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「オーナーシップはずっと頭の中にありました」──通算10646得点のタウラシが背番号3を天井に上げる2日前に語った、マーキュリー共同オーナー構想

 

背番号3が天井に上がる2日前に出た言葉でした。WNBA通算10646得点という、いまだ誰も並んでいない数字を残して2025年2月に現役を退いたダイアナ・タウラシが、古巣フェニックス・マーキュリーのオーナーシップグループ入りを目指していることを明かしました。ESPNのジョシュ・ワインファスに対して現地8月14日の金曜に語ったもので、時期については「1、2年のうち」という具体的なレンジまで口にしています。引退した名選手が球団経営に関わる話は珍しくありませんが、リーグ史上最多得点者が自ら手を挙げたという事実は、いまのWNBAが置かれている局面を象徴しているように感じます。

「1、2年のうちに」──引退から1年半で口にした次の一手

タウラシの発言が出たのは、フェニックス・サンズ/マーキュリー財団と市が、彼女の功績を称えて市内3面のバスケットボールコートを改修した式典の場でした。「オーナーシップは、常に頭の中にあり続けてきたものです」と本人は語っています。

重要なのは、その後に続けた条件のほうです。タウラシは、ただ出資して名前を連ねるだけの関わり方は望んでいないと明言し、球団がどこへ向かうのかに影響を与えられる立場でありたい、そして拠点はフェニックスでありたいという趣旨を語りました。名誉職としてのオーナーではなく、意思決定に踏み込む側に立ちたい、という姿勢です。

現在のマーキュリーは、2023年に推定40億ドルでサンズとともに買収したマット・イシュビアが支配的持分を保有しています。つまりタウラシが目指しているのは、既存の巨大な資本構成のなかに少数株主として入っていく道ということになります。近年のWNBAでは球団評価額が急上昇しており、20年前に彼女が1巡目1位でこのリーグに入ってきたときとは、そもそも交渉のテーブルの大きさが違います。

20年、10646得点、そして8月16日

タウラシのキャリアは、この球団そのものと重なっています。2004年から2024年までの20シーズンをすべてフェニックスで過ごし、レギュラーシーズン565試合で10646得点。WNBAで通算10000点を超えた選手は、いまも彼女ただ一人です。プレーオフでも72試合で1476得点を積み上げ、通算3ポイント成功数もリーグ最多。3度の優勝、11度のオールスター選出、14度のオールWNBA、そして五輪金メダル6個という数字が並びます。

そして現地8月16日、マーキュリーはフットプリント・センターでのポートランド・ファイア戦で、彼女の背番号3を永久欠番とし、リング・オブ・オナーに迎え入れます。球団の殿堂に名を連ねるのは、シェリル・ミラー、ジェニファー・ギロム(22番)、ブリジット・ペティス(32番)、ペニー・テイラー(13番)、ミシェル・ティムズ(7番)に続く形です。

タイミングとしては、ほぼ完璧です。天井に自分の番号が上がる直前に「経営に入りたい」と語れば、当然その話はセレモニーの空気ごと球団に届きます。交渉の場での立ち位置を考えれば、これ以上ないタイミングでの発信だったと言えるでしょう。

選手側から経営側へ、という流れが意味するもの

ここからは筆者の見方になりますが、この動きは単なる個人のキャリア選択にとどまらないと思っています。

WNBAは今オフに新労使協定の議論を抱え、年俸100万ドルを超える選手が31人まで増えるなど、リーグの経済構造そのものが数年前とは別物になりつつあります。その転換期に、選手として最も長くコートに立ち続けた人物が、テーブルの反対側に座ろうとしている。競技の実務を知り、20年ぶんの労働環境の変化を体で理解している人間がオーナー側に入るかどうかは、今後の球団運営の質にかなり効いてくるはずです。

一方で、現実的なハードルも小さくありません。イシュビア体制のもとで少数株主に入るということは、資金力そのものよりも、どのポジションでどれだけの発言権を確保できるかという交渉の話になります。タウラシが「影響を与えられる立場でありたい」とわざわざ強調したのは、そこを分かったうえでの布石でしょう。

球団側にとっても悪い話ではありません。今季のマーキュリーは苦戦が続き、8月上旬の時点で12勝22敗、プレーオフ進出の可能性は1%を切ると報じられていました。ケルシー・プラムを獲得しながら故障に泣いた1年です。再建に向けて、フランチャイズの象徴を経営側に迎えることは、ファンに対しても強いメッセージになります。

8月16日、フットプリント・センターへ

タウラシの背番号3が永久欠番となるセレモニーは、現地8月16日のポートランド・ファイア戦で行われます。球団は当日、往年のチームメイトやコーチ、家族を含む「マーキュリー・レジェンド」を会場に集めると発表しています。

現役最終盤の彼女しか見ていないファンにとっては、20年ぶんの映像が一気に流れる夜になるはずです。そしてもしオーナー就任が実現すれば、その夜は「引退セレモニー」ではなく「第二章の開幕戦」として振り返られることになります。

引用:https://www.espn.com/wnba/story/_/id/49612680/mercury-legend-diana-taurasi-hopes-join-ownership-group

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