連覇を狙うラスベガス・エーシズに、プレーオフ直前で最も避けたい知らせが届きました。球団は8月27日、フォワードのナリッサ・スミスが左脚の負傷で今季の残り全日程を欠場すると発表しています。日曜のトロント・テンポ戦で相手との接触がないまま倒れ込んだあの場面が、そのまま今季最後のプレーになってしまいました。ディフェンディングチャンピオンの先発5人のうち1枚が、最も勝負どころで抜け落ちたことになります。
全試合先発、FG成功率63.8%という異常値が消えました
スミスが負傷したのは、88対78で勝利した日曜のテンポ戦、第3クォーター残り3分15秒の場面でした。ノーコンタクトで左脚を押さえて崩れ落ち、自力では歩けない状態でコートを去っています。負傷直後は左ひざの状態が懸念されると伝えられていましたが、球団は最終的に左脚の負傷として今季絶望を公表しました。
数字を見ると、この離脱の重さがよく分かります。26歳のスミスは今季ここまで38試合に出場し、そのすべてで先発しています。1試合平均24.3分で11.7得点6.4リバウンドを記録し、フィールドゴール成功率.638はリーグ全体のトップでした。得点ランキングの上位にいるわけではありませんが、1本のシュートに対する効率という一点において、彼女は今季のWNBAで最も外さない選手だったのです。
エーシズは26勝13敗でウェスタン・カンファレンス3位、リーグ全体でも3番目の勝率につけています。首位ミネソタ・リンクスの31勝8敗、2位ゴールデンステート・バルキリーズの27勝11敗を追う位置で、上位シードを争う最終盤にこのニュースが飛び込んできました。
2度の移籍の果てにたどり着いたベガスでした
スミスのキャリアは、決して平坦ではありませんでした。ベイラー大学から2022年ドラフト全体2位でインディアナ・フィーバーに指名され、3シーズンを過ごした後、2025年シーズン前の4球団14選手が絡む大型トレードでダラス・ウィングスへ移っています。そしてエーシズが2027年の1巡目指名権を対価に彼女を獲得したのが、昨年6月のことでした。今季はエーシズでの2年目、WNBA5年目のシーズンです。
1巡目指名権という決して安くない代価を払ってまで補強したのは、エイジャ・ウィルソンの隣に置けるインサイドの働き手が必要だったからにほかなりません。実際、スミスがゴール下で効率よく仕事をこなしたからこそ、ウィルソンは外に開いたり、より難しいマッチアップに集中したりする余地を得ていました。その分業が、レギュラーシーズン終盤にして突然成立しなくなったわけです。
ウィルソンのMVPレースにも影響しかねません
最も直接的な影響を受けるのはウィルソンでしょう。1試合平均26得点2ブロックという数字で自身5度目のMVP争いに加わっている絶対的エースに、これまで以上の守備負担とリバウンド争いが上乗せされます。プレーオフはレギュラーシーズン以上に一人あたりの出場時間が伸びる場所ですから、リーグ屈指のビッグマンといえども消耗は避けられません。
筆者が気になるのは、失われたのが「得点」ではなく「効率」だという点です。11.7得点という数字だけなら、控えの起用や他選手の役割拡大でどうにか埋められるかもしれません。しかし成功率.638というのは、24分の出場でチームの攻撃を一切渋滞させないという意味を持ちます。同じ本数のシュートを別の選手が打てば、確率は間違いなく落ちます。1試合を通じて数点分ずつ静かに削られる種類の損失で、しかもそれは短期決戦ほど効いてきます。
もう一つの論点は、先発の一枠をどう埋めるかです。全試合先発だったスミスの穴を既存の控え陣で回すのか、それとも思い切ったスモールラインナップに舵を切るのか。指揮官のベッキー・ハモンにとっては、残されたわずかな試合数で最適解を探さなければならない、かなり厳しい宿題になります。
直近の日程と見どころ
エーシズは金曜夜、ホームにトロント・テンポを迎えます。奇しくもスミスが負傷したのと同じ相手で、彼女を欠いた新しい並びが初めて公式戦で試される一戦です。レギュラーシーズンも残りわずかとなり、上位シードの確保とポストシーズンに向けたローテーション固めを同時に進めなければならない、難易度の高い数週間が始まります。
連覇を狙うチームが、リーグ最高の効率を誇った先発フォワードを失った状態でプレーオフに突入する。この事実がどこまで結果に響くのか、10月の答え合わせまで目を離せません。
引用:https://www.tsn.ca/wnba/article/aces-smith-leg-to-miss-rest-of-season/

WNBA FAN BLOG運営者/バスケットボールジャーナリスト
WNBA・NBAをこよなく愛し、バスケットボール歴30年以上。特にWNBAの魅力を日本に広げるため、2025年5月に WNBA FAN BLOG をスタートしました。試合結果や選手情報だけでなく、独自の視点による戦術分析や選手インタビュー、海外ニュースの速報翻訳まで幅広くカバーしています。
現在、日本国内では数少ないWNBA専門メディアとして、最新ニュースをどこよりも速く正確にお届けすることをミッションにしています。
得意分野
試合分析・戦術解説
選手のデータ分析(EFF、PER など)
海外ニュース速報翻訳(英語 → 日本語)
サイト目標
日本最大の WNBA 情報ポータルサイト構築
日本のバスケットボールファンコミュニティ作り
関連 SNS アカウント
X(Twitter):@WNBAJAPAN
フォローしてWNBA の最新情報をキャッチしてください!





