ケイトリン・クラーク

アイソで狙われた回数はリーグ最多の75回、それでもクラークが「キャリア最高」と言い切る3年目の中身

 

7月8日のスパークス戦、ケイトリン・クラークは背中の張りから復帰した直後で出場時間を制限され、16分で9得点、シュートは12本中4本しか沈められませんでした。3分出ては3分休むという起用に本人も戸惑いを口にした夜です。ところがその9日後、同じ選手がシアトル相手にキャリアハイの45得点を叩き出し、WNBA史上初となる40得点10アシストを記録します。ESPNが3年目のクラークを検証した記事を読むと、この振れ幅こそが今季の彼女そのものだと感じます。得点力は明確に一段上がり、守備には課題がはっきり残っている。伸びしろと弱点を同じ試合の中で見せてくれる、そんな1年です。

攻撃の効率は2年前とは別物になりました

数字を並べると変化の方向がよく分かります。ESPNの集計時点で、今季のクラークは31試合中27試合に出場し、平均21.5得点8.0アシスト4.0リバウンド、フィールドゴール成功率44.6パーセント、3ポイント34.9パーセント、フリースロー86.9パーセントを記録しています。得点もアシストもリーグ3位以内という位置です。

ルーキーイヤーの2024年は平均19.2得点8.4アシスト5.7リバウンドで、フィールドゴールは41.7パーセントでした。2025年は故障続きで13試合しか出られなかったため、比較の相手は必然的に2024年になります。そこで目を引くのが効率です。2024年のオフェンス効率は104.2、ディフェンス効率は106.6で差し引きマイナス2.4でしたが、今季はディフェンス効率が108.2とほぼ横ばいのまま、オフェンス効率が113.9まで跳ね上がり、差し引きプラス5.8へ反転しました。

中身も変わりました。ユーセージ率は26パーセントから31パーセントへ上がり、2ポイントシュートの割合は38.8パーセントから49.7パーセントへ。つまり今のクラークは、3ポイントを打つのとほぼ同じ頻度でリング方向を攻めています。効率を測るPIEも13.5から16.2へ上昇しました。通算では1500得点500アシスト到達がWNBA史上最速で、20得点10アシストを記録した試合数もリーグ歴代最多を更新し続けています。

相手が狙い撃ちしている場所は、はっきりしています

一方で対策も露骨です。GeniusIQのデータによれば、今季クラークが直接守ったアイソレーションは75回に達し、これはリーグ最多で2位より27回も多い数字です。そこで許した得点は1回あたり1.19点。アイソを35回以上守った28人のうちワースト4位という厳しい位置になります。ルーキー時代は45回で0.8点でしたから、回数も失点効率も同時に悪化した形です。クラークが最も近い位置にいた場面での相手シュート成功率も、2024年の39.9パーセントから今季は49.0パーセントへ上がりました。

ただし単純比較には注意が必要です。ステファニー・ホワイトHCの下で守備システムそのものが2024年とは違いますし、リーグ全体の平均得点も81.7点から87.3点へ上がっています。リーグが速く、点の入る方向へ動いた分は差し引いて見るべきでしょう。本人も課題を隠していません。手が下がりがちだと指摘されていること、オフボールでボールウォッチャーになりやすいことを自ら挙げています。ディフェンスリバウンドが2024年の平均5.3本から今季3.7本へ落ちている点も見過ごせません。昔はボールの方から寄ってきたと話すクラークに対し、ホワイトHCが今は自分から取りに行けと返したというやり取りは、そのまま改善の処方箋になっています。

守備が伸びれば、攻撃はもう一段上がります

面白いのは、チームメイトのケルシー・ミッチェルがこの課題を攻撃の話として語っていることです。ミッチェルはメンフィス大のペニー・ハーダウェイHCから受けた助言を引きながら、ガードが得点を増やす最良の方法は守備で止めることだと話します。自分はスティールを1、2本増やす、クラークはリバウンドを2本増やす。ボールを自分の手に収めた瞬間からトランジションが始まるのだから、守備の改善はそのまま得点機会の増加につながる、という理屈です。

この視点に立つと、クラークの伸びしろはまだ大きいと言えます。クラーク、ミッチェル、アリーヤ・ボストンの3人が引っ張るフィーバーは、100得点以上を挙げた試合が14に達し、これはWNBA記録です。攻撃はすでに完成品に近い。だからこそ、アイソを75回も守らされている現状を数字ごと改善できれば、プレーオフでの上振れ幅は一気に広がります。本人は「キャリアで最高のバスケットをしていると感じます」と語っており、その自己評価を裏づける材料も、まだ足りない材料も、同じスタッツシートの上に並んでいます。

9月にはFIBA女子ワールドカップも控えています

クラークは9月のFIBA女子ワールドカップに臨むアメリカ代表にも選出されました。レギュラーシーズン終盤の順位争い、プレーオフ、そして代表活動と、24歳のシーズンはここから密度が上がっていきます。故障で13試合しか戦えなかった昨季を経て、体のケアやイメージトレーニングの重要性を口にするようになった変化も、この日程を乗り切るうえで効いてくるはずです。攻撃の完成度と守備の伸びしろが同居した状態でポストシーズンへ向かうフィーバーは、今季もっとも見どころの多いチームのひとつになりそうです。

引用:https://www.espn.com/wnba/story/_/id/49545510/wnba-2026-caitlin-clak-indiana-fever-career-strength-weaknesses

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