ケイトリン・クラーク

26得点11アシストの直後に出た8個目──クラークのテクニカルをWNBAが取り消し、火曜リバティ戦の出場停止が土壇場で消滅

 

WNBAが、ケイトリン・クラークに科された今季8個目のテクニカルファウルを取り消しました。これにより、8月11日(火)に予定されるニューヨーク・リバティ戦での1試合出場停止は回避されます。ESPNのカリーム・コープランドが最初に伝え、複数の媒体が追随しました。7月末には7個目に対する上訴が却下されたばかりで、正直なところ今回も同じ結末になると見ていました。リーグが自らの判定を撤回したという事実は、このシーズンずっとくすぶってきた「クラークとホイッスル」の議論に、これまでとは質の違う一石を投じたように感じます。

第3クオーターの数秒で何が起きたのか

舞台は8月8日、シカゴのユナイテッド・センターでした。フィーバーはスカイに90-86で競り勝ち、シーズン成績を20勝12敗としています。クラークはこの試合で26得点11アシスト4リバウンド。チーム最多はケルシー・ミッチェルの27得点で、アリーヤ・ボストンも13得点11リバウンドのダブルダブルを記録しました。

問題の場面は第3クオーターに訪れます。クラークはゴール下へドライブしてパスを出した直後、勢いのままコート外へ流れ、そこで審判と接触しました。笛が鳴り、宣告されたのは通常のファウルではなくテクニカルでした。抗議したヘッドコーチのステファニー・ホワイトにもテクニカルが与えられ、スカイのレイチェル・バンハムがそれぞれのフリースローを沈めています。

試合後、クラークは接触が偶発的なもので、言葉のやり取りは一切なかったと説明しました。「彼女は私がぶつかってきたと言いました」と振り返ったうえで、すでに映像を確認しており取り消しを期待している、と語っています。ホワイトはさらに直接的で、コントロールを失って飛び出した相手との偶発的な接触を取るのは判定として良くない、という趣旨の批判を口にしました。AP通信による詳報は ABC News に掲載されています。

「8個目」に引かれていた一発アウトのライン

WNBAのテクニカル累積規定は、段階的に重くなる設計になっています。

  • 1〜3個目:各500ドルの罰金
  • 4〜7個目:各1,000ドル
  • 8個目:1,500ドル+1試合出場停止
  • 9個目以降:各1,500ドル、以後2個ごと(10個目、12個目…)に出場停止

つまりクラークは、今季ずっと近づきながら一度も踏み越えていなかった線に、ついに足をかけていたことになります。IndyStarは、この累積規定による出場停止が適用されれば初のケースになると伝えていました。

8月8日時点のテクニカル数を見ると、クラークの8個がリーグ最多で、エンジェル・リースが7個、ナターシャ・クラウドとカリーア・カッパーが6個で続きます。5個以上に達しているのはアリッサ・トーマスまでの5人だけで、上位が極端に薄い分布です。裏を返せば、クラークだけが突出して笛を吹かれている構図が、そのまま数字に出ているとも言えます。

フィーバーは今季、クラークのテクニカルについて複数回の上訴を行ってきました。7月29日には7個目に対する申し立てが退けられており、認められたのは今回が初めてです。同じ機構が、同じ選手の、似た性質の抗議に対して異なる結論を出しました。その落差こそが、今回のニュースの核心だと考えています。

「あと1個」の重さは消えていない

取り消しである以上、累積は7個に戻ると見るのが自然です。ただしそれは出場停止までの距離が元に戻っただけで、崖の縁に立っている状況そのものは何も変わりません。残り試合でもう1個受ければ、フィーバーはまた同じ火曜日を迎えることになります。

今回リーグが判定を撤回した意味は、1試合の出場可否にとどまらないはずです。上訴を認めるという行為は、現場の笛が誤りだったと機構が事実上認めることでもあります。一方で、どこまでが通り、どこからが通らないのかという基準は公開されていません。同じような偶発的接触が次に起きたとき、同じ判断が下される保証はないままです。透明性の話は、この夏ずっと未解決のまま残り続けています。

土曜時点でのクラークの平均は21.5得点8.0アシスト、フィールドゴール成功率44.1%、3ポイント成功率34.1%。20勝12敗のフィーバーはプレーオフのホームコートアドバンテージ争いの渦中にあり、この時期にエースを1試合失う損失は順位表に直接跳ね返ります。土壇場で回避できたことの価値は、9月以降になって効いてくるかもしれません。

次の一戦とその先

フィーバーの次戦は8月11日(火)、ホームでのニューヨーク・リバティ戦です。ESPNで全米中継されます。予定どおりならクラークは出場し、テクニカル7個を抱えたまま、この夏でも最大級の注目カードに臨むことになります。プレーオフ順位に直結する上位対決で、審判との距離感をどう取るのか。プレー内容とは別の意味でも、目が離せない一戦になりそうです。

引用:https://www.espn.com/wnba/story/_/id/49563703/fever-clark-eighth-tech-rescinded-suspended

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