9月4日にドイツ・ベルリンで開幕するFIBA女子バスケットボールワールドカップに臨むアメリカ代表12人が、現地時間8月6日の木曜朝に発表されました。読み上げたのはスー・バードです。代表チームのマネージングディレクターとして、自らの手で編成した最初のロースターになります。並んだ名前を見て最初に感じたのは、パリ五輪からわずか2年で世界最強のチームがここまで入れ替わるのか、という驚きでした。
オールスター通算58回、選ばれた12人の顔ぶれ
選出されたのは以下の12人です。
- アリーヤ・ボストン
- ペイジ・ベッカーズ
- ケイトリン・クラーク
- ナフィーサ・コリアー
- カリア・コッパー
- チェルシー・グレイ
- ライン・ハワード
- ケルシー・プラム
- エンジェル・リース
- ブリアナ・ステュワート
- エイジャ・ウィルソン
- ジャッキー・ヤング
USA TODAYによれば、この12人のWNBAオールスター選出回数は合計58回に達します。中心にいるのは4度のMVPに輝いたエイジャ・ウィルソンで、指揮を執るのはカーラ・ローソンです。アメリカは今大会でワールドカップ5連覇がかかっています。
一方で、クラーク、ベッカーズ、ボストン、リースにとっては、ワールドカップが初めての舞台になります。ライン・ハワードも同じく初出場で、今季のWNBAでは出場時間とスティールの2部門でリーグトップに立っている選手です。ロースター最年長はチェルシー・グレイの33歳。オリンピック公式サイトによると、ブリアナ・ステュワートは4度目のワールドカップ出場となり、4大会に出場した選手はスー・バードとダイアナ・トーラジに続く史上3人目です。逆に、パリ五輪で金メダルを獲得したジュエル・ロイド、アリッサ・トーマス、ブリトニー・グライナーの3人はいずれも32歳を超えており、今回は名前がありませんでした。
アイオネスクとマイルズ、2つの落選が示したもの
最も議論を呼んだのは、サブリナ・アイオネスクとオリビア・マイルズの落選です。
アイオネスクは2022年ワールドカップとパリ五輪をどちらも制したメンバーで、今季も平均16.2得点4.7アシスト4.1リバウンド、フリースロー成功率91.3%と数字自体は悪くありません。ただ、今季はオールスターに選ばれず、故障で12試合を欠場しました。バードは落選を本人に電話で直接伝えたうえで、「彼女たちのプレーを反映したものだとは考えていません」と説明しています。
マイルズの落選はさらに衝撃的でした。ドラフト全体2位で入団した1年目に平均19.7得点5.8アシスト4.8リバウンド、フィールドゴール成功率50.2%を記録し、新人王の最有力候補どころかリーグMVP候補にまで名前が挙がる存在です。それでも外れた理由は明快で、昨年からローソン体制で続いてきた代表ミニキャンプに一度も参加していなかったからだと、NBCスポーツは指摘しています。クラークが2024年のパリ五輪メンバーから漏れたときと、まったく同じ構図です。
ワシントン・ミスティックスからは、平均17.1得点のソニア・シトロン、リバウンド上位につけるキキ・イリアフェンとシャキーラ・オースティンが揃って落選し、7位まで順位を上げたチームから代表を1人も送り込めませんでした。
2028年ロサンゼルスから逆算された12人
このロースターを「今このシーズンの最強12人」と読むと違和感が残りますが、「2028年に向けた土台」と読むと一気に筋が通ります。過去の傾向として、ワールドカップのロースターの半数以上が2年後のオリンピックチームに残るとされており、今回選ばれた顔ぶれはそのままロサンゼルス五輪の中核候補になります。
バード自身は記者団とのオンライン取材で、ロサンゼルスについて具体的には考えていないと語っています。ただ、ミニキャンプへの参加という基準がこれだけ明確に機能した以上、落選した選手たちが次に何をすべきかも同時に示されたことになります。シーズン中の平均得点をいくら積み上げても、代表の準備の場に顔を出さなければ選ばれない。アイオネスクにもマイルズにも、2028年までの2年間で挽回するルートは残されていますが、その入口は7月や8月ではなく、オフシーズンのキャンプにあるということです。
大会は9月4日開幕、WNBAは8月31日から中断
ワールドカップはベルリンで9月4日から13日まで開催され、今回から出場枠が16チームに拡大されました。アメリカはグループDに入り、チェコ、イタリア、中国と同組です。グループステージは9月4日から7日にかけて行われます。日本はグループAでドイツ、スペイン、マリと戦うため、日本のファンにとっても朝から気の抜けない10日間になりそうです。
なお、WNBAは代表活動に多くの選手が参加できるよう、8月31日から数週間のリーグ中断に入ります。プレーオフ争いが最も熱くなる時期にリーグそのものが止まるという珍しい光景も、この夏のもう一つの見どころです。

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