今季のフィーバーの勝ちパターンになっています。

興味深いのは、カニンガムが守備を持ち出したのが今回が初めてではないという点です。彼女はシーズン中も繰り返しチームの守備意識に言及してきました。得点で解決できているうちは誰も強くは言いませんが、ベテランがあえて公の場で口にすることで、チーム内の基準を上げにいっている。数字を見れば、その役回りは正しいと言えます。

もう一つ見落とせないのが、フィーバーの試合がここまで一貫して「点の取り合い」になっている点です。100点を4試合連続で取っているという事実は華やかですが、その裏では相手にも高い得点を許しており、試合の主導権を守備で握れた試合が少ないことを意味します。攻撃が少し止まった瞬間に一気に競り合いへ引き戻される——この脆さが、シーズン28試合を戦った時点でのフィーバーの正体だと言えます。

プレーオフで100点は続かない、という現実

ここが独自に強調したい部分です。プレーオフになると各チームの守備強度は跳ね上がり、ローテーションも短くなります。レギュラーシーズンで平均100点を出せるチームでも、上位相手の短期決戦で同じペースを維持するのは現実的ではありません。つまりフィーバーの現在の勝ち方は、そのままではポストシーズンで通用しにくい構造になっています。

逆に言えば、残り16試合は守備を作り直すための猶予期間です。8月2日のトレード期限を控え、フィーバーが守備系の補強に動くのかどうかも注目点になります。仮に補強がなくても、リーグ記録級の攻撃に平均的な守備が加わるだけで、フィーバーは一気に「完成形」に近づきます。カニンガムの発言は、そのハードルがどこにあるかをチーム自身が理解している証拠でもあります。

また、守備の改善は必ずしも大型補強を必要としません。トランジションで戻るスピード、ヘルプの判断、ファウルを避けながら体を当てる強度といった、意識と習慣に近い部分の積み上げでも失点は数点単位で下がります。カニンガムがベンチや試合中のハドルで繰り返し声を出しているのは、まさにその領域です。ロールプレーヤーとしてシュートを決めることに加えて、守備の基準を引き上げる役を自ら引き受けている点は、フィーバーにとって数字以上の価値があります。

次戦は敵地でファイアー戦

フィーバーの次戦は金曜、敵地でのポートランド・ファイアー戦です。ファイアーは直近3連敗、過去5試合で4敗と苦しんでおり、守備の立て直しを試すには格好の相手と言えます。ここで失点を80点台前半まで抑えられるかどうかが、カニンガムの言葉が本気だったかを測る最初のリトマス試験紙になりそうです。放送予定や順位表はWNBA公式サイトで確認できます。

引用:https://sports.yahoo.com/articles/ve-struggling-season-sophie-cunningham-112036095.html

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