現地時間8月8日、エイジャ・ウィルソンが30歳の誕生日を迎えます。CBSスポーツはその前日にあたる7日、この節目に合わせて「エイジャ・ウィルソンはすでにWNBAの歴代最高選手かもしれない」という趣旨の特集を公開しました。20代を終える時点でMVP4度、優勝3度。この経歴を前にすると、GOAT論を「気が早い」と片づけるのは難しくなります。しかも本人は、その議論の真っ最中に誕生日を迎え、そのまま首位リンクスとの直接対決に向かいます。できすぎた巡り合わせです。
30歳になる前に積み上げた数字が、そもそも前例のない水準です
まず、CBSスポーツが整理した実績を並べてみます。MVP4度はWNBA史上最多。最優秀守備選手3度は歴代3位タイ。オールスター選出8度は歴代7位タイ。優勝3度、ファイナルMVP2度、オールWNBA選出6度(ファーストチーム5度、セカンドチーム1度)、得点王2度、ブロック王5度、そして2018年の新人王。これが29歳までの数字です。
通算の効率も異常です。キャリア平均21.9得点はWNBA史上1位、平均9.4リバウンドは4位、平均2.0ブロックは4位。通算ブロック591本はすでに歴代6位につけています。得点、リバウンド、ブロックのすべてで歴代トップ5に入っている現役選手は、そう簡単には見つかりません。
最も象徴的なのが「30歳になる前の通算得点」です。ウィルソンの6491得点はWNBA史上最多で、2位のローレン・ジャクソン5757得点を700点以上引き離しています。3位はダイアナ・タウラシの5444得点、4位はティナ・チャールズの5423得点。30歳到達前のオールスター8度、MVP4度、最優秀守備選手3度も、いずれも歴代1位か1位タイです。
今季の状態も落ちていません。集計サイトの数字では、8月上旬までの28試合で平均26.6得点9.6リバウンド3.2アシスト、フィールドゴール成功率53.7%、3ポイント成功率44.6%、フリースロー成功率84.9%。特に7月は、月間で平均25得点以上かつフィールドゴール50%以上、3ポイント45%以上、フリースロー90%以上をすべて満たした史上初の選手になりました。30歳を目前にして、キャリアで最も効率の良い1カ月を過ごしたことになります。
レジェンドと並べると、勝っている項目と足りない項目がはっきりします
比較対象は容赦がありません。MVPの回数ではリサ・レスリー、シェリル・スウープス、ローレン・ジャクソンの3度が最多でしたが、ウィルソンはすでに4度で単独トップです。最優秀守備選手はタミカ・キャチングスの5度、シルビア・フォウルズの4度に続く3度で、スウープスと並んでいます。MVPと最優秀守備選手の両方を複数回獲った選手はウィルソン(4度と3度)、スウープス(3度と3度)、レスリー(3度と2度)の3人だけです。
一方で足りていないのが優勝回数と通算得点です。優勝5度はレベッカ・ブランソンだけが到達した領域で、4度にはセイモン・オーガスタス、スー・バード、シンシア・クーパー、チェルシー・グレイ、マヤ・ムーア、スウープス、ティナ・トンプソンの7人が並びます。ウィルソンは今季優勝すれば4度目となり、この列に加わります。通算得点はタウラシの10646点が絶対的な壁で、ここはまだ半分をやや超えたあたりです。
なお、2023年のMVPはブレアナ・ステュワートに譲り、アリッサ・トーマスも有力候補でした。CBSスポーツによれば、ウィルソン本人はあの敗北を「死ぬほど悔しかった」と振り返っており、票の内訳をプリントしたTシャツまで作ったといいます。オールスターウィークエンドでは「人が間違っていたと証明するのが本当に好きなんです」と語っています。悔しさを記録に変換する回路が、この選手にはあります。
最大の武器は、実は「まだ30歳」という一点だと考えます
ここが論点の核心だと思います。クーパーもレスリーもキャチングスも、比較に使われている数字は「キャリアを終えた時点」のものです。対してウィルソンの6491得点、MVP4度、最優秀守備選手3度は、まだ途中経過にすぎません。
仮に今後も年間700点前後を積み上げるとすれば、タウラシの10646点に届くまでおよそ6年。36歳前後で通算得点1位という計算が成り立ちます。もちろん怪我も代表活動もありますから机上の話ですが、少なくとも「射程圏外」ではありません。優勝回数にしても、今季と来季で2つ増やせば、5度のブランソンに並ぶ現実味が出てきます。加えて同僚のチェルシー・グレイは、2016年のスパークスとエーシズでの3度で計4つを持ち、今季戴冠すれば史上初の5個目です。
つまりGOAT論は「もう決まっている」というより、「これから決まりにいく段階に入った」と見るのが正確ではないでしょうか。
誕生日当日はリンクス戦、日本時間9日午前2時です
エイジャ・ウィルソンの30歳の誕生日となる現地8日、エーシズはミネソタに乗り込んでリンクスと対戦します。ティップオフは現地13時(東部時間)、日本時間では9日午前2時。米国ではCBSで中継され、CBSとパラマウントプラスは今季レギュラーシーズンで過去最多の20試合を放送する予定です。
リンクスは25勝7敗でリーグ首位。10連勝がスパークス戦の89-82で止まった直後という、機嫌の良くない相手です。エーシズは22勝9敗で2位につけており、勝てば差を一気に詰められます。エーシズには山本麻衣も在籍しており、日本のファンにとっても見逃せない一戦です。
ちなみにウィルソンは誕生日に強い選手でもあります。2023年のダラス戦では18本中10本成功で28得点14リバウンド、ターンオーバー0。2025年のシアトル戦では24本中11本成功で29得点12リバウンドを記録しました。29歳の誕生日に29得点を挙げた選手が、30歳の誕生日に何点取るのか。しかも相手はリーグ首位。これほど分かりやすい舞台設定は、なかなか用意できるものではありません。
引用:https://www.cbssports.com/wnba/news/aja-wilson-turns-30-las-vegas-aces-wnba-goat/

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