WNBAのオールスターゲームは、リーグの一年で最も華やかな祭典です。ところが2026年の先発メンバーを決めた投票をめぐって、思わぬ舞台裏が明らかになりました。ESPNが7月2日(現地時間)に報じたところによると、先発を選ぶ「選手投票」に票を投じたのは、リーグ全体で約180人いる現役のうち、わずか85人ほど。半分にも届いていませんでした。堂々と発表された先発ラインナップの裏で、投票制度そのものの脆さが浮かび上がった格好です。
約85票で決まった先発、配分は「ファン50%・選手25%・メディア25%」
まず、先発がどう決まるかを整理します。オールスター先発の投票は、ファンが全体の50%、現役選手とメディアパネルがそれぞれ25%を占める仕組みです。つまり選手票のウェイトは4分の1。それでも、約180人中およそ85人しか投票しなかったという事実は、制度の信頼性という点で無視できません。
今回発表された先発は、東でアリーヤ・ボストン、ベッカーズ、クラーク、ケルシー・ミッチェル、ナターシャ・ハワード、西でエイジャ・ウィルソン、ブリアナ・スチュワート、オリビア・マイルズ、ジェシカ・シェパード、ギャビー・ウィリアムズの10人です。注目は、票の出方が立場によって大きく割れた点です。1試合平均21.2得点のクラークは、選手投票ではガード11位にとどまった一方、ファン投票では2位、メディア投票では3位でした。同じ21.2得点のマリナ・メイブリーに至っては、選手票で4位なのにファン票では12位と、まさに正反対の評価だったのです。
なぜ半分が投票しなかったのか─スパークスで起きた「用紙が届かない」問題
低調な投票率の背景には、単なる無関心では片づけられない事情もありました。投票用紙は各チームが選手へ配る責任を負っているのですが、ロサンゼルス・スパークスでは一部の選手が用紙を受け取れていなかったのです。スパークスはESPNへの声明で、メールで送ったものの「投票期間が終わるまで気づいていなかった選手もいた」と認め、組織として責任を負い、今後はより確実な方法に改めると説明しました。
この不手際は具体的な数字にも表れています。今季負傷で12試合の出場にとどまりながらもリーグ2位の得点力を持つケルシー・プラムは、選手投票のガード部門で12位。しかしファン投票では6位、メディア投票では5位と、選手票だけが際立って低い結果でした。チームメートのネカ・オグウミケもフロントコート部門で選手7位に対しファン8位・メディア10位。用紙が行き渡らなかったことが、身内であるはずのチーム内での評価に影を落とした可能性は否めません。
「仲間内票」と配布ミス─制度は見直されるのか
ここからは筆者の考察です。今回の一件は、二つの構造的な問題を同時に突きつけました。ひとつは配布の不備。もうひとつは、選手が親しい仲間やチームメートを優先して投票しがちという、投票行動そのものの偏りです。クラークがファン・メディアで上位なのに選手票で11位に沈んだのは、この二つが重なった結果とも読めます。ファン人気とコート上の評価、そして仲間意識。三者がバラバラに動く現状のままでは、「誰の何を測る投票なのか」という根本が揺らぎかねません。半分が棄権した投票で決まった先発、という事実は、来季以降の制度改善を迫る材料になりそうです。
次はコーチ選出のリザーブ、そして7月25日のシカゴへ
先発10人が決まった今、次の焦点はヘッドコーチ陣が選ぶリザーブ12人です。発表は現地7月7日(火)に予定されています。ここでリースら“先発落選組”がどう救済されるかにも注目が集まります。そしてオールスターゲーム本番は、現地7月25日にシカゴのユナイテッド・センターで開催されます。制度の課題を抱えたままの祭典が、コート上でどんな輝きを見せるのか。投票の裏側を知ったうえで見ると、また違った面白さがありそうです。
引用:https://www.espn.com/wnba/story/_/id/49254624/sources-less-half-wnba-players-voted-asg-starters

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