NBAで17シーズンを戦い抜いたタジ・ギブソンが、現地9月14日に自身のSNSで現役引退を表明しました。同時に、古巣シカゴ・ブルズのアシスタントコーチ就任も明らかになっています。41歳での決断ですが、筆者が最初に受けた印象は「終わり」ではなく「接続」でした。選手としてコートを去った直後に、コーチとしてベンチに立つ準備が整っている。この移行の速さこそ、ギブソンが17年かけて積み上げてきた信頼の証だと感じます。
1012試合が語る、派手さのない17年
ギブソンの通算成績は1012試合出場、うち462試合が先発です。平均出場22.9分で8.3得点5.7リバウンド1.0ブロック、フィールドゴール成功率51.7パーセント、フリースロー成功率71.3パーセント。オールスター選出はなく、シーズン平均で二桁得点に届いた年も限られています。それでも1012という試合数は、毎年のように「今年で最後かもしれない」と言われながら、17回もロースターに名前を残し続けたことを意味します。
昨季は最終的にメンフィスで10試合に出場し、40代でNBAの試合に出場した史上35人目の選手となりました。その後ニューオーリンズへトレードされ、ウェイブされています。数字だけを並べれば「ベンチの控えビッグマン」ですが、平均22.9分という出場時間で17年間食いつないだ事実は、ローテーションの端で生き残る難しさを知る人ほど重く受け止めるはずです。
ブルックリンからシカゴへ、そして七つの街を経て
ギブソンは2009年のドラフトでブルズから全体26位指名を受けました。USCで3年間プレーした後の入団で、当時としては遅咲きの部類に入ります。そこからキャリア最初の7年半をシカゴで過ごし、デリック・ローズやジョアキム・ノアと同じ時代のブルズを内側から支えました。
2017年2月にオクラホマシティへトレードされると、同年オフにミネソタ、2019年にニューヨークへ移ります。その後はワシントン、デトロイト、シャーロット、メンフィスと渡り歩きました。引退を伝えた文章でも、ブルックリンのフォートグリーン団地からUSC、そしてシカゴ・ブルズへという道のりを自ら辿っており、シカゴが特別な場所であることが伝わってきます。本人は「17シーズンを終えて、この競技に持てるすべてを捧げたと胸を張って言えます」と綴りました。
スプリッター体制で、ギブソンは何を担うのか
就任先はティアゴ・スプリッターが率いる新しいブルズのコーチングスタッフです。ウェス・アンセルドJr.、ブレイク・アハーン、ジャメル・マクミラン、レックス・カラミアン、ジョナ・ハーシュ、ジョーダン・ブリンクといった顔ぶれが並びます。
ここからは筆者の見立てです。ギブソンの役割は戦術の細部よりも、ベンチ末端にいる選手の扱い方にあるはずです。彼自身がキャリア終盤の数年を出場機会の読めない立場で過ごしており、出番を待つ側の心理を誰よりも理解しています。若い選手が多いブルズにとって、練習とベンチの間にいる選手をどう腐らせないかは勝率に直結するテーマです。スプリッターも現役時代は派手さのないビッグマンでしたから、価値観の相性は悪くないと見ています。
一方で、コーチ1年目からわかりやすい成果を求めるのは酷でしょう。ギブソンの評価は、3年後にブルズのロースター末端から誰が伸びたかで測られるべきだと思います。
スーツ姿の初対面は、プレシーズンの中継で
2026-27シーズンの開幕は10月下旬です。メディアデーとトレーニングキャンプはその前に始まりますから、背番号ではなくスーツ姿のギブソンを初めて見る機会は、プレシーズンの中継になりそうです。17年分のユニフォームを脱いだ男が、同じシカゴのベンチでどんな表情を見せるのか。開幕前の数週間は、ブルズを追ってきたファンにとって静かな見どころになりそうです。
引用:https://www.hoopsrumors.com/2026/09/taj-gibson-retires-as-player-joins-bulls-as-assistant-coach.html

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