14度並んだ末の11-0、ベルギーが日本に残していった1点差の伏線

 

FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026の予選ラウンド初日、ベルリンのマックス・シュメリング・ハレでベルギーがトルコを89対75で下しました。中心にいたのはエマ・ミーセマンです。27得点9リバウンド5アシスト2ブロックという全方位の数字を、31分あまりの出場時間で積み上げました。この結果を日本のファンとして眺めると、少し違う感情が湧いてきます。日本代表がワールドカップ直前の強化試合で77対78と1点差まで迫った、あのベルギーが、世界の舞台でどんな戦い方をするのか。その答えが初戦に詰まっていたからです。

27得点9リバウンド5アシスト、21本中12本という効率

ミーセマンのスタッツを分解すると、この試合の性格が見えてきます。フィールドゴールは21本中12本成功、成功率にして57.1パーセント。得点だけでなくリバウンド9本、アシスト5本、ブロック2本を記録しており、コートの上でやっていないことがほとんどありません。ベルギーが世界の強豪として扱われ続けてきた理由が、そのまま数字になっています。

もう一人、目を引いたのがジュリー・ヴァンルーです。14本中8本のフィールドゴール成功で22得点、そのうち3ポイントは11本中6本成功。25分あまりの出場でターンオーバーはわずか1つでした。インサイドのミーセマンとアウトサイドのヴァンルー、この2枚が同時に機能すると、守る側は選択を迫られます。キアラ・リンスケンスも11得点8リバウンドをターンオーバーなしでまとめており、上位陣の精度が際立った内容でした。

対するトルコも簡単には引き下がっていません。セブギ・ウズンは11得点11アシストのダブルダブルに4リバウンド、1スティール、1ブロックを加え、33分近く出場してターンオーバーゼロという離れ業を見せています。司令塔としては文句のつけようがない出来でしたが、ベルギーが後半に加速した局面で、得点面の援護が続かなかった点が響きました。

14度のリードチェンジを断ち切った、3クォーターまたぎの11対0

試合の中身は、スコアの14点差から想像するより、はるかに競っていました。第3クォーターまでに両チームがリードを入れ替えた回数は14回。トルコは第2クォーター終盤にゲクセン・フィティクの5得点を含む7対0のランで44対40と前に出て、一度は主導権を握りかけています。

流れを引き戻したのは、前半残り26秒のマクスエラ・リソワ・ムバカのレイアップでした。44対44の同点で試合を折り返し、そこから第3クォーターにまたがる11対0のランが生まれます。44対45とリードされていた状況が55対45へ。この11点が、最終的に4クォーターで最大20点差まで広がる出発点になりました。キアラ・リンスケンスがこのランの中で6得点2リバウンドを稼いだことも、ベルギーがインサイドから試合を動かしたことを示しています。

競った展開を一気にひっくり返す力、そして突き放したあとに緩めない力。トーナメントを勝ち上がるチームが持つべき性質を、ベルギーは初戦から見せたことになります。

日本が残した「1点差」を、あらためて読み直す

ここで思い出したいのが、8月29日に行われた日本代表とベルギーの国際強化試合です。日本は第3クォーターまでに51対65と14点を追う展開から、最終クォーターだけで26得点を挙げて77対78まで詰め寄りました。当時は「惜しい敗戦」という受け止め方が中心でしたが、初戦のベルギーがトルコ相手に見せた強度を踏まえると、この1点差の意味は変わってきます。

トルコもFIBAランキングでは決して低くない相手であり、そのチームが後半にベルギーの11対0で引き離されました。一方の日本は、リードを許した状態から10分間で13点を取り返しています。フィジカルとサイズで真っ向勝負を挑むのではなく、守備の強度と速い展開で削り取るというアプローチが、世界の上位相手にも一定の再現性を持つことの傍証になりました。ワールドカップ初戦のマリ戦でチーム3ポイント20本という大会新記録が出たのも、この延長線上にある話だと考えています。

ただし、楽観はできません。ミーセマンのような、リバウンドもパスも決定力も兼ね備えたビッグが相手になると、日本が得意とするヘルプからのローテーションは常に後手を踏みます。強化試合で1点差だったからといって、決勝トーナメントで再び対戦したときに同じ距離感で戦えるとは限りません。むしろ、ヴァンルーのようなシューターにボールが渡る回数をどこまで削れるかという、外側の勝負になるはずです。日本とベルギーは予選ラウンドで別のグループに入っており、対戦があるとすれば決勝トーナメントに双方が勝ち上がったときになります。

日本代表の残り日程と観戦情報

日本代表は初戦でマリを102対97で下し、白星スタートを切りました。第2戦は開催国ドイツとの一戦で、日本時間9月6日1時ティップオフ。第3戦のスペイン戦は9月8日0時50分開始です。ドイツは初戦でスペインに53対83と大敗しており、順位を左右する重要な一戦になります。

大会は9月4日から13日までベルリンで開催され、準々決勝が9月10日、準決勝が9月12日、決勝と3位決定戦が9月13日に行われます。日本戦はDAZNとFODで生配信され、フジテレビ系およびフジテレビONE/TWO/NEXTでも放送予定です。深夜帯の試合が続きますので、視聴環境は早めに確認しておきたいところです。ベルギーというチームの完成度を知ったうえで日本の試合を追うと、見えてくるものがまた変わってくるはずです。

※FIBA女子バスケW杯2026

引用:https://www.eurobasket.com/World-Cup/news/1027958/2026-World-Cup-Emma-Meessemans-27-Points-Carry-Belgium-Past-Turkiye?Women=1

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