ケルシー・ミッチェル wnbaファンブログ

「フィーバーのベストプレーヤーはケルシー・ミッチェルだ」──8ターンオーバーの夜の翌朝、スティーブン・A・スミスがクラークを2番手に置いた根拠

 

米国時間8月7日、ESPNの朝の看板番組「ファーストテイク」で、スティーブン・A・スミスがインディアナ・フィーバーの序列に踏み込みました。チームのベストプレーヤーはケイトリン・クラークではなく、ケルシー・ミッチェルだというのです。前夜のラスベガス・エーシズ戦、残り7秒からの崩壊が記憶に新しいタイミングでの発言だけに、SNSは一気に賛否で割れました。ただ、この主張を単なる炎上狙いの一言として片づけてしまうと、今季のフィーバーで起きている本当の変化を見落とすことになります。数字を並べていくと、スミスの言い分には無視できない土台があるのです。

残り7秒でフリースロー2本を外し、延長でボールを失った夜

発端は8月6日、ゲインブリッジ・フィールドハウスで行われたエーシズ戦です。フィーバーは一時20点をリードしながら追い上げを許し、第4クォーター残り7秒、75-72とリードした場面でクラークがフリースロー2本を続けて外しました。その直後にチェルシー・グレイがブザーと同時に3ポイントを沈めて同点。延長でもフィーバーが1点リードした残り7秒でクラークがボールを失い、最後は再びグレイのブザービーターが決まって86-84で敗れています。

グレイは第4クォーターの同点ブザービーターと延長の決勝ブザービーターを1試合で両方決めた、WNBA史上初の選手になりました。エイジャ・ウィルソンが26得点13リバウンドに加えて最後のクラークへのディフェンスで決定的な仕事をし、ジャッキー・ヤングも球団記録の15連続得点を含む22得点。相手が良すぎたとも言えるのですが、クラーク個人の数字は20得点8アシストの一方でターンオーバーが8つ。批判が集中したのは、この8という数字でした。

24.1点と21.5点、そして7月に積み上げた272得点

スミスが根拠にしたのは平均得点とターンオーバーです。番組では「ケイトリン・クラークのファンではあるけれど、インディアナ・フィーバーのベストプレーヤーはケルシー・ミッチェルだ」と語り、ミッチェルの平均24点とクラークより3つ少ないターンオーバーを挙げました(The Spun)。今季のミッチェルは平均24.1得点、クラークは平均21.5得点8.0アシストです。

そして7月のミッチェルは、意見が分かれる余地のない数字を残しました。リーグ最多となる月間272得点、平均27.2得点は球団史上最高の月間平均で、自身が2024年8月に記録した25.2を更新しています。10試合すべてで20得点以上を挙げ、この期間を含む20得点以上の連続記録は14試合まで伸びました。単一シーズン内ではリーグ史上最長の記録です。フィーバーはこの月を8勝2敗で駆け抜け、東カンファレンス月間最優秀選手にミッチェルが選ばれました。キャリア初の受賞が9年目というのも、この選手の歩みを物語っています。

「ベストプレーヤーは誰か」という問いが、そもそも噛み合っていない

ここからは筆者の見方です。スミスの指摘は正しいけれど、比べているものが違う、というのが率直な感想です。平均得点とターンオーバーだけを並べれば、ミッチェルが上に見えるのは当然でしょう。ミッチェルは基本的にオフボールで走り、スクリーンを使って撃つ選手です。ボールを持つ時間が短ければターンオーバーは減ります。対してクラークは8.0アシストを配る起点で、ボールを持ち続けることが役割そのものです。ターンオーバーは、その役割に対して支払っている税金のようなものです。

面白いのは、二人の関係が対立ではなく補完である点です。ミッチェルの得点力が花開いた背景には、クラークの配球が生んだキャッチ&シュートの機会があります。クラークはポートランド戦で26得点10リバウンド10アシストの今季初トリプルダブルを記録し、通算トリプルダブル数はアリッサ・トーマスとジェシカ・シェパードに次ぐ歴代3位に浮上しました。フィーバーが得点を量産できているのは、どちらか一方の力ではありません。

それでも、スミスの一言が刺さったのは事実です。勝負どころで誰にボールを持たせるのか。この問いはプレーオフに入れば必ず突きつけられます。クラークの残り7秒が2度崩れた試合の翌日にこの議論が起きたのは、偶然ではないでしょう。

次戦は日本時間9日早朝、シカゴ・スカイ戦

フィーバーの次戦は米国時間8月8日午後3時30分(日本時間9日午前4時30分)、敵地でのシカゴ・スカイ戦です。ABCでの全米中継が組まれており、負けた直後の一戦としては最高の舞台が用意されました。ミッチェルの連続20得点がどこまで伸びるのか、そしてクラークが最後の1ポゼッションでどう振る舞うのか。「フィーバーのベストプレーヤーは誰か」の答えは、テレビの議論ではなくコートの上で少しずつ出ていくはずです。

引用:https://thespun.com/wnba/stephen-a-smith-on-caitlin-clark-shes-not-fevers-best-player

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