ジェイレン・ブラウン

「グループチャットでは誰も何も言いませんでした」──ジェイレン・ブラウン放出をプリチャードが語る、10月10日にTDガーデンで宿敵として再会します

 

10年間ボストンひと筋だったジェイレン・ブラウンが76ersへ送られる。この夏最大級の衝撃だったこのトレードについて、当事者に最も近い場所にいた選手のひとりがようやく口を開きました。ペイトン・プリチャードです。クラッチポインツが伝えた発言を読んで意外だったのは、彼が「驚かなかった」と繰り返している点でした。感傷ではなくビジネスとして処理する。今のNBAで長く生き残る選手の思考回路が、そのまま言葉になっていたように思います。

「もう本当に驚くようなことはありません」という受け止め方

プリチャードはブラウンの移籍について「これはビジネスの一部です。だからもう本当に驚くようなことは何もありません」と語り、大きな出来事を見慣れてしまったこと、変化は常に起きることを淡々と説明しました。長く一緒に戦った仲間が去るのは辛いが、前に進み、次は敵として戦う準備をするだけだ、という趣旨です。

興味深かったのは、チーム内の反応についての証言でした。「グループチャットでは誰も何も送りませんでした。みんなそれぞれのやり方で受け止めるものですから」。10年間看板を背負った選手が消えたのに、チャットが沈黙していたという事実は、ロッカールームがどれだけこの手の出来事に慣らされているかを物語っています。

一方で、ブラウン個人への感謝は具体的でした。彼から多くを学んだこと、時に自分を気にかけてくれたことを挙げたうえで、二人の関係にとても感謝していると述べています。冷めた分析と個人的な敬意が同居しているところに、プリチャードという選手の誠実さが出ています。

2020年ドラフト26位から7年、変化を見続けてきた立場

プリチャードが驚かない理由は、経歴を見れば納得できます。彼は2020年ドラフト1巡目26位でセルティックスに指名され、今季で7年目を迎えます。この間、彼はチームの解体と再構築を何度も間近で見てきました。2023年のマーカス・スマート放出は、ボストンにとって象徴的な選手を数字と適性のために手放した最初の大きな決断でしたし、それ以降もロスターは毎年のように形を変えています。

ブラウンのトレードも、その延長線上にあると考えると理解しやすくなります。新しい労使協定のもとで第2エプロンを超えたチームに課される制約は厳しく、優勝経験のある高額ロスターほど維持が難しい構造になりました。ブラッド・スティーブンス率いるフロントが痛みを伴う決断に踏み切った背景には、この財務的な現実があるとみるのが自然です。感情論だけで語れる話ではありません。

役割の拡大について問われたプリチャードの答えも、彼らしいものでした。「正直あまり考えていません。ただ、より良いバスケットボール選手になることだけを考えています」。コーチの決定は自分のコントロール外だから、自分にできる部分、つまりプレーの引き出しを増やし効率を上げることに集中する、という整理の仕方です。ブラウンの穴を誰がどう埋めるかという議論が外部で盛り上がる中で、この温度差はむしろ健全に見えます。

穴は埋まるのか、それとも構造ごと変わるのか

現実的に考えると、ブラウンが担っていた得点、対人ディフェンス、そして終盤の1対1の解決役という三つの機能を、ひとりで代替できる選手はボストンにいません。ジェイソン・テイタムの負担は確実に増えますし、デリック・ホワイトとプリチャードには、これまで以上に自分で作り出す得点が求められるはずです。プリチャードが「チームが必要とすることを何でもやる」と言い切ったのは、その予感を持っているからだと思います。

ただ、筆者が注目したいのは個人の穴埋めよりも、チームの設計思想が変わるかどうかです。ブラウン在籍時のセルティックスは、質の高いウイングを並べて力ずくで殴り合うスタイルでした。彼が抜けた今、より速く、より多く3ポイントを撃つ形に振り切るのか、それともインサイドを補強してバランス型に戻すのか。プリチャードのようなオフボールで動き回れるガードが多く出場する編成になるなら、後者よりも前者に近づく可能性が高いでしょう。

もうひとつ見逃せないのが、ブラウンの移籍先が76ersである点です。レブロン、ジョエル・エンビード、タイリース・マクシーが並ぶチームに加わったことで、東カンファレンスの勢力図は完全に塗り替わりました。セルティックスは自らの主力を、直接のライバルに供給した形になります。この判断が正しかったかどうかは、来季の順位表がある程度答えを出すはずです。

再会は10月10日、TDガーデンで

感情の答え合わせは、思ったより早くやってきます。セルティックスは10月8日にキャバリアーズとのプレシーズン初戦を戦い、その2日後の10月10日にTDガーデンでブラウンと76ersを迎えます。プレシーズンとはいえ、10年間ボストンのために戦った選手が敵のユニフォームで同じフロアに立つ光景は、レギュラーシーズン並みの熱量になるでしょう。プリチャードが言った「敵として戦う準備をする」という言葉が、最初に試される日です。当ブログでも、セルティックスの再建と76ersのスーパーチーム化は引き続き追いかけます。

引用:https://clutchpoints.com/nba/boston-celtics/celtics-news-why-payton-pritchard-wasnt-shocked-jaylen-brown-trade

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