13得点と18得点、馬瓜ステファニーが韓国戦で示した日本代表の転機

 

FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026が、いよいよ9月4日にドイツ・ベルリンで開幕します。日本代表の初戦はマリ戦、日本時間の同日18時30分ティップオフです。開幕を目前にして、あらためて注目したいのが馬瓜ステファニーの存在です。スペインリーグを主戦場にしてきたこのオールラウンダーは、今回のワールドカップに向けて過去にない長さの準備期間を得ました。国内最後の国際試合となった韓国戦での戦いぶりと、本人が語った言葉を並べていくと、単なる「頼れる控え」ではない、勝敗を左右する軸としての立ち位置が浮かび上がってきます。

韓国戦2試合で13得点と18得点、逆転劇を支えた地道な加点

日本代表が国内で戦った最後の国際試合は、8月13日と14日に有明アリーナで行われた三井不動産カップ2026(東京大会)の韓国代表との2連戦でした。第1戦は日本が第1クォーターから大きくリードを奪い、77対59で快勝しています。この試合で馬瓜はチーム最多となる13得点をマークしました。2025-26シーズンにスペインリーグで3ポイント成功率ランキング1位に立った精度の高さを、限られた本数の中でもきっちり結果に変えています。

より価値が高かったのは翌日の第2戦でした。日本は立ち上がりから韓国につかまり、第1クォーターを9対22という大差のビハインドで終えています。13点差という数字は、40分の試合では致命傷になりかねない立ち遅れです。そこから日本を押し戻したのが、馬瓜の持ち味であるペイントアタックでした。ドライブで内側に切り込み、自ら決めるか、ファウルを誘ってフリースローを得る。この地道な加点の積み重ねが点差を削っていきます。最後は残り0.2秒で田中こころが逆転の3ポイントを沈めるという劇的な結末を迎えましたが、あの1本が価値を持つ位置まで試合を引き戻したのは、第2戦で18得点を挙げた馬瓜の働きがあったからです。大会MVPは田中が受賞しましたが、2試合を通した貢献度で見れば、馬瓜もMVP級の内容だったと言っていいでしょう。

3×3代表から姉妹での五輪出場へ、遠回りが生んだ器用さ

馬瓜のキャリアを振り返ると、この韓国戦での役割の広さがどこから来たのかがよく分かります。桜花学園高を卒業後にトヨタ自動車アンテロープスへ入団し、在籍した6シーズンでWリーグ優勝を2度経験しました。その後は活躍の場をヨーロッパへ移し、昨シーズンは所属チームがユーロリーグで3位に入る舞台も踏んでいます。

日本代表としての歩みも一直線ではありません。東京オリンピックには、この大会で新設された3×3の代表として出場しました。5人制の代表で本格的にキャリアを重ね始めたのはそこからで、2024年のパリオリンピックでは姉の馬瓜エブリンとともに姉妹での出場を果たしています。5人制と3×3を行き来し、日本とスペインという環境の違いも経験してきたからこそ、内でも外でもこなせる器用さが身についたのだと考えられます。本人はコート上のメンバー構成によってポジションも役割も変わる立場を理解した上で、すべてにおいて準備をしておく必要があると語っています。裏を返せば、それだけ計算の立つ選手をゲインズ体制が持っているということでもあります。

「これだけ時間をもらえてありがたい」——3か月の準備が変えるもの

今回のワールドカップに向けて、馬瓜が最も手応えを口にしているのが準備期間の長さです。シーズン中の拠点がスペインだったため、今年3月にトルコで行われたワールドカップ予選トーナメントには大会直前の合流でした。それが今回は6月の段階でチームに加わることができています。「これだけ時間をもらえてありがたいです」という本人の言葉には、抱えていたケガをトレーナーと相談しながら治せたこと、チームの方針を理解した上で練習に取り組めたことへの実感がにじみます。

ここは軽く見るべきではありません。短期決戦の国際大会では、個々の能力よりも、誰がどこに立つかという約束事の共有度が結果を左右します。直前合流の選手が多いチームほど、序盤戦で噛み合わない時間が生まれやすいのが現実です。指揮官のコーリー・ゲインズとは基本的に英語でやり取りをしており、曖昧になりがちな役割については質問を重ねてきたといいます。3か月かけて言語と戦術の両面をすり合わせてきた選手が中軸にいることは、初戦から自分たちのペースで入りたい日本にとって、目に見えにくいながら大きなアドバンテージになるはずです。

そして馬瓜自身が初戦突破のカギに挙げたのはディフェンスでした。ペースとスペースを保ちながら、相手をどれだけ焦らせられるか。オフェンスを走らせるためにディフェンスから入るという発想は、身長で劣る場面が避けられない日本代表にとって、そのまま生命線になります。グループAで日本が同居するのはマリ、開催国ドイツ、そしてスペインです。特にスペインは馬瓜が3シーズンを過ごしたリーグの母国であり、相手の質を肌で知る数少ない存在という点でも、彼女の情報とプレーは重みを持ちます。

日本戦は3試合ともフジテレビ系で放送、DAZNもライブ配信

日本代表のグループステージ3試合は、いずれもドイツ・ベルリンで行われます。第1戦のマリ戦は9月4日18時30分、第2戦のドイツ戦は日本時間9月5日25時(6日未明)、第3戦のスペイン戦は9月7日24時50分の予定です。放送はフジテレビの地上波に加え、CSのフジテレビONE/TWO/NEXT、FODで視聴でき、DAZNでもライブ配信が行われます。マリ戦は地上波が24時45分から、FODは18時20分から。深夜帯の試合が多いため、録画や見逃し配信の準備をしておくと安心です。

ベルリンでの10日間は、日本代表にとって世界との距離を測り直す機会になります。スペインで揉まれたオールラウンダーが、その最初の40分でどんなプレッシャーをかけるのか。9月4日の夜は、そこに注目して見てみてください。

※FIBA女子バスケW杯2026

引用:https://qoly.jp/bask/17860704

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