アウェーの地で123得点というスコアは、日本代表の歴史を振り返ってもそう頻繁に出てくる数字ではありません。8月31日に行われたFIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window4の第2戦で、日本はカタールを123対70で下しました。53点差という結果もさることながら、筆者が最初に目を奪われたのは八村塁のシュート内容です。3ポイント8本中6本成功を含む30得点。効率と支配力が同時に成立した夜でした。
4クォーターすべてに刻まれた数字
立ち上がりから完全に日本のペースでした。第1クォーターだけで29得点を挙げ、カタールを11得点に抑えて18点のリードを奪います。八村と富永啓生の長距離砲が立て続けに決まり、馬場雄大と八村のダンクも飛び出しました。第2クォーターは24対23とほぼ互角でしたが、前半終了時点で53対34。この時点で八村は3ポイント5本をすべて沈め、フィールドゴール成功率77.8パーセント(9本中7本)でチーム最多の19得点を記録していました。
勝負が決したのは第3クォーターです。日本はこの10分間で40得点を奪い、カタールを11得点に封じました。カタールは司令塔がファウルアウトし、抗議を続けたベンチにもテクニカルファウルが宣告され、ハカン・デミルヘッドコーチが退場処分となる混乱に陥っています。日本は第4クォーター開始2分で100得点に到達し、そのまま123対70で試合を締めくくりました。
個人成績を並べると、層の厚さが見えてきます。八村が30得点、6リバウンド、4アシスト、3スティール、4ブロック。富永が23得点、ホーキンソンが16得点8リバウンド、渡邊雄太が12得点、西田優大が11得点、河村勇輝が5得点9アシストでした。チーム全体の3ポイント成功率は52.6パーセント(38本中20本)。そして出場した選手全員が得点しています。
サウジアラビア戦の29得点からつながる線
この30得点は、突発的な爆発ではありません。3日前の8月28日、ジェッダで行われたサウジアラビア戦でも八村は29得点を挙げ、Window4を白星でスタートさせています。2試合で59得点。2年ぶりの代表復帰戦となった8月の韓国戦が22得点でしたから、試合を重ねるごとに得点が積み上がっている計算になります。
もうひとつ見逃せないのが、周囲の顔ぶれが変わったことです。カタール戦のロスターは富樫勇樹が外れ、渡邊雄太が復帰する形で12人が組まれました。八村、河村勇輝、渡邊雄太。NBAの舞台を経験した3人が同じユニフォームで並んだことは、日本代表にとって新しい景色です。桶谷ジャパンが「最強の布陣」と呼ばれてきた理由が、ようやくスコアシートの上で証明された格好になります。
全員得点という数字が持つ、点差以上の意味
53点差そのものより重いのは、出場選手全員が得点したという事実だと筆者は考えます。八村が30得点を取った試合で、富永が23得点、ホーキンソンが16得点を積み上げている。これはエースにボールが集まりすぎていないことの裏返しでもあります。3ポイント成功率52.6パーセントという数字も、フリーの状態で打てた本数がそれだけ多かったことを示唆しています。
アジア地区予選は、勝敗が並んだ場合に得失点差が順位を左右します。カタールは日本戦前の時点で得失点差プラス8でしたが、この一戦でマイナス45まで転落しました。裏を返せば、日本は53点差を積み上げたことで、順位表の上に明確な資産を得たことになります。実際、9月1日の時点で日本はグループFで得失点差により首位に浮上しました。同じグループでは中国がレバノンとの接戦を制して5勝目を挙げており、上位争いは依然として拮抗しています。
次のウィンドウに向けて
Window4を2連勝で終えた日本代表にとって、次の焦点はこの布陣をどこまで維持できるかです。八村と河村はNBAのシーズンが始まれば代表活動への参加が難しくなります。逆に言えば、3人が揃う機会は限られている。だからこそ、この2試合で積み上げた得失点差の貯金は、後半の予選日程に効いてくる可能性があります。
次戦の日程や放送・配信の情報は、日本バスケットボール協会の公式サイトやバスケットボールキングの試合情報ページで随時更新されています。カタール戦のハイライト映像も公開されていますので、八村の3ポイント6本がどのような形で生まれたのかをぜひ確認してみてください。
引用:https://basketballking.jp/news/japan/20260831/630154.html

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