ケビン・デュラントのロケッツトレードで激震が走ったフェニックス・サンズですが、実は次なる大問題が待ち受けています。それは、巨額契約を抱えるブラドリー・ビールの処遇です。地元ラジオのホストは「ビールをトレードするか、バイアウト(契約解除)する」と予想していますが、果たしてどうなるのでしょうか?
ビールを巡る複雑な状況
ノートレード条項という壁
ビールの契約には「ノートレード条項」が付いており、彼が承諾しない限りトレードは不可能です。もしトレードもバイアウトも実現しなければ、サンズは彼がコート上で価値を回復してくれることを祈るしかありません。
興味深いことに、新しいヘッドコーチ候補者たちは面接で「ビールが残った場合、どう活用するか?」という質問を受けていたとのことです。これだけでも、球団がビールの去就に頭を悩ませていることが分かります。
バイアウトの現実的な数字
キャップエキスパートのヨッシ・ゴズラン氏は、過去のケンバ・ウォーカーやブレイク・グリフィンのバイアウト例を参考に、ビールが契約の25%を放棄する可能性を示唆しています。
もしビールが25%の減額に応じれば、残り2年間のサンズの負担額は4025万ドルと4285万ドルになります。それでもかなりの重荷ですが、現在の契約額から考えればマシな水準です。
意外にも残留予定のジェイレン・グリーン
サンズはグリーンを手放さない方針
デュラントトレードで獲得したジェイレン・グリーンについて、地元記者は「サンズは彼を放出する予定はない」と報じています。ビールとグリーンという似たようなタイプのコンボガードを2人も抱えることになりますが、サンズはグリーンをデビン・ブッカーとともにバックコートで起用し、相性を確かめる方針のようです。
グリーンは過去2シーズンで全試合に出場するなど耐久性を示しており、今シーズンは平均21.0得点、3.4アシストを記録しています。
デュラント争奪戦の意外な参戦チーム
ダークホース候補が続々と
ESPNのシャムズ・シャラニア記者によると、デュラント獲得競争では予想外のチームも参戦していました。主な候補はヒート、ロケッツ、ティンバーウルブズでしたが、ラプターズ、キャバリアーズ、ナゲッツ、クリッパーズなどもワイルドカード候補として浮上していたとのことです。
特にキャバリアーズは興味深いケースでした。彼らは2025-26シーズンでセカンドエプロンを下回るために十分な年俸を放出する必要があり、そうしなければサラリー合算ができない状況でした。サンズも同じくセカンドエプロン対象チームのため、直接取引には第3のチームが必要だったでしょう。
ドラフトへの準備
テネシー大学のシューター獲得へ
サンズは金曜日にテネシー大学のチャズ・レイニアーのワークアウトを実施しました。レイニアーは今シーズン、チームの単年3ポイント成功記録を123本で更新した優秀なシューターです。ESPNの有望株ランキングでは38位に位置しています。
サンズは現在、10位、29位、52位、59位の指名権を保有しており(10位と59位はロケッツから取得)、若手の補強も視野に入れています。
ロッカールーム騒動は否定
デマーカス・カズンズの発言に反論
元NBA選手のデマーカス・カズンズが番組で「サンズのロッカールームで殴り合いがあった」と主張しましたが、デュラントはソーシャルメディアで即座に反論しました。
「彼の情報源は嘘をついている。ロッカールームでの殴り合いなど一度もなかった」とデュラントは強く否定しています。
ビールへの賛否両論
ファンからは厳しい声も
記事のコメント欄では、ビールに対する意見が大きく分かれています。
批判的な意見
- 「ビールは給料カットなんて絶対受け入れない。勝利なんてどうでもいいと前から明言してる」
- 「なぜキャリア終盤で25%もカットしなきゃいけないのか」
擁護する意見
- 「ビールは過小評価されすぎ。確かに契約は酷いが、パフォーマンスは悪くない」
- 「31歳でフィールドゴール50%近く、3ポイント39%近く、フリースロー80%の成績は立派」
- 「正しい状況に置かれれば活躍できる選手」
今後の展望
サンズは今、チーム再建の重要な岐路に立っています。デュラント放出で若返りを図る一方で、ビールの巨額契約という重荷を背負い続けるのか、それとも痛みを伴ってでも一刻も早く身軽になるのか。
ビール本人の意思が全てを左右する状況ですが、31歳という年齢を考えると、彼にとっても最後のチャンスを掴むために新天地を求める選択肢は十分アリでしょう。
この夏のサンズの動向は、今後数年間のチーム運営を大きく左右することになりそうです。デュラント放出に続く第2の衝撃が待っているかもしれません。

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