36歳と19歳が並ぶベルリン、髙田真希が日本代表で迎える5度目W杯の覚悟

 

9月4日、ドイツ・ベルリンでFIBA女子バスケットボールワールドカップ2026が開幕します。日本代表の初戦は日本時間18時30分ティップオフ予定のマリ戦です。12名の登録メンバーが並ぶリストの一番の年長者は、185センチのセンター、36歳の髙田真希でした。過去4大会のワールドカップすべてに出場しているのは、今のメンバーでは髙田だけです。ベルリンは5度目の舞台になります。今大会で最も気になるのは、この人が何点取るかではなく、19歳から36歳まで17歳ぶんの幅があるチームを、どんな立ち位置でまとめるのかという点です。

平均年齢27.8歳、グループAという最初の関門

まずは今大会の枠組みを整理します。16チームが4グループに分かれ、9月4日から13日まで、ベルリンアリーナとマックス・シュメリング・ハレの2会場で戦います。各グループ1位が準々決勝へ直行し、2位と3位は隣のグループの相手と準々決勝進出決定戦を戦う方式です。優勝チームには2028年ロサンゼルスオリンピックの出場権が1枠与えられますが、開催国枠を持つアメリカが優勝した場合、その枠は世界最終予選に繰り越されます。

日本が入ったグループAの顔ぶれは、2026年4月1日時点のFIBAランキングでスペインが6位、日本が10位、ドイツが11位、マリが18位です。数字だけを見れば日本はグループ2番手ですが、ドイツは開催国であり、地元の観客をそのまま戦力にできます。日本が掲げる目標はベスト8進出で、そこへ届くにはまず初戦のマリ戦を落とせません。

チームは平均身長177.6センチ、平均年齢27.8歳(8月20日時点)という編成です。193センチの渡嘉敷来夢と185センチの髙田真希という2枚のセンターがいる一方、162センチの町田瑠唯、163センチの山本麻衣という小さな司令塔が同居しています。20歳の田中こころ、19歳の後藤音羽といった若い名前も入り、コーリー・ゲインズヘッドコーチはこの振れ幅の大きいロスターをどう組み合わせるかを問われます。ラスベガス・エーシズでプレーする山本は、シーズンの合間を縫って現地ベルリンでチームに合流します。

「記念の大会」にしないという、3月に置かれた言葉

髙田がいまの立場でこの大会を迎えている背景には、今年3月の出来事があります。ワールドカップ出場権は以前のようにアジアカップの成績で決まるものではなくなり、大陸をまたぐ世界予選を勝ち抜く方式に変わりました。3月にトルコ・イスタンブールで行われた予選トーナメントで、日本は初戦から3連敗という苦しい入り方をしています。4戦目のカナダ、5戦目のアルゼンチンに勝って2勝3敗としましたが、最終戦を終えた時点でも自力での出場は決まらず、別カードの結果を待って初めて出場が確定しました。

帰国後の会見で髙田は、そのときの実感をはっきり言葉にしています。「このままではワールドカップは出ただけの記念の大会になってしまう」というひと言です(バスケットボールキング)。同じ会見で、3大会連続で五輪を経験してきたキャプテンの宮澤夕貴も、日本が武器にしてきた速いバスケットをいまや世界のどのチームもやっている、という趣旨の危機感を語っていました。東京オリンピックの銀メダルは、世界にとって日本の攻略対象になったということでもあります。

出場権を得た直後の会見で、選手自身が「出場できた」ではなく「出ただけでは意味がない」と言ったのは、なかなかない光景でした。この半年、日本代表の準備はその言葉を回収するためのものだったと言い換えられます。

ベテランの価値が、得点以外のところに出る大会になる

ここからは筆者の見立てです。36歳の髙田に期待されているのは、おそらく平均得点の上積みではありません。日本がグループAで勝ち上がるための現実的な条件は、スペインとドイツを相手に自分たちのペースを保つ時間をどれだけ長くできるか、というところにあります。高さで劣る場面が続けば、リバウンドの一本、ルーズボールの一本、審判の笛が続いた後の一分間の落ち着き、そうした細部が試合の流れを決めます。過去のワールドカップで、ベンチから何もできない立場も、チームの中心として戦う立場も両方経験してきた選手が、その一分間を管理できるかどうか。数字に残りにくい部分ほど、経験の差が出ます。

もうひとつは若手への影響です。19歳の後藤音羽や20歳の田中こころにとって、初のワールドカップは4年後、8年後の代表を左右する原体験になります。髙田自身が最初のワールドカップでベンチから世界のレベルに衝撃を受けたと語っている以上、いまの彼女が若手に見せる立ち居振る舞いは、そのまま次の世代への申し送りになります。ベスト8という目標の先に、2028年のロサンゼルスがあることを考えれば、この大会は結果と育成の両方を同時に取りにいく必要のある10日間です。

初戦マリ戦の観戦情報

日本代表の予選グループフェーズは、9月4日にマリ戦(会場はベルリンアリーナ、日本時間18時30分ティップオフ予定)、9月5日25時ティップオフ予定のドイツ戦、9月7日24時50分ティップオフ予定のスペイン戦と続きます。会場は第2戦以降がマックス・シュメリング・ハレです。日本戦は全試合がフジテレビ(地上波・CS)、FOD、DAZNで放送・配信され、マリ戦はFODが18時20分から生配信、地上波のフジテレビは24時45分からの放送予定です。初戦の入りがそのままグループの行方を左右しますので、まずは第1クォーターの日本のディフェンスに注目したいところです。

※FIBA女子バスケW杯2026

引用:https://basketballking.jp/news/japan/20260320/602502.html

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です